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難治性皮膚病 完治の例も
歯科と連携し成果
虫歯や歯周病などの病気や歯に詰めた金属物のアレルギーなど□の中の異常と、全身の病気との関係が注目されている。
歯周病が糖尿病や心臓血管病などを引き起こすとの研究が知られているが、難治性の皮膚病治療でも、□の中を健康に保つことによって症状が改善するとの報告もあり、歯科と連携した治療の試みが進められている。
(科学部 高田真之)
藤田保健衛生大病院(愛知県豊明市)皮膚科では2003年から、歯科医院と連携した治療を試験的に進めている。
初診の際に、虫歯や歯周病など□やのどの病気の有無を尋ね、金属アレルギーがあるかどうか皮膚にパッチをはって調べる検査や、血液検査を実施する。
問診や検査の結果から、□の病気との関連が疑われる場合、連携先の歯科医院を患者に紹介。皮膚病の治療と並行して、歯科治療を受けてもらう。
保険診療で一般的に使われるパラジウムなどで、金属アレルギーが見つかった場合には、義歯や歯の詰め物を、アレルギー反応を起こさない種類の金属や非金属の材料に替える。
名古屋市の主婦(68)は足の裏が赤く腫れて、歩くたびに鈍い痛みに襲われ、手足の皮膚に膿(うみ)のような湿疹(しっしん)が生じ皮がむける「掌蹠膿?(しょうせきのうほう)症」と診断された。
掌蹠膿?症は30〜40歳代に多い。ステロイド(副腎皮質ホルモン)の塗り薬や紫外線照射が一般的な治療法だが、治りにくい。
そこで同大皮膚科の治療と並行して、紹介された歯科医院で虫歯や歯周病の治療をしたところ、2か月後に腫れは治まった。
同大皮膚科との連携治療を行っている「おしむら歯科」(同市)院長の押村進さんは「治療は、歯周病や虫歯、根の治療など、歯科治療で一般的に行われているものです。
金属アレルギーであれば、義歯や詰め物を、アレルギーを引き起こさない素材のものに取り換える」と話す。
発症に扁桃(へんとう)炎が関与することは知られているが、虫歯や歯周病を治療すると、どうして皮膚病が改善するのか詳しい仕組みは分かっていない。
歯に詰めた金属へのアレルギーや口内の炎症、□の中の細菌の作るたんぱく質が、皮膚病を誘発しているのではないか、との見方がある。
新潟大病院皮膚科で、95年11目月から99年6月までの約3年半に診察した掌蹟膿庖症の患者について調べたところ、虫歯や歯周病のある31人のうち、歯科治療を受けた後に4人が治り、16人で症状の改善が見られた。
読売新聞 2008年11月14日
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知っておきたい隣接医学あれこれ
2006年12月20日、国連は糖尿病の脅威に関する決議を行った。これまでに国連で決議された疾患は「エイズ」のみであり、非感染性疾患としては画期的な出来事である。この背景について少し述べる。
米国オレゴン州の7歳で1型糖尿病を発症した少女が周囲の糖尿病への無知・無関心に怒り、これに立ち向かう運動に傾倒した。
2005年に当時次期国際糖尿病連合(IDF)会長のマーチンシリング教授(現IDF会長)に″糖尿病に関する国連決議″採択への運動を提言したのである。
シリング教授はこの意見に真摯に耳を傾け、IDFは正式に運動を開始。翌年には加盟国へ要請し、僅か半年後に国連総会で全会一致で採択された。
なお、提案国が極めて貧しく、かつ糖尿病の多いバングラデシュであり、132の発展途上国の連立であるG77と中国でまず承認されたことが大きい。
これに日本、ニュージーランド、ドイツ、米国など先進8力国が事前討論でコンセンス合意した。
一少女の提案が国運を動かしたことに筆者も強い感銘を受けた。この決議を実際に反映させていくためにも
(1)世界が結集し国家的に対糖尿絹戦略の活動の展開
(2)キャッチフレーズ「Unite for diabetes」、ブルーサークルのロゴを用い国運決議の普及と一致団結して戦う
(3)国連が定めた11月14日の「世界糖尿病デー」には毎年国を挙げての糖尿病撲滅の意識と動機づけを行う、などが求められる。
ちなみにロゴは国運や空を表すブルーを、シンボルマークには団結を表す「輪」を採用し、ブルーサークルと呼んでいる。
参考:日歯広報 2008年(平成20年)10月15日 第1455号
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歯科心身症
■ 歯治療後に発症
この状態は「歯科心身症」と呼ばれる。東京医科歯科大の豊福明教授は15年以上、この原因と治療の研究に取り組んできた。
症状としては舌がザラザラ、ピリピリとした痛みを覚える「舌痛症」が最も多い。
次いで、口の中がネバネバ、ベタベタ、ザラザラする異常感を訴える「口腔(こうくう)異常感症」
▽ 口腔内や歯、あご、顔面に慢性的な痛みがある「非定型顔面痛」
▽ かみ合わせの違和感を訴える「咬合(こうごう)異常感」などがある。
歯科診療を受けた患者のほぼ10人に1人にみられるという。
症状の程度は日によって変わり、午前中は比較的軽く、夕方から夜に強く表れることが多い。
また、食事中やものをかんでいる時、何かに熱中しているときにはあまり感じないのが特徴だ。
同大学病院頭頸部心療外来を07年4月〜9月に訪れた新規患者は218人。このうち女性が174人と、圧倒的に多い。年齢は18歳から87歳までと幅広いが、平均年齢は56歳で比較的中高年が多かった。
歯科心身症の患者のほぼ7割は歯の治療後に発症する。治療が原因と思って別の歯科医を次々と訪ねがちだが、症状が改善されなかったり、治療を重ねるほど症状がひどくなるケースもある。
歯科心身症の統一診断基準はなく、「日本歯科心身医学会」でガイドライン作りを進めている。目安としては、
1)口腔内の痛みの場合、痛み止めや麻酔などが効かない。
2)複数の病院の診察を受けて歯自体に問題はないのに、口腔内に違和感がある。
3)歯の治療をしても改善されない、などがある。
■ 熱中すると緩和
原因が特定されてないが、脳内での情報伝達に問題があるのではないかと考えられている。豊福教授は「心の問題と一蹴(いっしゅう)されがちだが、本当に心因性のものは全体の1%程度。
歯の治療後の口腔環境の変化に脳が適応できなくなっている可能性が高いと考えられる」と推測する。
食事中や睡眠中、何かに熱中している間は症状があまりでない理由についても、口腔内の痛みを感じる脳内の回路より、何かに熱中して他の回路が活発に動いていると、痛みをあまり感じなくなるためと考えられている。
参考:毎日新聞 くらしナビ 健康 Health
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歯周病が深刻な病気をもたらすことも
認知症とも深く関係
認知症とは、ちょっとした物忘れから始まって、日付を間違えたり、場所や人、時間を覚えられなくなったり、さらには妄想まで現れてしまうといった脳の病気です。
誰しもが予防したい病気ですが、歯周病を防ぐことは、認知症を予防することにもつながってくるのです。
歯周病対策で脳卒中を防ぐことが認知症を減らす
認知症には、脳血管性とアルツハイマー型の2種類があります。脳血管性認知症の原因は脳卒中。脳卒中は、動脈硬化が脳の血管でおこるものですから、予防には動脈硬化を防ぐことが大切なポイント。
歯周病菌が動脈硬化を促進しますので歯周病を防いで動脈硬化のリスクを減らすことが、脳血管性の認知症のリスクを減らすことになります。
アルツハイマー方認知症にも歯周病が関係
アルツハイマー方認知症は、脳に委縮が見られるのが特徴の病気。CT(コンピューター断層撮影)画像検査での調査で、残っている歯が少ない人ほど脳の委縮が進んでいたという報告があります。
さらに、アルツハイマー方認知症の人のほうが健康な人より残っている歯が少なかったのです。噛むことが脳を活性化することもわかってきています。
噛むことで刺激が歯根膜から脳へ伝わり、アセチルコリン(学習能力に深く関わる伝達物質)を増やすというものです。この伝達物質の量が減るとアルツハイマー型認知症を引きおこす原因になると考えられています。
歯周病を予防して歯を保つことは、アルツハイマー型認知症を防ぐことにも影響しています。
歯周病対策で件効力アップ 社団法人 8020推進財団 発行
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デジタル機器の登場は革命的な出来事だ
この10年間で歯科医療界にとって最も大きな出来事は、デジタル機器の登場だと断定できる。私はソニーのデジタルカメラの「マビカ」を初めて目にしたとき、これこそ歯科医療界が待ち望んでいたものだと思った。
フロッピーディスクに写真を保存でき、すぐにパソコンで再生できたからだ。初期のマビカは決して高解像度の写真を撮れるわけではなかったが、それでも患者への治療説明に大活躍した。
データの圧縮技術が進歩したことで、今ではかなりの長さの動画でも小さな記憶媒体に収めることができる。
デジタル写真やデジタル動画を利用することで、患者に治療内容について正確に効率的に説明できるようになった。
それ以上に補綴専門医にとって大きいのは、歯科技工士とより緊密に、正確にコミュニケーションできるようになったことだ。
患者にあった技工物を作るには、技工士に実際に患者を診てもらうのが一番良いが、技工を外注している場合は難しい。デジタル技術のおかげで、技工士に患者のニーズを正確に理解してもらえるようになった。
でき上がる歯科技工物のクオリティーが上がったのは言うもでもない。
日経デジタル
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救急搬送先 県が探す
母子を救う妊娠中の川崎市の主婦Aさん(37)は今年3月初め、朝起きると不正出血があった。量は少なかったが、気になった。
昨年10月、初めての赤ちゃんを授かったと分った時、「前置胎盤」と診断された。子宮の出口寄りに胎盤が付着し、子宮口をふさいでいる状態のこと。
胎盤の一部がはがれて大量に出血し、母子ともに命を落とすことがある。
産科医院を受診すると、医師は「危ない兆候。診療体制が整った病院に転院した方がいい」と、電話で近くの大学病院に連絡した。しかし、満床で受け入れられなかった。
従来なら、産科医院から連絡を受けた病院が責任を持ち、その産科医が、受け入れ先を探さなければならなかった。見つかるまでに、1,2時間かかることが多く、医師不足が深刻な産科医を疲弊させた。
そこで神奈川県は昨年4月、医師に代わって受け入れ先を探す取り組みを始めた(本格実施は11月)。
担うのは、県医師会が運営する「県救急医療中央情報センター」(横浜市中区)だ。受け入れができなかった病院の医師が、妊婦の状態を書き込んだ調査票をセンターにファックス。
それを受けて医師会事務員のオペレーターが、周産期医療を行なう県内32病院の中から受け入れ先を探す。
Aさんの場合、情報センターが仲介して、横浜市大市民総合医療センター(同市南区)での受け入れが決まった。すぐに救急車で運ばれて入院した。
この情報センターは、一般の救急患者の受け入れ先を仲介する目的で、1982年に開設された。最近の産科医不足から、昨年、対象を周産期医療にも広げた。
このために、電話対応のスタッフを1人増員し、計11人で24時間対応する。昨年度、週産期関連は590件。全体の66%はセンターで受け入れ先を見つけた。
かかった時間は平均40分だった。ほかは、最初の連絡を受けた病院が独力で探したケースだ。
県救急医療中央情報センター長の近藤正樹さん(産科医)は「医師が探すよりも、短い時間で転院先が見つかるようになった。産科医の負担も軽減できた」と意義を語る。
今年4月、無事に長男を出産したAさん。「妊婦の受け入れ先が見つからず、亡くなる事故が問題になりましたが、絶対にあってはならないことです」と話していた。
読売新聞 2008年7月10日
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ヒトの再生能力
ヒトの体も再生できる
われわれヒトの体は、再生を行なうことがまったくできないのだろうか?
実は、ヒトの体も日々、再生されている。たとえば、私たちの皮膚の最も表面にある「表皮細胞」は、数十日たつと表面からどんどん脱落(だつらく)していく。
これが「あか」である。この脱落分を再生しないかぎり、表皮はどんどん薄(うす)くなり、やがて表皮はなくなってしまうだろう。
皮膚の中には、この日々消えゆく表皮細胞を再生するための細胞がある。この細胞は、分裂(ぶんれつ)して数をふやし、その一部が表皮細胞に変化する。
こうして脱落分が補われ、表皮が保たれている。転んでできるかすり傷は、いつの間にかきれいに治っている。折れた骨も、数ヶ月たてばつながる。
もちろんつめや髪の毛は、切ってもまた生えてくる。私たちヒトの体も、一応はこうした再生能力をもっている。
しかし、ヒトの再生能力には、やはり限界がある。ヒトは、手足どころか、1本の指する再生できない。機能を失った腎臓(じんぞう)や肝臓(かんぞう)を、丸ごと再生することもできない。
ヒトを苦しめる病気のすべては、ヒトの再生能力のとぼしさがもたらしているといっても、決して過言ではない。
ヒトはなぜ、イモリやプラナリアにみられる高度な再生ができないのだろうか?そのカギをにぎるのが、「幹細胞(かんさいぼう)とよばれる細胞だ。
参考資料:Newton ニュートン 2008年6月号
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理想の万能細胞は必ずつくれる。
山中教授はそう確信した。
生命の芽である胚をこわさずに、患者自身のDNAをもつ”マイ万能細胞”をつくりたい。そう考えて、ES細胞にかわる究極の万能細胞づくりに挑(いど)んだのが、京都大学の中山伸弥(なかやましんや)教授である。
中山教授がめざしたのは、胚やクローン技術を使わずに、大人の皮膚の細胞をES細胞のような万能細胞につくりかえることだった。いったいどんな操作をすれば、皮膚の細胞は万能細胞にかわるのだろうか?
皮膚の細胞とES細胞は、姿も能力もまったくちがう。それは、それぞれの細胞の中で活発にはたらく因子(たんぱく質)の組み合わせが、大きくことなるためだ。
「ならば、ES細胞の中で活発にはたらく因子を突きとめ、同じ因子を皮膚の細胞の中に強引に送りこめば、皮膚の細胞はES細胞のような状態にかわるのではないか?」それが、中山教授のアイデアだ。
皮膚の細胞に因子を送りこむ方法として中山教授が選んだのは、因子(たんぱく質)そのものを細胞の中に送りこむかわりに、その設計図である遺伝子を送りこむ、というものだ。
遺伝子を送りこむ手段には、遺伝子治療の分野ですでに実績を上げていた、「レトロウイルスベクター」とよばれる遺伝子の運び屋を使うことに決めた。
戦略は整った。あとは、肝心の因子を突きとめるという、困難な作業が待っていた。中山教授は2000年から、その因子探しに取り組みはじめたのである。
京都大学 中山伸弥教授
1962年生まれ。整形外科医から基礎研究者に転身。iPS細胞の作成に取り組んだ
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歯周組織再生誘導法(GTR法)とは?
歯周病が進行した場合、以前は歯を抜くしか方法はありませんでしたが、この治療法が開発されたことで歯を救えるようになりました。歯周組織再生誘導法とは、失われてしまった歯根部の周囲をゴアティクスという人工の膜で覆い、歯肉の侵入を防いで、歯槽骨を再生させる方法です。
歯槽骨とは歯の土台になっている組織のことで、歯を支える役割をもっていますが、歯を失うと歯槽骨の役割がなくなるため、溶けてしまします。歯槽骨が吸収されてしまうと義歯のひとつであるインプラント(人工歯根)治療も困難になります。
したがって、GTR法が有効なのは歯周病の症状が中程度の人までといわれています。ところが、歯槽骨が溶けてしまった人でも、自分の骨髄を移植して再生する治療法が、福岡市の歯科医・清川宗克さんと久留米大医学部の田井良明教授(形成外科・顎顔面外科)らの研究グループによって開発され、2002年9月22日、広島市で開かれた日本口腔インプラント学会で発表されました。
研究グループは、骨髄の中に、骨に分化する幹細胞が含まれることに着目し、いったん歯を抜き、残った歯槽骨に患者自身の骨盤の内側から採取した骨髄を盛った後、歯肉で覆ったところ、約3ヵ月で歯槽骨が再生して、再移植した歯が固定され、半年後にはものがかめるようになったのです。
1998年4月以降、28〜74歳の患者29人にこの治療を試みたところ、27人は再移植した歯の脱落がなく、インプラントより歯の固着率がよく、細菌に感染しにくいという結果を得ました。つまり、これまでは入れ歯にするしかなかった人でも、自分の歯を再移植するおkとが可能となったのです。
この治療法が一般化するまでにはまだまだ時間がかかりそうですが、清川さんは「自分の歯でものが食べられる点に意義がある。新たな治療法の選択筋として広まってほしい」と話しています。
参考書籍:歯と口の悩みを解消する本
坂本歯科医院院長 坂本 貴史
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メタボリックシンドロームとお口の関係
日本人の大人の80%がかかえる歯と口の悩みは生活習慣とストレスが原因
高血圧症、高脂血症、糖尿病、さらには脳卒中、肝臓病、腎臓病、そして、今ではがんも・・・。これらの病気を生活習慣病と呼びます。とくに、高血圧症、高脂血症、糖尿病の三つの症状は動脈硬化や心疾患の原因となります。
企業では社員の健康管理のために定期の健康診断を実施し、それでもなお不安な人は自分で人間ドックを受診し、これらの生活習慣病の予防のためにさまざまなチェックを行なっています。
でも、歯の健康診断となるとどうでしょう。ほとんどの人は高血圧症や糖尿病ほど気にしてはいません。最近でこそ歯科ドックができましたが、それでも利用する人はまだまだ少ないようです。
その理由を私なりに考えてみますと、歯を、食事をするための単なる道具ととらえているからではないでしょうか。だから、むし歯になったら歯医者へ行けばいい・・・、こわれた部品は取り替えればいい・・・。
だいいち、こんなに硬いものがそんなに簡単にダメになるはずがない、その程度にしか考えていないのではないでしょうか。歯科医だからいうわけではありませんが、それは大きな間違いです。
わたしたちがからだを動かし、スポーツを楽しめるのも、いろいろなことを考えたり好きな趣味に没頭できるのも、きれいな景色をを見て感動するのも、食べものから取り入れたエネルギーがあればこそです。その食べものを取り入れる場所が口と歯です。
最近、ようやく、口や歯の病気がからだや心に及ぼす影響が、科学的にも実証され、その大切さが見直されてきました。原因不明だった肩こりや腰痛も、ストレスやうつ病という心の心の病気も、口と歯の悩みと無関係ではないことがわかってきました。
いつもおいしく食事をいただき、大きな口をあけて楽しく笑える暮らしを手に入れるには、高血圧症や糖尿病などの生活習慣病と同じように、歯と口にも手入れと気づかいが必要なのです。
参考:「歯と口の悩みを解決する本」
著書 坂本歯科医院院長 坂本 貴史
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舌のしびれで早期発見
がんのサイン のどと口
横浜市の会社員(46)は2005年の秋ごろ、辛いものを食べたときにびりびりとしびれるような痛みを感じるようになった。舌の右側の縁のいつも同じ場所。とがった親知らずが、舌にあたるせいではないかと考え、近くの歯科医院で削ってもらった。
それでも痛みは治まらない。1週間後、再び歯科医院でそう話すと、「舌の異常かもしれない。口腔(こうくう)外科を受診した方がいい」と紹介状を書いてくれた。
だが、仕事は忙しい。たいした病気ではないだろうという思いもあって、受診しないまま月日が過ぎた。正月、実家で久々に会った両。親が心配して病院に行くように繰り返すので、ようやく重い腰を上げた
北里大歯科口腔外科に行くと、「舌に腫瘍(しゅよう)ができている」と言われ、すぐに紹介を受けた耳鼻咽喉(いんこう)科准教授の中山明仁さんから、手術を勧められた。早期の舌がんだった。
幸い転移はなく、レーザーで舌の右側を小指1本分程度切って治療は終わった。7泊8日の入院で、退院の翌日から仕事に復帰。手術直後は切った跡がひりひりと痛んだが、1か月後には落ち着いた。今は日常生活での支障はない。「放っておかないで本当に良かった」と振り返る。
舌がんは、早期なら一部を切るだけだが、やや進行すると放射線を出す針を舌に刺してがん細胞をたたく「小線源治療」が行われる場合がある。さらに進行すると、舌を大きく切って腕や腹、背中の筋肉などで再建する手術が必要になる。
小線源治療は舌を切らないため、治療後も普通に話せるが、ごくまれにあごの骨が溶けたり、針を刺した部分にかいようができたりすることがある。切除後に跡に舌を再建しても、うまく話せなかったり、食事にむせたりすることがある。
がんの初期には、舌が食事のたびにしみる、しくしくするなどの感じがしたり、口内炎ができたりする。これらが2週間以上治らない時は、まず歯科か耳鼻咽喉科に行く。異常なしと言われても、症状が治まらない場合は、がんを専門に扱う大きな病院の耳鼻咽喉科や頭頸部(とうけいぶ)外科などを直接受診してみても良いという。
舌がんは、がんのなかでは比較的進行が早い。「2か月で2倍に大きくなることもある」と中山さん。「おかしいと思ったら、とにかく早めの受診を」と呼びかける。
口やのどのがんは、進行してから治療を受けると、話す、食べるなどの機能が損なわれ、その後の生活が一変することもある。早期発見につながるがんの最初のサインを紹介していく。
<舌がん発見のコツ>▼舌のわきから裏側にかけてできることが多い▼舌の痛みや違和感、しくしくする感じが2週間以上続く▼治りにくい口内炎▼表面に硬いしこりを感じる、こすって血がつく▼白い斑点は前がん病変の場合もある。でこぼこやかいようにも注意(中山さん監修)
(2008年1月21日 読売新聞)
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歯型照合システム初開発
群馬の歯科医 身元確認大幅短縮
歯のレントゲン写真を使った遺体の身元確認をパソコンを使って大幅に短縮するシステムを、群馬県高崎市の歯科医師、小菅栄子さん(36)らが日本で初めて開発した。実用化されれば大規模災害や航空機事故の際の身元確認が迅速化するほか、行き倒れの身元不明遺体の特定にも威力を発揮しそうだ。
遺体の身元確認は、指紋による照合がシステム化されているが、歯によるものは、遺体と生前のレントゲン写真を目視で比べるため時間がかかる。歯のレントゲン写真は、同じ部位を撮影しても照射角度などで微妙な違いが生じるため、パソコンによる正確な判別は難しいとされてきた。
小菅さんは、画像の類似性を数値化する「位相限定相関法」の技術研究をしている東北大大学院情報科学研究科の青木孝文教授の研究室と協力し、精度を高めることに成功した。
新技術では、60人分の実験で、目視だと3600回の照合作業が必要だったのに対し、180回で済んだという。絞り込む作業にかかった時間もわずか3・6秒だった。
昨年11月に米シカゴで開かれた北米放射線学会でも、約4000件の研究の中から記者発表の機会を得た14件に選ばれ、CNNテレビでも研究成果が放映された。
小菅さんの父、篠原瑞男さん(62)も歯科医で、昭和60年の日航ジャンボ機墜落事故の遺体確認の苦労を体験。小菅さん自身も御巣鷹山の慰霊登山で遺族と交流するうち、照合技術の開発を決意したという。
新技術の実用化には警察当局も期待しており、ソフト開発企業との交渉も本格化している。
平成20年1月8日(火) 産経新聞
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乳歯バンク名大が開設
再生医療促進
乳歯の中から、骨や神経などさまざまな細胞に成長する幹細胞を取り出して再生医療の研究に役立てようと、抜けた乳歯を集める「乳歯幹細胞研究バンク」を設立したと、名古屋大の上田実教授らが6日、発表した。大学や公共機関がこうしたバンクを開設するのは世界で初めてという。
乳歯バンクは、名大病院などの患者から提供を受け、乳歯の中の歯髄から幹細胞を分離して保存し、再生医療の研究に役立てることが目的。将来は、子どものころ抜けた乳歯を保存しておいて、高齢になって骨折した際に骨を再生したり、孫の乳歯を使って祖父母の骨折治療に役立てる可能性があるという。
上田教授らは、乳歯が容易に集めることができる上に、幹細胞を高密度で含み、増殖能力が高い特徴を持つことに着目。人の乳歯を使った実験で、歯髄から取り出した幹細胞を培養し、骨細胞に分化することを確認している。
上田教授は「乳歯の幹細胞は倫理的問題がなく、再生医療の貴重な資源。早期の臨床応用を目指したい」と話している。
産経新聞 2007年12月7日
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メタボリックシンドローム
【健康らいふ】メタボリックシンドローム撲滅 動脈硬化、歯周病治療で抑制も
□静岡県立総合病院糖尿病・内分泌代謝センター 井上達秀部長に聞く
■内科医と歯科医連携始まる
今や、「歯周病」は糖尿病の6番目の合併症とまでいわれている。糖尿病だと歯周病が起こりやすく、逆に歯周病があると糖尿病が悪化するし、さらに最近の研究では、動脈硬化や腎臓障害も進展させることがわかってきた。重症の歯周病でも徹底して歯垢(しこう)・歯石を取り除き、抗生剤などの投与でかなりの強化療法を施せば、動脈硬化を抑制する可能性も出てきたようである。各自治体では、すでに歯周病を軸に内科医と歯科医の連携が始まっている。(大串英明)
−−糖尿病と歯周病の関係について
井上 糖尿病だと、歯周病になりやすいことはかなり前からさまざまなデータで証明されています。口の中に糖分が増えたり、唾液(だえき)が減って細菌をやっつける白血球や免疫機能が落ちるなどの要因が挙げられますが、歯周病との合併率が80%以上と非常に多く、特に糖尿病患者には、重症の歯周病が多いといわれています。
最近は、逆に歯周病があると糖尿病が悪化することもわかってきて、歯周病菌に感染すると慢性炎症が起こり、そこからいろいろな酸化ストレスや炎症性のサイトカイン(生理活性物質)などが放出されて糖尿病の基になるインスリン抵抗性をきたし、血糖値を上げるというわけなのです。
−−実験データでも
井 実際、歯周病の人は血中の悪玉サイトカインの1つである「TNF−α」が上昇していますが、歯周病を治療すると血中のTNF−αが下がり、血糖の指標となる「ヘモグロビンA1c」も下がることがいくつかのデータで報告されています。
−−動脈硬化症との絡みは
井上 炎症性のサイトカインが血管内皮にも作用して機能障害を起こし、動脈硬化を進展させてしまうという機序もあるわけです。さらに重症化すると心臓病や腎臓病につながってきます。米国では、慢性腎臓病(CKD)の発症率も歯周病の重症度に応じて3〜5倍増えてくるというデータもあります。
−−そのメカニズムは
井上 口の中は血管が密集していて血流が豊富で、感染した菌が血管に入りやすいのです。通常、血管内の細菌は腎臓によってフィルターをかけられますが、その際、産生されてくる悪玉のサイトカインなどによって腎機能が悪化してくるわけです。
動脈硬化の危険因子としてのCKD、高血糖に加えて血管の炎症がアテローム(粥状(じゅくじょう))動脈硬化を炎症・進展させます。動物実験ではこうした歯周病菌の障害作用が明らかになっています。
−−炎症がカギを握っているようですね
井上 歯周病というのは、歯周組織の慢性炎症性疾患であるだけでなく、血管の炎症もきたしてきます。事実、血管の動脈硬化層にも歯周病菌が発見されています。しかし、その歯周病菌を抗生剤などで治療したら動脈硬化を抑制できるかというと、まだはっきりしていません。
実際に1年間、心疾患の人に抗生剤を使った海外の研究がありますが、動脈硬化を予防できるかどうかのエビデンス(科学的証拠)を証明するまでには至らなかった。ただ、かなり強力に歯周病を治療すると、血管の内皮機能が良くなったという信頼できる海外の報告があります。
−−というと
井上 歯と歯肉のすき間(歯周ポケット)に歯周病菌が入り込んで歯周病が重症化していくわけですが、ポケットの深さが6ミリという重症患者120人を対象に局所麻酔下で歯石などきれいさっぱり機械的に除去して、そのポケットの中に抗生剤を入れるという強化療法を行ったところ、今までの歯垢・歯石を取り除く治療よりも、格段に血流や血管内皮機能が良くなったという結果が出ています。
ただし、表の通り、治療1日目はむしろ悪くなっていますが、それは機械的にいじりますから、血管の中に入った菌が全身に散らばって一過性に炎症が悪くなってしまうのではないかと考えられます。2日目以降はどんどんいい方向に向かって改善していく。歯周病の治療介入によって内皮機能が改善するという初めてのデータでもあるのです。
−−歯周病の強化療法が全身疾患の予防につながるかもしれない
井上 頸(けい)動脈の肥厚度検査(IMT)で動脈硬化の早期病変を知ることができますが、歯周病の悪化によって肥厚度が悪化することが明確にわかっています。
内皮機能障害に続いてIMTの変化が認められますから、歯周病に治療介入することによって、動脈硬化を予防できるのではないかという、画期的なデータでもあるのです。また、「抗炎症剤」を使うと、インスリンを作る膵(すい)β細胞の機能が改善し、インスリン分泌が良くなり、かつヘモグロビンA1cが下がるというデータもあります。
−−歯周病は“沈黙の疾患”ともいわれているそうですね
井上 歯科医の間では、歯周病は10代から始まっているといわれています。今でも歯周組織が破壊されて歯が抜け、初めて歯科医に行く人が多いらしいですが、慢性の炎症性疾患が歯の周囲にあると、前述のさまざまな機序から糖尿病やメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)、CKDにもつながり、それが最終的に動脈硬化を引き起こし、脳・心血管病で亡くなる人を増やすことになると思うのです。
−−メタボリックシンドロームとの関係では
井上 メタボリックでも同様に炎症性のTNF−αが増えてきます。炎症の強弱は、一般的に高感度CRP(反応性タンパク)の血中濃度で調べることができますが、メタボリックの危険因子が増えれば増えるほど上がってきます。内臓脂肪がたまるほど、炎症性のサイトカインが放出され、歯周病と相乗して血管の炎症を重積してくると判断されるわけです。
−−歯周病菌というのは
井上 口の中には、300種類以上の細菌がいるといわれています。歯周病を起こすのはそのうちの特異な細菌ですが、基本的には、酸素の少ないところを好む嫌気性菌で、巣くううちに少しずつ悪さをし始める。放出された悪玉のサイトカインが子宮に影響すると、子宮収縮を起こし、歯周病が早産を起こすという調査結果もあるのです。
−−歯周病をほうっておくわけにはいかない
井上 歯が抜けるだけならまだしも、心筋梗塞(こうそく)・脳卒中などの心血管疾患の発症も増やすことがわかっているのだから、広く国民にその実態を啓発するとともに、歯周病の早期診断、早期治療を強力に進めていかなければいけません。従来、糖尿病の合併症である網膜症では、眼科医と内科医との強い連携がありますが、歯科医師との接点はあまり見られませんでした。
歯科医も糖尿病をチェックし、内科医も糖尿病患者の歯科受診を勧め口腔(こうくう)ケアを十分に施すなどの相互連携を進めているところです。日本医師会、日本糖尿病学会、日本糖尿病協会が協力して「糖尿病対策推進会議」を各県単位で組織し活動していますが、今年度から日本歯科医師会も参加し、今後は4団体の連携により糖尿病患者のトータルケアを実現していきたいと思っているところです。
産経新聞 2007年11月6日
http://www.sankei.co.jp/metabolic/metabolic.htm
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歯科健診町民に普及を
地元町民全員の歯科健診を目指す医療大学がある。
北海道に秋の気配が漂い始めた8月24日午前7時、札幌市に隣接する当別町の公民館にお年寄りや親子連れが続々と集まってきた。夏冬の年2回計8日間実施される町民健康診断。身長や血圧を測る大会議室の一角に、千葉逸朗(いつお)・北海道医療大学教授(51)(口腔(こうくう)衛生学)の白衣姿もあった。
町では3年前から基本健診のメニューに歯科健診を加えているが、今年から、有料(1500円)の基本健診とは別に500円かかるようになったこともあり、受診者は多くない。「歯では死なないと思っている人は多い。悪くなってからではなく、ならないように予防する意識を持ってほしいんですが」と千葉教授が苦笑いする。
この日、午前10時の終了時までに健康診断を受けた住民約80人のうち、千葉教授に診てもらったのは10人ほど。だが、「歯医者になかなか行けないから」と昨年に続いて訪れた人や、「初めてだけど歯のことが気になっていた」と熱心に質問する人もいた。
北海道医療大は、当別町に本部がある私立大で、薬、歯、看護福祉、心理科学の4学部を持つ。
「命を扱うのが医者なら、QOL(生活の質)を扱うのが歯医者。食や会話など豊かな生活に歯の健康は欠かせない。だが、歯科診療は、問題を自覚した人の来院を待つ『患者待ち体制』から抜け出せていない」と千葉教授。歯周病と生活習慣病のかかわりも指摘されるだけに、歯の定期健診の必要性を訴え続けてきた。
その提案を受け、大学と町が2003年に始めたのが、町民全員の定期的な歯科健診を目指す「当別町二万人歯の健康プロジェクト」だ。町民健診のほか、かかりつけ歯科医や健診結果を記す「歯の健康手帳」を作って町民に配布。JR石狩当別駅前の空き店舗に「歯の健康プラザ」を設け、大学関係者を講師にした各種の健康講座も開いている。町民の意識啓発と大学教育への参加を兼ね、学生の実習に協力してくれる模擬患者の養成にも力を入れる。
地道な努力の積み重ねで、現在、歯科健診を受けた町民は約4000人にまで達した。国の健康増進法を受け、町も一昨年、健康目標の四つの柱の一つに「歯の健康」を盛り込んだ。だが、千葉教授は「2万人にはまだ遠い。プラザで待っているだけでなく、さらに町に入っていかなければ」と気を引き締める。
秋からは、学内の医師や歯科衛生士とともに、育児サークルや老人クラブなどの市民グループや企業を対象に、出前健診や講座を始める。「地域に貢献しながら地域から学ぶ『キャンパスレス教育』が理想」と大野弘機・歯学部長(64)。
大学との連携について泉亭(せんてい)俊彦町長(70)は「継続した取り組みが充実した成果を生みつつある。大学だから、行政だから、と肩ひじを張るのではなく、自然体で一緒に悩んで成長していければ」と期待する。
町民と試行錯誤を重ねた歯科医療のモデルが、北の大地から発信されようとしている。(松本由佳)
福祉分野でも地域貢献 北海道医療大には、障害児者の一時預かりサービスを中心とした学生の活動「ゆうゆう24」もある。看護福祉学部の横井寿之教授(62)の呼びかけで2002年に開始。05年には卒業生10人を職員とするNPOを設立した。当別町、江別市の計3か所に事業所を置き、約450人の学生ボランティアが登録する。財政破たんした夕張市では、秋から障害者や高齢者の支援に乗り出す。
(2007年9月6日 読売新聞)
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歯医者なんか怖くない!広がる無痛医療
歯をキーキー削る音。聞くだけで治療の痛みを思い出して憂鬱(ゆううつ)になる人も多いだろう。近年は医療技術の発達で歯の無痛治療の選択肢が広がっている。主なものは麻酔治療とレーザー治療。保険診療ではないため、治療費は病院によってまちまちだが、「痛いのは絶対にいや」という人には朗報だ。それぞれの特徴を聞いた。(村島有紀)
≪寝ている間に…≫
麻酔治療には、全身麻酔法と、薬剤でリラックス状態になり、痛みや音を感じにくくする鎮静法がある。
昭和大学歯科病院(東京都大田区)で、静脈に精神安定剤を少量注入してリラックスする静脈内鎮静法を見学した。麻酔医は、患者の男性(86)の脈拍や呼吸数、血圧をモニターでチェックしながら、静脈に精神安定剤「ミダゾラム」と鎮静剤「プロポフォール」を、シリンジポンプと呼ぶ持続投与機で量を調節しながら投与する。
歯茎を切開し、あごの骨を削り、親知らずを抜き、骨を研磨し縫合する大がかりな手術で、所要時間は約1時間。途中で男性は「もう少し右を向いて」という指示に答えたり、「痛い」と右手を大きく動かしたりと、執刀医や麻酔医とコミュニケーションをとる。
ところが手術終了直後に感想を聞くと、驚いたことに男性は手術中のことを覚えていない。「5分ほど前に目覚めた。まったく、痛くなかった」と、おだやかに話す。
歯科麻酔科の吉村節教授によると、近年、日帰り治療が可能となったこともあり、通常の虫歯治療でも鎮静法を希望する人が増えている。「個人差はあるが、男性のように治療したことを忘れてしまう人もいる。痛みの記憶がないため、治療嫌いになることもない。口の中に何か入れられるのがいやだという嘔吐(おうと)反射がある人や全身状態が悪い人、インプラント治療に向いている」と説明する。
≪できるだけ残す≫
千葉市にある東京歯科大学歯科保存修復講座の研究室。平成元年に発足した「日本レーザー歯学会」理事長を務める平井義人教授によると、“痛くない”治療のニーズと、歯をできるだけ残す考え方が広がり、虫歯の部分だけを取り除く治療に関心が高まっている。その一つがエルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーだ。全国で約2000台が導入されている。
専用ゴーグルをつけて、抜いた虫歯の部分を削らせてもらった。パチパチパチ…レーザーの光を当てるとガスコンロの点火音のような音をたてながら、黒ずんだ虫歯部分がスムーズに削れていく。歯のタンパク質が焼けるいやなにおいはするが、耳に付くような音と振動はほとんどない。
このレーザー治療は、従来のタービンや電気エンジンなどの回転切削具より騒音と振動が少ないため、神経に達しない虫歯の治療で麻酔なし治療ができる人が多い。初期虫歯は、その部分だけを線状に取ることができるので削る量が少ない。殺菌作用があるので再発防止も期待できる。
ただし、回転切削具より治療時間は1・5倍ほどかかる。また、回転切削具は削った後が滑らかで、金属をはめ込みやすいのに比べ、レーザーではでこぼこになるため、金属をかぶせにくい。このため、もち状のコンポジットレジンなどを入れて固める。
平井教授は「レーザー光が目に入ると失明する危険性があり、取り扱いには十分気を付けなければならないが、将来的には、レーザーが歯科治療の主流になっていくと思う」と話している。
Er:YAGレーザー臨床研究会のホームページ
(www.er.yag.gr.jp/public/list)
では、約300の登録歯科医院を検索できる。問い合わせは、同研
究会事務局((電)0120・62・0303)へ。
産経新聞 Sankeiweb 2007年8月24日(金)
http://www.sankei.co.jp/
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虫歯は予防
医師と二人三脚
毎日、歯磨きをしているのになぜか、虫歯になる人がいる。一方で、同じようなものを食べて、同じように歯磨きをしていても、まったく虫歯にならない人もいる。
「体質の違い」とあきらめてはいけない。どんな体質、歯並びであっても、きちんとしたケアで虫歯は予防できる。虫歯予防の最前線を取材した。(村島有紀)
口のなかにいるミュータンス菌などの虫歯菌は、糖分を食べながら、歯垢(しこう)の中に酸を作り、歯のカルシウムを溶かす。一方、唾液(だえき)には、カルシウムを補給する働きがあるが、間に合わなくなると、穴が開き、虫歯になる。
つまり、虫歯菌が多く、歯垢があって、唾液の量が少ない人は虫歯になりやすい。「削らない歯科治療」を標榜(ひょうぼう)し、昭和52年の開業以来、予防診療に力を入れてきた国際ビル歯科(東京・丸の内)の相良(さがら)俊男院長は「歯を削り、詰め物をすることで、虫歯になるリスクは逆に高くなる」という。
「歯にぴったりと合っていない詰め物では、セメントが溶け出すなどして虫歯になる可能性が高くなる」からだ。日本歯科人間ドック学会常任理事でもある相良院長は「歯科と本人の二人三脚で、虫歯は百パーセント予防できる」とし、平成11年に診療所横に「丸の内健口センター」を開設した。
保険対象外の自由診療のため、1時間1万2000円と安くはない料金だが、利用者は増え続け、現在、1600人が通う。相良院長が20年以上にわたり予防診療を続ける80代の患者6人の平均残存歯数は24本で、全国平均の9.8本(厚生労働省、平成17年推計値)を大きく上回る。
また、6歳から通った30歳の男性は虫歯ゼロだ。予防診療では、まず口腔(こうくう)内のミュースタンス菌など虫歯菌の数や唾液の量を調査し、虫歯のなりやすさを点数化する。
次に、個人にあった歯磨きの仕方を徹底的に指導する。歯磨き法をマスターするまでに、半年かかる人が多いが、安定した状態になれば、年2、3回の磨き方チェックと、歯科衛生士によるクリーニングを受ける。
6年前から通院する千葉県船橋市の宮田清美さん(52)は「それまでは3年ごとに、どこかの歯が悪くなっていた。でも、ここに来てからは、1度も悪くならない」と満足そう。寝る前には約20分かけて、丁寧に歯を磨くという宮田さんの口を見ると、歯ぐきは健康そうなピンク。実年齢よりもかなり若く見える。
花王のアンケート調査では、口腔ケアに気を遣う人は近年増加傾向。毎日の歯磨きの平均回数は8年の2.2回から16年は2.5回に増え、夜の歯磨き平均時間は3.3分から4.3分に伸びている。
しかし、ネバネバが気になるなど「口の中が不快」と答える人は50代の女性で75%にものぼり、口腔内の悩みを持つ人は高齢になるほど増えているのが現状だ。
学術団体「日本フィンランドむし歯予防研究会」によると「虫歯の原因になる歯垢を減らすには、毎食後にキシリトール入りガムをかむのが効果的」という。
キシリトールは、糖アルコールと呼ばれる炭水化物の一種。虫歯菌のミュータンス菌は、キシリトールを取り込むが、エネルギー源にできない。そのため、キシリトールの取り込みを繰り返すうちに弱り、やがて数が減っていく。
また「歯を強くするには、フッ素入り歯磨きによるブラッシングが効果的」だ。自分ではとれない汚れは年に2、3回、歯科衛生士による特殊な器具を使った歯のクリーニング(PMTC)を受けるといい。歯科医院によって保険診療と、自由診療(1時間5000〜8000円程度)があるが、全国的に少しずつ広がっているという。
同研究会は「昔は、虫歯ができると磨き方が悪いと言われましたが、自分だけでは百パーセントの歯垢は落とせません。キシリトールやフッ素を効果的に使いながら、自分の弱いポイントを知り、状態にあった歯磨き指導をしてくれる歯医者さんを見つけてください」とアドバイスしている。
産経新聞 2007年8月8日 水曜日
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舌苔(ぜったい)ケアしたい
口中ケア市場の規模が右肩上がりに伸びている。なかでも年齢を重ね、唾液の分泌が減ると舌に付着する汚れ「舌苔」に着目した商品が増加している。ストレス社会との関連性も指摘されている。(竹中文)
舌に着目して手軽に舌のケアができる90粒のタブレットが1セットになった「BREO(ブレオ)Z」(2100円)の通信販売を6月から始めたのは食品メーカーの江崎グリコ。
タブレットには、キウイフルーツに含まれるタンパク質分解酵素「アクチニジン」を配合。この酵素は、タンパク質を多く含む舌苔を除去する効果がある。さわやかなミント味と、ほのかな酸味のグリーンアップルの2種類で、携帯を可能にするために1粒ずつ包装している。
広報IR部チーフの吉村貴宏さんは「平成17年に高校生から50代の男女1300人を対象にしたアンケート調査で「口の健康で最も気になるところ」をたずねたところ、「口臭」が29%でトップだった。口中ケアを求める消費者のニーズに、より応えるために開発した」としている。
薬用デンタルリンス「リーチR口臭対策舌クリーン」(オープン価格)のボトルをリニューアルして3月に売り出したのは医薬品メーカーの「ジョンソン・エンド・ジョンソン」。こちらは舌苔を浮かせてはがし取り除く洗浄成分「ラウリル硫酸ナトリウム」を配合した医薬部外品で、しつこい汚れにも効果があるという。
同社では16年から18年にかけて25歳〜45歳の男女を対象にしたオンライン調査を実施。すると16年に47%だった口臭を気にする率が18年は58%に増加した。
マーケティング本部のオーラルケア担当者は「口中ケア市場への関心が高まるなか、消費者の目的や使用場所、時間に応じて細分化した商品も目立つようになった。これからは消費者のターゲットを絞った商品開発を目指したい」としている。
市場調査会社「富士経済」が昨年10月にまとめた「口中ケア市場規模の調査」によると、15年は3691億円だった市場が、19年には4147億円になると予測している。
電通消費者研究センター、ウェルネス市場担当の大屋洋子さんは「ストレスがたまると唾液の分泌量が減るので口臭が強くなる。つまり口中ケアグッズの伸びはストレス社会の反映ともいえる」と分析する。ちなみに18年9月に4705人を対象にした「電通実施調査d−camp」では、40代の男女が口臭予防剤を使用する場合が最も多かった。
市場全体の今後について大屋さんは、「今は健康と美容、そして医療が結びついた分野に注目が集まっている。口中ケア市場はすべてに関連しており、伸び率が期待できる」と予測しながらも、「最近の消費者は自分自身が納得しないと購買行動に移さない。そのためにも(消臭)効果の立証が重要となってくる」としている。
産経新聞 平成19年6月17日(日)
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歯周病
歯の病気と思われた「歯周病」が、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)の元凶である「肥満」とも密接に関係していることがわかった。一方、重度の歯周病では、動脈硬化を促進することも明らかになってきた。
従来、糖尿病との関連が指摘されていたが、最近の研究では、こうしたさまざまなデータから、むしろメタボリックシンドロームの「合併症」としてとらえることが重要ではないか、という見解が広がりつつある。広島大学大学院医歯薬学総合研究科の西村英紀教授に聞いた。
「肥満」と関係 動脈硬化を促進「生活習慣病」の認識が大事
歯周病は、感染症といわれていましたが
西村:歯は通常、歯茎とピタッとくっついていますが、その間に、酸素の嫌いな「偏性嫌気性菌」が巣くって溝(歯周ポケット)を広げ、歯の根の周りから炎症を起こして、しまいには歯が抜け落ちてしまう病気で、確かに感染症ではありますが、近年、「生活習慣病」としてもとらえられるようになってきています。
炎症が歯茎の歯肉組織に限定されているうちは「歯肉炎」、ひどくなって骨組織(歯槽骨)を破壊するまでに至ると「歯周炎」と定義されるが、そこまで重症化すると回復は不可能。進行を食い止めることが治療の目標となる。
歯周病治療で糖尿病改善
歯周病を治療すると、糖尿病もよくなるとか
西村:まず歯周病治療すると、歯周ポケット内の細菌数がたちまち減ってくる。すると、体内の炎症性サイトカイン「TNF−α」の血中濃度が減少し、インスリンの効果を示す指数(HOMA−R)が改善するわけです。
産経新聞 2007年6月4日 健康らいふ
メタボリックシンドローム
(抜粋してあります)
http://www.sankei.co.jp/metabolic/200706/070604m_lfe_103_1.htm
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良く噛む
4月18日はよい歯の日、日本歯科医師会が平成5年(1993年)に制定しました。この他に同様なものが6月4日の虫歯予防デーそして11月8日のいい歯の日があります。これらは見てお分かりのとおり語呂合わせによるものです。何れの日も健康で良い歯であるようにとのようです。
昔の人は現代の人に比べて歯が丈夫、顎も頑丈そして歯並びなども悪くなかったそうです。現代の人は柔らかい物を多く食べてあまり噛まなくなったために歯が弱くなったとのこと。時間に追われて早く食べざるを得ないこともあるのでしょう。
良く噛むと唾液がたくさん出て消化が良くなる、気分が落ち着くなどいろいろ良いことがあると言われております。味を感じるのは味(の物質)が舌の味を感じる細胞に触れて作用することによるものです。味わうためには食べ物に含まれている味が(食べ物から外に出て)舌に触れる必要がありますので噛むことが重要となります。
また、早く飲み込むよりも長く口にある方が味を感じる時間が長くなります。スルメなどは『噛めば噛むほど味が出る』と言われておりますが、これなどは良く噛んで味わうことの良い例ではないでしょうか。
食材や料理の種類によっては工夫をすると良く噛むようになります。生のものや加熱を少なめにし歯ごたえのある方が美味しいものもあります。また長い時間熱を加えない方が食材の独特の香りや味を損なわないものが多くあるようです。いろいろ試してみると面白いかもしれません。
これからは春の美味しい食材が多く出回ります。良く噛み香り、味、風味などをしっかりとたんのうしてください。
「リーンチャンネル・アグリネット通信」 vol.124('07.04.13)
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歯周病の治療で血管機能が改善
歯周病の治療により、血流や動脈の弾力性が改善されるという知見が、米医学誌「New England Journal of Medicine」3月1日号に掲載された。
この研究は、英イーストマン歯科病院(ロンドン)で重症の歯周病(歯を支える歯肉および骨の慢性的な細菌感染)をもつ患者120人を対象に実施したもの。歯周病の集中的治療を行った群では、治療直後に炎症の増悪がみられたものの、6カ月後には血管の内側を覆う内皮の機能改善が認められた。
また血管が拡張して血流が改善したほか、内皮細胞の健康状態を示す分子マーカーでも改善が示された。例えば、6カ月後の集中治療群の動脈内腔が通常治療群よりも2%拡張しており、改善の程度と歯周病治療との間に相関があることも明らかにされた。
米国歯周病学会(AAP)のPreston D. Miller博士は、この研究は局所炎症と冠動脈の炎症との関連をさらに強く裏付け、歯周病と心血管リスクに関する情報蓄積に大きな前進をもたらすものだと支持。ただし、特定の歯周病治療による効果を明らかにするには、さらに研究が必要だという。
一方、米国歯科医師会(ADA)のDaniel Meyer博士は、今回の研究をはじめ、歯周病と心血管疾患との関係を示す一連の研究では、各危険因子の相対的な重要度が示されておらず、食事、運動、全身の健康などの関与が考慮されていないため、疾患の1つの側面しか見ていないという。
心臓発作、脳卒中などの心血管疾患に対し歯周病がどれほどの影響をもつかはまだわかっておらず、喫煙、飲酒をする人や肥満の人は口腔内の健康に気をつける必要があるが、そのほかの因子にも同様に注意するべきだと同氏は述べている。
米コロンビア大学(ニューヨーク)Mailman公衆衛生学部准教授Moise Desvarieux博士は、この研究が歯周炎と血管疾患との関連を示す証拠を補強するものであり、また、歯周病を治療することで血管内皮機能が改善していることから、可逆性をもつ可能性もあると指摘している。
(HealthDay News 2月28日)
Copyright (c) 2007 ScoutNews, LLC. All rights reserved.
http://www.healthday.com/Article.asp?AID=602319
出典 富田 篤 先生
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生きた歯をつくる
再生医療の大きな課題は、細胞を立体的な臓器の形に仕上げることである。どんな臓器にもなり得る胚(はい)性幹細胞(ES細胞)を分化させて神経細胞などをつくることはできるが、複雑な細胞の組み合わせである臓器を形づくることは困難とされてきた。
東京理科大と大阪大の共同研究グループがマウスの胎児細胞を使って成功した「歯」や「ひげ」づくりは、その端緒になるかもしれない。東京理科大辻孝・助教授らは、まずマウスの胎児から歯の元になる歯胚(しはい)という組織を取り出し、上皮細胞と間葉細胞という2種類の細胞を分離。次いで、いったんそれぞれの細胞群をバラバラにしてゲル状のコラーゲンの中に生体と同様の高密度で入れ、間葉細胞群に上皮細胞群を重ねる形で組み合わせて培養した。
間葉細胞は上皮細胞と接すると、相互作用により分化し、歯のタネができた。そのタネは抜歯したマウスに生着した。人での応用には、さまざまな問題をクリアする必要があるが、今後の再生医療研究に期待したい。(坂口至徳)
産経新聞 サイエンス 2007年3月10日
歯・毛髪再生 マウスで成功
臓器形成にも道
マウスの胎児から取り出した細胞から「再生歯」や「再生ひげ」を作り出すことに、東京理科大と大阪大の共同研究グループが成功した。成体マウスに移植すると再生歯に神経や血管が通い、正常の歯と同じ機能を持つことを確認した。歯や毛髪の再生だけでなく、機能を失った臓器を「再生臓器」に置き換える臓器置換再生医療の実現を大きく推進する成果という。
米科学誌「ネイチャーメソッズ」(電子版)に19日、発表した。東京理科大基礎工学部の辻孝助教授らは、歯の形成にかかわる2種類の細胞(間葉細胞と上皮細胞)をマウスの胎児から取り出し、シャーレで培養。コラーゲンに2種の細胞を注入、歯のもとになる歯胚(しはい)を再構成することに成功した。
この歯胚に外科処理を施して成体マウスの抜歯部に移植すると、0.25ミリの歯胚が14日後には2ミリの「再生歯」に成長。象牙質やエナメル質が形成され、内部に血管や神経が通っていることも確かめた。
同様の方法でマウスのひげを再生することにも成功。辻助教授によると「多様な細胞で構成される器官・臓器を人工的に形成したのは世界初」という。辻助教授は「歯や毛の再生だけでなく、さまざまな臓器の形成技術に発展する可能性がある」と期待を込める。
ただし、人の再生治療では胎児からの細胞を使うことはできないので、「歯や臓器の形成につながる細胞を、成体から探し出すことが今後の課題」という。
産経新聞 2007年2月19日
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いつまでも口から食べるために
食事や会話 生活豊かに
食べたり、話したり、ほほえんだり・・・。毎日の暮らしのなかで、口は大きな役割を果たしています。こうした働きに着目し、病気や加齢で衰えがちな口の機能を高めて、健康を維持する「口腔ケア」の考え方が広がりはじめています。(寺田理恵)
寝たきりなど、重い要介護状態の人を介護するとき、語りかけに応じてくれたら、介護者は気持ちが通じ合っていることが分る。しかし、話すなどの機能は、口を使わないと衰えてしまう。
静岡市三島市の原田智子さん(69)=仮名=は昨年3月に体調を崩し、入院中に入れ歯をはずされた。そのため、残っている下の前歯が歯のない上の歯茎をかんだ状態になり、口の筋肉の衰えが進んだ。
口が開かなくなって、顔つきも変ってしまった。暮れに自宅に戻ったものの、ベッドに横たわったまま、言葉を発することもない。智子さんが要介護状態になったのは、平成10年にくも膜下出血で倒れてから。
夫の孝徳さん(73)=仮名=は当時、自宅でつきっきりの介護をし、チューブで栄養をとる智子さんに「何とか口から食べさせてやりたい」と、とろみのある昼食を手作りした。お盆に8皿も並べ、1皿に1本ずつスプーンを添えた。味が混ざらないようにとの心遣いだ。
しかし、昨年の退院後は食べることも、話すこともできなくなった。そこで、孝徳さんは智子さんの訪問歯科受診を再開し、義歯を入れてもらうことにした。
「以前は歌も歌ったし、口もきいた。義歯を入れたら、一言でもしゃべってくれるんじゃないかと期待しています」。孝徳さんにとって、智子さんは心の支えだ。
12月27日夜、静岡県長泉町で開業する歯科医師の米山武義さんと、歯科衛生士の杉山総子さんがクリニックの診察時間を終え、車で原田さん宅を訪ねた。米山医師は、智子さんのかかりつけ歯科。4年ほど前に訪問看護師から紹介され、定期的に口腔ケアをしてもらっていた。
当日は義歯を入れる前に杉山さんが口の中を清掃し、口のリハビリをして、智子さんの好きな歌を歌った。すると、智子さんが歌に反応し、言葉にならない声を出した。義歯が入り、ほおがふっくらとして女性らしい表情を取り戻すと、孝徳さんの顔も明るくなった。
ごっくんと、智子さんののどが鳴った。果汁だけでも飲み込めるようになれば、2人の暮らしに楽しみが一つ増える。「ごっくんと」と飲み込むのは、かみ合わせる歯がないと難しい。智子さんが再び、食べたり話したりするには、口や舌のリハビリも必要だ。
入れ歯をつければ、口の中に空間ができ、それ自体がリハビリになる。特別養護老人ホームで暮らす82歳の女性が、入れ歯をつけたとたん、それまで意図せず出たり入ったりしていた舌が口腔に収まり、はっきり言葉が出るようになった例もある。
意思を伝えることができるようになって女性は身だしなみにも気を配るようになったという。口腔ケアは、口の中を清潔にすることから、唾液の分泌、唇や舌の働きの回復も目指す機能的なものへ変ってきている。
その流れを促したのが、米山医師らが行なった誤嚥性肺炎の予防に関する研究結果だった。研究によると、口腔ケアを受けた人は2年間に11%しか肺炎を発症しなかったが、受けなかった人の発症率は19%に上った。
また、口腔ケアで発熱発生率や栄養状態が改善されることも分った。食べる機能の回復、肺炎や低栄養の予防に配慮した専門的な口腔ケアは「生活の質」を向上させ、全身の健康維持に役立つ。米山医師は「五感を刺激しながら食べることが生命力を喚起する。健康を維持することで薬も減るでしょう。歯科と医科の連携が必要です」と指摘する。
介護度の重い高齢者は口から食べると、口の中の細菌や食物などが気道に入って誤嚥性肺炎の危険性が高まる。だから、病院などではチューブでの栄養摂取に頼りがちだ。しかし、病院や介護施設が歯科と連携し口の中を清潔に保つなど適切な管理をすれば、肺炎もある程度防げ、口から食べる喜びを長く持ち続けることができる。
しかし、実際には適切な口腔ケアを受けている高齢者は少ない。訪問の診療報酬に魅力が薄いことも背景にあるようだ。米山医師は「口腔ケアは生活の質を変えるものだと、国民自身も目覚めてほしい」と話している。
産経新聞 2007年1月16日 ゆうゆう life
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自慢の歯で第2の人生
団塊世代に高まる意識「老後の食事も楽しみたい」
6割が自信なし
団塊世代が一斉に定年退職を迎える2007年。その前に、この世代の歯と歯茎の現状や歯の健康への認識について探ろうと、10月末から11月初めにかけて、首都圏に住む男性サラリーマンとその妻の101組を対象に、意識調査を実施した。
平均年齢は夫は57.3歳、妻は52.7歳。「見た目では何歳ぐらいか」と尋ねたところ、夫は53.9歳、妻は48.1歳とかなり若い見立てだった。ところが「歯と歯茎年齢」を尋ねると、それぞれ54.9歳、51.5歳と実年齢にぐんと近づいた。
歯の健康については、夫の61.3%、妻の64.3%が「自信がない」と回答。その理由は、「食べ物がよく歯にはさまる」と答えた人が最も多い。次いで、歯が白くない→歯が抜けて少ない→虫歯が多い→口の中が粘つく→歯肉が下がった→口が臭いといわれたなどの順だった。
ライオン歯科衛生研究所の歯科衛生士、田畑悦子さんは「歯の間に食べ物がはさまるのは歯肉が退縮し、すき間ができているためで、歯周病の状態を表していることが多い」と説明する。そのまま放っておくと、重度の歯周病である歯槽膿漏に進行する可能性もあり、注意が必要だ。
歯に自信がない、という団塊世代。それだけに「ここ数年で歯に対する健康意識が高まった」と答えた人は夫67%、妻64%と、かなり高い割合だった。
意識の高まりとともに、行動も変化しており、夫の場合は「歯磨き回数が増えた」という人が最も多く48.5%。妻では歯磨き回数の増加とともに、「毎日歯茎を鏡で見る」が44.6%でトップだった。
治療は今のうち
大阪府歯科保険医協会理事の小澤力さんは、大阪市内で開院している歯科医院を訪れる50〜60代の患者から、「歯と歯の間に食べ物がはさまって痛い」「ぐらぐらしてかめない」「歯を磨くと出血する」などの訴えをよく受けるという。
この世代は30〜40代に比べると、健康問題をより切実に感じているせいか、歯の健康に対する意識も高い。「50、60代といえば、その後の人生を充実させるためにも、おいしいものを自分の歯でできるだけ味わいたいはず。「今のうちに、きちんと治療しておかないといけません」と説明すると、よく理解してもらえます」と小澤さんは話す。
そこで、気をつけてほしいのが、歯の磨き方。歯の健康を意識するあまり、熱心に歯を磨いても、自己流のため、かえって歯や歯茎を痛めてしまうケースもよくあるという。「こんな一生懸命歯を磨いているのに、なんで歯が痛くなるのか、と怒る患者さんもいます。ぜひ、正しい磨き方を身につけてほしい」と小澤さん。
ライオンの調査で、「お口の健康目標」を尋ねたところ、夫、妻ともに半数前後が「自分の歯でおいしく食べ続ける」と答えた。小澤さんは「自分の歯で食べるということは、アンチエイジングという考え方でも非常に大切。そのためにも、自分の歯に自信があるうちに歯科医を訪ねてほしい」と話している。
産経新聞 2006年12月20日(水曜日)
法歯科医 全国組織設立へ
災害時の身元確認 迅速に対応災害や事故の犠牲者の身元確認で、歯型の照合やDNA鑑定を行なう歯科医らが中心となった全国組織「日本法歯科医学会」(仮称)が来年4月に設立される。説明会が16日、東京都内であり、関係者約60人が集まった。
災害時に政府などから要請される法歯科医派遣の受け皿となる学会は、国内にこれまでなかった。小室歳信日大歯学部教授は「学会に要請があれば迅速に対応できる。現場の経験を持ち帰ってもらい、後進につなげたい」と期待している。
この分野が注目されたのは昭和60年8月の日航ジャンボ機墜落事故。法歯学の専門家や群馬県警の委託を受けた民間の歯科医が、歯型を元に損傷の激しい遺体の身元確認で実績を挙げた。
しかし、多くの日本人が巻き込まれた2004年12月のスマトラ沖地震では、膨大な犠牲者の中で身元確認が難航。これを教訓に、国内外問わず大規模な事故や災害に対応できる環境整備の必要性が高まっていた。
政府レベルでも、外務省が平成19年度から、海外で確認作業に当たる専門家チームを設置する方向で検討に入っている。新学会では、身元確認に関する研究成果を発表し合うほか、各都道府県警から委託を受けた民間の歯科医が作業中にけがをしたり、感染症にかかった場合の補償について議論する予定。
産経新聞 2006年12月17日(日曜日)
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オリンパス、歯科関連機器市場へ参入歯科用測色装置
「Crystaleye(クリスタルアイ)」を国内より発売
オリンパス株式会社(社長:菊川 剛、以下オリンパス)は、2006年11月から歯科関連機器市場へ参入します。
歯科医院・技工所に向けた歯科用測色装置
「Crystaleye Spectrophotometer」(愛称:Crystaleye〔クリスタルアイ〕)を販売代理店ペントロン ジャパン株式会社(東京都品川区、代表取締役:薄井 邦昭)を通じて、11月21日から国内で販売を開始します。
今後も当社の光学・画像処理技術を活かした製品展開で、歯科関連機器市場での事業拡大を図ります。
新製品導入の背景
近年、歯の補綴(ほてつ)物※を用いた審美歯科治療が増加してきており、患者の歯(歯牙)の正確な色情報を提供できるツールが求められていました。
従来は歯科医(術者)がシェードガイドと呼ばれる色見本を用いて人の視覚による色照合で歯牙色情報を得ていたため、補綴物を製作する技工士へ正確な情報伝達ができず、患者の歯牙色とのミスマッチによる補綴物のリメイクが発生していました。
「Crystaleye(クリスタルアイ)」は、当社独自の光学技術を活かした高精度な測色能力を持った歯科用測色装置で、患者の歯牙を簡単撮影し得られた情報から正確な色分析を行うことができます。また、技工所にて製作補綴物を専用の歯顎モデルにセットして撮影することで口腔内と同一環境下で撮影でき歯牙との比較が可能となりました。
この製品の導入により、今後の歯牙測色の標準化を築くべく普及を目指したいと考えています。
※ 歯科治療における「オールセラミック」、「メタルボンド」等のいわゆるかぶせもの
http://www.olympus.co.jp/jp/news/2006b/nr061113crystalj.cfm
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口腔ケア・薬で誤嚥予防 高齢者の肺炎減らすために
高齢者の死因の上位を占める肺炎。その原因には、食道に入るべき消化物や唾液(だえき)が誤って気道に入る「誤嚥(ごえん)」がかかわっていることが多い。誤嚥によって口の中の雑菌が肺に入り、肺炎を起こしているとみられ、誤嚥性肺炎と呼ばれる。誤嚥は、睡眠中など無意識のうちに起きることも多いという。肺炎予防のために口の中を清潔に保つ「口腔(こうくう)ケア」に力を入れたり、薬を使ったりする試みも行われている。
○食事工夫・食後に歯磨き
「のみ込んでみてくださいね」。大阪府内の特別養護老人ホーム。男性入所者(68)に、ものをのみ込む「嚥下(えんげ)」の状態を調べる検査の往診に来た大阪大歯学部顎(がく)口腔機能治療部の野原幹司医長が呼びかける。
健康な人では、食べ物をのみ込むと自然に食道へと入る。誤って気道に入ってもせきをして吐き出そうとする。いずれも脳からの指令による無意識の反射だ。だが、脳卒中や認知症で嚥下やせきをつかさどる脳の部分に障害が起きると、嚥下ができなくなってくる。そのため、この施設では月1回、嚥下の異常が疑われる入所者を対象に、施設のかかりつけの歯科医を介して、嚥下の診断や食事指導をしてもらっている。
検査では首に手や聴診器を当て、嚥下が正しくできるかを診る。内視鏡を使う場合もある。この男性は出された食事を次々口に入れるが、のみ込もうとしても、むせてしまっていた。野原さんは「嚥下機能が低下している」と判定。とろみをつけた「とろみ食」や細かく刻んだ「きざみ食」から、よりのみ込みやすいゼリー状の食事へメニューの変更を助言した。
数カ月前に入所したこの男性は過去2回、脳梗塞(こうそく)の発作を起こし、右半身にまひがあった。口元まで運べば自力で食べられるが、発熱があり、誤嚥性肺炎が疑われた。嚥下の診断には歯科や呼吸器内科、耳鼻咽喉(いんこう)科、リハビリ科などがかかわるが、「専門に診断できる医師はまだまだ少ない」と野原さん。大阪大の同治療部では、状態に応じて嚥下を回復させるリハビリの指導などもしている。
この施設では2年前から、口腔ケアに力を入れ始めた。口腔ケアには「いつまでも楽しく食べてもらう」という以外にも、肺炎予防の効果があるからだ。1人ずつ専用の歯ブラシをつくり、食後に介護者がブラッシングする。
口腔ケアの効果は、全国300人余の特養入所者を対象にした調査で立証されている。食後の歯磨きとうがい薬によるうがいで口腔ケアをした入所者で、7日間以上の発熱で入院したのは2年間に15%で、口腔ケアを何もしなかった入所者の29%より低かった。肺炎による死者も7%で、ケアしなかった入所者の16%より少なくなった。
同治療部の阪井丘芳教授は「歯のない人にも歯茎を刺激したり、舌を指で押したりといったケアが必要です」と語る。口の中の刺激が脳を刺激し、嚥下を正しく保つ効果があるという。
○高血圧薬に期待
口腔ケアの調査にも参加した佐々木英忠・秋田看護福祉大学長(東北大名誉教授)は、睡眠中など無意識のうちに唾液が気道に入る「不顕性誤嚥」を重視する。食事と関係ないので、胃に管で直接食べ物を流し込む人でも起こりうる。
東北大病院の外来で、高齢者の肺炎の原因を調べたところ、約7割に誤嚥が関与しており、そのほとんどが不顕性誤嚥だった。ふだんは問題ないが、体が弱ってくると、唾液に混じった雑菌が繁殖して肺炎を起こすと考えられている。一度治っても不顕性誤嚥は続くので、繰り返し肺炎を起こしやすい。「高齢者が発熱を繰り返す場合は、不顕性誤嚥を疑った方がいい」と佐々木さんは言う。
不顕性誤嚥は、脳血管にわずかな障害が起き、神経伝達物質のドーパミンや嚥下にかかわるサブスタンスPという化学物質の分泌が低下して起きるとされる。
そこで東北大では、ドーパミンの放出を促す働きがあるパーキンソン病治療薬アマンタジン(商品名シンメトレルなど)や、サブスタンスPの分解を抑制するイミダプリル(商品名タナトリルなど)という高血圧の薬を肺炎予防に使う試みをしている。
脳血管に障害のある高齢者がアマンタジンを3年間飲み続けたら、飲まなかったグループに比べ、肺炎の発症が約5分の1だった。イミダプリルを2年間飲み続けた研究では、肺炎発症率を3分の1に抑えることができたという。また、肺炎治療で二つの薬を抗菌剤と併用すると、抗菌剤の使用量が約半分で済み、入院期間も3分の2になった。
ただ、こうした薬は、誤嚥を防ぐ目的では医療保険が適用されないこともあり、まだ広くは普及していないという。佐々木さんは「今後は目先の肺炎治療だけでなく、不顕性誤嚥という根本原因に目を向ける必要がある」と言っている。
■誤嚥性肺炎の予防
●口腔ケア
・食後の歯磨き
・歯のない人には歯茎や舌の刺激
●医師の診断
・「口の中に食べ物が残る」「食事中にむせる」「風邪以外で熱が出る」といった症状が目立てば医師の診断も・薬(ドーパミンを促す薬など)
●食事の工夫
・のみ込みやすい「とろみ食」や「きざみ食」
※こんなときは肺炎の疑いも
・食欲が落ちる
・活動性が落ちる
・知能レベルが落ちる
・失禁をする (必ずしも熱は出ない)
朝日新聞(asahi.com)2006年10月19日
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歯垢を分解する糖類、果物やワインに 花王研究所が発見
果物やキノコ、ワインなどに含まれている糖類の一種「エリスリトール」に、虫歯や口臭の原因となる歯垢(しこう)を分解しやすくする働きがあることを、花王の研究者らが見つけた。歯ブラシやうがいの水流程度でも、歯垢がはがれやすくなるような効果が期待できるという。22日に横浜市で始まった歯科基礎医学会で発表した。
口の中には虫歯につながる病原菌と、いわゆる善玉の細菌などが混在する。こうした細菌が増えて、食べかすなどをエサにして絡み合い、歯につくと、取れにくい歯垢となる。唾液(だえき)の清浄作用が細菌の増殖を抑えることは知られているが、詳しい仕組みは分かっていないという。
唾液の働きを研究していた花王ヘルスケア研究所の前田晃嗣室長、矢納義高主任研究員らは、メロンやナシなどの果物や、しょうゆ、みそ、ワインなどの発酵食品に含まれるエリスリトールが、唾液と同じように細菌同士の結合をゆるくする働きを持つことを見つけた。
再現した歯垢にエリスリトール水溶液をかけると、歯ブラシが触れなくても、ブラシが起こす水流を再現した超音波があたるだけで、歯垢がはがれるようになった。エリスリトールを使わずに超音波をあてるのに比べ、歯垢は約3分の1まで減っていた。
前田さんは「エリスリトールは、殺菌剤も入れない歯垢内部まで浸透できることを確かめた。細菌同士の結合構造を変化させてゆるめ、ブラッシングなどの小さな圧力で落とせるようになるようだ」と話している。
2006年09月23日 朝日新聞
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抜いた歯冷凍保存
最長40年間移植が可能
広島県の女性A子さん(21)は、歯が生え替わった後も、上あごの右奥歯(臼歯(きゅうし))が生えないなど歯並びが悪く、歯列を直す矯正治療を受けていた。生えてこない臼歯部分のあごの骨に、自分の親知らずを移植することになった。親知らずは、矯正治療の一環で8か月前に抜歯し、広島大の「ティースバンク(歯の銀行)」に預けていたものだ。数週間後には、移植した歯で硬いものもかめるようになり、歯並びもきれいになった。(科学部 吉田昌史)
歯周病や虫歯で歯を失う人は多い。そんな時に備え、矯正治療で抜いた親知らずなどの歯を冷凍保存しておくのが、ティースバンク。広島大病院矯正歯科教授の丹根一夫さんと講師の河田俊嗣(としつぐ)さんらが2004年に設立した企業「スリーブラケッツ」が運営する、世界初の「歯の銀行」だ。
保存するのは、原則として小臼歯と親知らずで、多いのは親知らず。上下に4本ある親知らずは、生えるのが20歳前後と遅く、生えた時に歯並びが悪くなると、虫歯や歯周病の原因にもなるため、抜歯することが多いからだ。
抜いた歯を、別の歯が抜けた部分に移植する治療は「自家歯牙(しが)移植」と言い、既に一部が保険で認められている。ただ、移植した歯が生着するために、通常は抜歯後1時間以内に移植を行う。歯の根っこの周りにある組織「歯根膜」が乾燥などに弱く、短時間で死ぬためだ。
河田さんは、歯根膜が付着した状態で、長期に歯を凍結保存する方法を研究。試行錯誤を重ね、着目したのが、磁場をかけながら冷凍する技術だ。食品の鮮度を保つのに使われている方法で、「歯根膜の細胞は解凍後、80%以上が生存している」と話す。
バンクは、この技術を使い、歯根膜付きの歯を広島大病院の冷凍庫でマイナス150度で保存する。
移植手術は、抜けた歯の歯茎に、解凍した歯を植える。ナイロンの糸で固定し、3週間ほどは、移植した歯に衝撃が加わらないよう極力使わない。歯の根っこ(歯根)とあごの骨の間にあったすき間を埋めるよう、あごの骨が伸びる。1年もすると、歯があごに固定され、歯ごたえを感じながらかむことができる。
保存した親知らずは、形を整えて小臼歯や奥歯に代用できる。小臼歯も、下の前歯以外の歯に利用できるという。ただし、感染防止のため本人以外には移植できない。
保存できる歯は1人8本までで、最長40年間、保存できる。バンクには、すでに約600人(約1300本)の歯が保存されている。糖尿病や肝臓病などの持病があると、骨の形成などの問題から、移植できない場合もある。
歯の移植は、過去2年間に約20件行われた。移植後10年たたないと成功とは言えないが、河田さんは「歯が抜けるなど不具合は生じていない」と話し、経過は良好という。
バンクの利用者の7割は女性。広島大病院のほか、スリーブラケッツ社の研修に参加した全国29の協力歯科医院でも受け付けている。
その一つ、内田歯科・矯正歯科クリニック(東京・練馬区)は約10人の歯をバンクに送った。副院長の内田禎子さんは「矯正で歯を抜いたお子さんの将来を考えてバンクに預けた親もいる」と話す。
凍結保存の場合は保険がきかず、費用は抜歯、移植、輸送費などを含め、1本当たり20万〜28万円程度かかる。
「歯の銀行」の主な協力歯科医院
Sタウンデンタルクリニック
(札幌市北区)(電)011・765・6001
こばやし歯科クリニック
(茨城県日立市)(電)0294・52・6480
宮地デンタルクリニック柏の葉
(千葉県柏市)(電)04・7132・4618
内田歯科・矯正歯科クリニック
(東京都練馬区)(電)03・3995・4618
歯科楳津医院
(東京都新宿区)(電)03・3351・6685
申し込みは、スリーブラケッツ((電)082・257・5686)へ
(2006年9月1日 読売新聞)
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専門医活躍 さよなら恐怖心
歯の治療 麻酔を味方に
甲高いドリルの音とツーンと鼻にくる薬品のにおい−。大人になっても歯医者が苦手という人は多い。深刻な場合は、恐怖のあまり失神してしまう例もある。そんな「歯科治療恐怖症」の人に対し、全身麻酔などを施す「歯科麻酔科」が注目を集めている。治療に際し痛みがなく、当日に帰宅することも可能という。
■診療台で失神
「待合室で足が震え、診療台に上っただけで失神する方もいます」。東京歯科大学水道橋病院(東京)歯科麻酔科長の福田謙一さんは“重度”の歯科恐怖症についてそう語る。
同病院では平成13年、歯科麻酔専門医による専門外来「リラックス歯科治療外来」を設けた。治療は、問診やレントゲン撮影を行ってから、治療計画を立てるところから始まる。治療期間や治療部位などを踏まえたうえ、主に恐怖心や嫌悪感が強い患者には、静脈に点滴をして、ウトウトとした状態で治療をする「静脈内鎮静法」で対応する。
「例えば、口を開けてもらうときにだけ意識レベルを上げるなど、(点滴の量などで)比較的自由に(患者の意識を)コントロールできます」と福田さん。口の中に手をいれただけでむせかえってしまう「おう吐反射」を示す人など、より強い拒否反応を示す患者には全身麻酔で対応している。
歯科麻酔医と歯科医がタッグを組んで治療に当たる医院もあれば、「リラックス歯科治療外来」のように両方を1人が兼ねるケースもある。
全身麻酔の場合でも治療後、1時間半程度で麻酔は切れる。「その日のうちに帰宅し、お酒を飲むことも可能」(福田さん)という。費用は健康保険が適用されるケースもあり、1回数千円ですむこともある。
歯科麻酔科はもともと、障害者ら長時間じっとしていられない患者を対象としていたが、「治療する際の(患者の)ストレスに注目が集まるようになってきた」と、歯科ジャーナリストの秋元秀俊さんは広がりの背景を説明する。
欧米では親知らずを抜く際、全身麻酔や静脈内鎮静法が一般化しているともいわれる。「日本は野蛮だなどという声もある」(都内歯科医)といい、日本人の“我慢強さ”に頼ってきた面もある。そんな状況から、これまで「恐怖症」の実態を歯科医ですら認識し切れていなかったという。
東京歯科大学の福田さんは「『怖くて30年以上歯医者に行けなかった』という方など、恐怖心を抱いている人の多さに驚いた」と目を丸くする。恐怖症患者の実態は患者数の増加が表し、リラックス歯科治療外来は開設以来、患者数は増え続け、2年間で倍増したという。
■リストを公開
歯科麻酔専門医は大学の付属病院を中心に全国にいる。日本歯科麻酔学会(東京)によると、学会の会員数は約2000人。そのうち200例以上の経験を持つ「認定医」は約1000人。さらに5年以上の経験を持ち、試験に合格した「専門医」は150人強だ。
学会は今年6月から、専門医のいる医療機関名や医師名をインターネットのサイト上で公開している(http://wwwsoc.nii.ac.jp/jdsa/index.html)。麻酔に対する不安や警戒心があるのは確か。学会では「安全で安心の歯科医療を求める声は多い。多くの患者さんに(サイトを)利用してもらいたい」と呼びかけている。
8月2日(水) 産経新聞
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おしゃぶりの長期間使用 噛み合わせに悪影響の声
おしゃぶりのせいで歯の噛み合わせが悪くなったなどとして、横浜市の女児(6)と母親が先月、ベビー用品メーカーを相手取り、約1000万円の損害賠償請求訴訟を起こした。おしゃぶりの長時間・長期間の使用に伴う、あごの発育などへの悪影響の可能性を注意喚起する表示がないことが問題となっている。
メーカーを提訴
訴状によると、この女児は生後2ヵ月の平成12年7月ごろから、大手ベビー用品「コンビ」のおしゃぶりを使い始めた。1歳になるまでは、ぐずっているときや寝ているときに1日計15時間ほど、1歳以降は就寝中だけにし、1日12〜14時間くらい使用した。
女児が口をポカンと開けていることが多いことに気付き、家族が歯科医を受診させたのは3歳のとき。「おしゃぶりが原因で噛み合わせが悪くなっている」と診断された。その後、おしゃぶりをやめると、噛み合わせは改善したが、あごの変形や滑舌(かつぜつ)がよくないといった症状が残ったという。
診察した亀山歯科医院(東京)の亀山孝将(たかまさ)医師は「歯並びや噛み合わせは口唇や舌からの適切な圧力バランスで正常に発達する。だが、おしゃぶりを長時間・長期間使うことでこのバランスが崩れる」と指摘する。
数年前から指摘
今回、訴訟を起こした原告側は、おしゃぶりの過度の使用は控えた方がよいという注意表示がパッケージなどにないことを問題視し、「(メーカー側が)適切な情報を与えず、指示・警告上の欠陥がある」と主張している。
訴えられたコンビのおしゃぶりは、ドイツのメーカーが開発したものを輸入した商品。天然ゴム製とシリコーンゴム製の2種類がある。パッケージには「特殊な形状があごや歯の発育を助ける」といった「メリット」が記されているが、あごなどの正常な発達を阻害しうる「デメリット」については記載がない。
おしゃぶりの過度の使用に伴う問題は、国内では医師らによって数年前から指摘されているが、同社広報では「(問題が起こりうると)認識したのは昨年以降」と話す。具体的には「「上下の前歯が噛み合わなくなった」などの相談が昨年から寄せられるようになった。1年間で3件あり、歯科医での受診を勧めた」と説明する。
相談が寄せられるようになったことを機に、同社は昨年春ごろから注意表示導入の検討をスタートした。だが1年たった現在も導入は実現していない。「変更にはドイツのメーカーの許可が必要で、そのやりとりに時間がかかっている」という。
将来的には「(一定の月齢を過ぎたら)使用を控えてほしい」「歯並びに影響をあたえる可能性がある」などの表示を導入する方針だが、具体的な時期は決まっていない。訴訟を起こされたことについては、「訴訟の内容を把握していないので、提訴についてはコメントできない」としている。
「早急に対応を」
コンビとおしゃぶり市場をほぼ二分する「ピジョン」の商品にも長時間・長期間使用に関する注意表示はない。「使用方法や対象月齢を(パッケージに)記しているので、今の表示が正しいと判断している」と同社。NPO法人「食品と暮らしの安全基金」が昨年8月に送った質問状に対しても、同社は同様の回答をし、今後も新たな注意表示を記載するつもりはないという考えを示した。
同基金の丸田晴江さんは「注意表示を大きくしていれば、お母さんもおしゃぶりを使わせる時期や時間を間違わない。メーカーは、早急に対応してほしい」と訴えている。
常用する乳幼児3歳で78%に開咬
東京歯科大学の米津卓郎講師が平成15年、乳幼児約1200人を調査したところ、おしゃぶりを常用する子供は、1歳半で31%、2歳で63%、3歳では78%に、開咬(奥歯を噛み合わせても、前歯の上と下の間にすき間ができること)がみられた。
また、日本小児科学会の会員らで作る「小児科と小児歯科の保健検討委員会」は昨年1月、「長期使用は乳歯の噛み合わせに悪影響がある」という見解を発表。「言葉を覚える1歳過ぎには常時使用しない」「遅くとも2歳半までには使用を中止する」などの注意を呼びかけている。
平成18年6月8日(木) 産経新聞
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がん患者向け歯科医育成へ――静岡がんセンター
静岡県立静岡がんセンター(静岡県長泉町)はがん患者の治療のサポートを専門にする歯科医の育成を始める。がん治療に伴い口腔(こうくう)内に生じる合併症を予防・軽減し、病状の悪化を防ぐのが狙いだ。
抗がん剤投与や頭や首周辺へのがんに対する放射線治療などでは、唾液(だえき)が抑制されるため、口内炎などの合併症が発生しやすい。免疫力が落ちたがん患者にとっては、口内炎は重度化しやすく、全身に広がる感染症を発症することもある。
これまで主に医師や看護師が対応しており、歯科医による専門的な処置は十分ではないとの指摘があった。
2006年5月20日/日本経済新聞 夕刊
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口臭よりも歯周病対策 洗口液
歯周病や虫歯対策を重視した口内ケア商品の人気が高まっている。以前は「口臭予防」をうたったものが多かったが、最近は消費者の健康志向の高まりもあってメーカーも「予防」を意識した商品を次々と投入している。
歯ブラシ、歯磨きなど商品は多種多様だが、とりわけ好調なのは洗口(せんこう)液。口いっぱいにふくんですすぐ液体ならば、歯ブラシが届かない部分の細菌を洗い流せるという期待があるようだ。(山口暢彦)
健康志向 強力殺菌に期待感
ズラリ30種類
「ここ一年、オーラルケア(口内ケア)商品の売り上げは毎月約5%ずつ伸びています。その伸びを引っ張っているのは、歯周病を防ぐことを目的とした洗口液です」。こう語るのは、ドラッグストア「ハックドラッグ」を運営するCFSコーポレーションのヘルスケアチーム、飯塚憲三さん。
昭和五十九年ごろから市場に出回り始めた洗口液は、口臭を防ぐのを目的としたものが主だったが、ここ二、三年は、歯周病や虫歯対策をうたったものが中心になっているという。
昨年九月にオープンした「ハックドラッグ藤が丘駅前店」(横浜市)でも、入口に歯周病予防コーナーを設けたが、やはり人気は洗口液で、三十種類ほどが並ぶ。同店のスタッフは「健康に関心が高い年配の方が買っていかれるケースが多い」と話した。
歯磨き代わり
メーカー各社は追い風を受け、相次いで洗口液の新商品を送り出している。医薬品メーカーのファイザーは三月、配合された塩化亜鉛が、歯垢とリン酸イオンの結合を防げ、歯石がつくられるのを防ぐ「薬用ターターコントロール ベターケア リステリン」を発売した。
サンスターも二月、液の中に、歯の主成分であるカルシウムを含み、歯に取り込まれやすくして虫歯になるのを防ぐ「サンスタードゥー仕上げリンス」を発売。ライオンも同月、働く女性をターゲットにうたった、酵素が歯垢を分解・除去する「クリニカデンタルリンスクイックケア」を売り出した。
同社の調べでは、働く女性は「忙しい」「場所がない」などの理由で、昼食後に歯を磨きたくても磨けない人が多い。そこで、このような女性向けに、手軽に歯をケアできるコンパクトな商品として「クリニカー」を出したという。
市場を牽引
ファイザーの調査によると、口内ケア商品市場は平成十六年度が千五百億円、十七年度が千六百億円で、市場は一年間で6.7%拡大した。
その中でも洗口液と液体歯磨きをあわせた「マウスウォッシュ」の伸びが著しく、前年度比約35%増だった。洗口液が伸びているのは、「歯ブラシでは落とせない上あごや舌、ほおの内側の細菌を液体なら洗い流せるという印象があるからではないか」と同社広報担当の鈴木実さん。
「うがいで風邪を予防するのと同じ感覚。歯ブラシや歯磨きは(あまり伸びが期待できない)「成熟市場」だが、今後も健康志向は続くとみられるなか、(より徹底して殺菌ができる)洗口液はこれからも期待できる。このためメーカー各社も力を入れています」と鈴木さんは話している。
過信は禁物・・歯石除去は歯科医へ
口内ケア商品は「歯周病予防」をうたったものが多い。歯周病とは、歯垢(しこう)を温床とした細菌によって引き起こされる病気で、歯肉が腫(は)れたり、ひどくなれば、歯を支える歯槽骨が破壊されたりする。
人気の洗口液はどの程度、歯周病の予防になるのだろうか。兵庫県尼崎市の歯科医、谷口裕子さんは「過信は禁物です」と指摘する。「すでに歯石(歯垢が石灰化したもの)が歯にたくさんついていれば、いくら洗口液で口をすすいだり、歯磨きをしても、歯周病は防げない」からだ。
歯石は表面がザラザラしているので、歯垢はますますたまりやすくなる。しかも固いために、すすいだり、磨くだけでは、なかなか取り除くことはできない。「洗口液は使った後が爽快(そうかい)で、予防できた気になってしまう。
しかし、まずは歯科医に口内を調べてもらい、歯石をきっちり除去してもらわなければ、使ってもあまり予防効果がない」と話している。
産経新聞 平成18年4月13日
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軽く磨いて知覚過敏予防
今年1月、東京都足立区の主婦宇田川初恵さん(49)が、冷たいものを飲むと、左下の奥から2、3番目の歯がキーンとしみた。何年も前に治療をした歯だ。
「虫歯かな」と思って、東京・御茶ノ水にある、かかりつけの日大歯学部教授の宮崎真至(まさし)さん(45)に相談した。冷たいものに触れるとしみて、間もなく治まる。歯を診て、痛みの具合を確かめると、診断はすぐについた。
「虫歯ではなく、知覚過敏ですね」正式には、「象牙(ぞうげ)質知覚過敏症」と言う。歯が痛むと、虫歯と思ってしまうが、痛みはほかの理由でも生じる。宇田川さんの場合は、歯肉が下がって、歯の根が露出していたところに問題があった。
歯は図のように、ものをかむ表面は硬いエナメル質で覆われ、内部には象牙質と、神経や血管が束になった歯髄(しずい)がある。ただし、根には、エナメル質がないため、歯肉が下がると象牙質が露出してしまう。表面には象牙細管という無数の小さな穴があり、そこから刺激が神経に伝わる。
冷たい飲み物だけではなく、冬場の冷気も刺激になる。だから、水がぬるむこの時期には気にならなくなる場合がある。
根が露出すると必ず痛むというものではない。歯の根が細菌のかたまりである歯垢(しこう)で汚れていて、細菌が出す刺激でしみることが多い。歯ブラシで強く磨き過ぎている場合もある。
治療は表のような段階になる。やさしく磨いて細菌を取り除き、歯を強くしたり、膜で覆ったりして刺激が伝わらないようにする。
宇田川さんの歯を診てみると、左下の奥歯3本の根が露出して痛みが生じているようだった。宮崎さんは軽く磨いて、カルシウムやリンの作用で歯が強くなる再石灰化を促す成分を含むコーティング剤を塗った。
宇田川さんの痛みは、その後もやや続いたが、1か月後に再度同じ治療をするとすっかり治まった。
「そう言えば」と宇田川さんは思い出した。10年前にも、歯肉が下がったことによる知覚過敏と言われて、セメントを塗る治療を受けたことがあった。知覚過敏は、10人に2人が経験するありふれた症状で、多いのは30〜50歳で、特に女性に多い。
宮崎さんは「歯を刺激せずに、軽く歯磨きをして歯垢を落としておくのが、知覚過敏の予防と治療の基本」と言う。(渡辺勝敏)
知覚過敏症の治療
■ 軽症(自分でもできる)
・歯ブラシで歯の根の歯垢を落とす。
・市販の知覚過敏防止用の歯磨き剤を使う。刺激を伝えにくくする
効果がある。
・フッ素でのうがいや、ジェルの塗布で歯を強化する。
■ 重症(歯科での治療)
・レジン(プラスチック素材)やセメントを塗り、刺激を遮断する。
・歯の神経をとる(歯の亀裂などがある場合)。
〈日大歯学部教授、宮崎真至さん監修〉
(2006年3月31日 読売新聞)
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光で固まる樹脂材料を開発
●慶大など 歯周病治療用、光で固まる樹脂材料を開発
慶応義塾大学と国立循環器病センター研究所の共同チームは、歯周病で失った歯を支える骨の代わりになる樹脂材料を開発した。動物実験で効果を検証中の段階だが、一般的な歯科治療で使うハロゲンランプで簡単に固めることが可能。
実用化できれば手軽に歯周病治療できるようになるという。慶応大医学部の中川種昭・教授と大学院生の深谷千絵さんらの成果。8日から岡山市で開かれる日本再生医療学会総会で発表する。
開発した樹脂材料はまず、ブタの皮から採取したゼラチンを主成分にエオシンという着色料や、ポリアミンなどの物質を混ぜ合わせて作製した。熱を加えてドロドロの状態にし、歯周病が原因でなくなった骨の欠損部などに注射器を使って注入。歯の治療に使うハロゲンランプを照射すると、光に反応して数十秒で固まり、多孔質の固体になる。
時間経過とともに周囲にある骨などの細胞が気孔中に入り込み、歯周組織が再生する。注入した材料は時間の経過とともに体内で分解され、自分自身の組織と完全に置き換わる仕組みだ。現在、新材料をラットの皮下組織に埋め込んで毒性や体内への吸収速度などの検証を進めている。将来的には、歯周組織の再生を促すたんぱく質などを混ぜた上で、一般の患者に利用できるようにしたい考えだ。
●日本医大 細胞使い歯周病治療、ネズミ実験
日本医科大学の研究グループは、脂肪から採取した細胞をもとに歯周病を治療する再生医療の実験にネズミで成功した。歯を支える骨などを修復できた。余分な脂肪を有効活用できるうえ、比較的採取しやすいので患者の負担が少ない治療法になる可能性がある日本。医大の水野博司・講師、百束比古・教授らの研究成果。きょう8日から岡山市で開かれる日本再生医療学会総会で発表される。
研究グループはネズミの足の付け根にある脂肪を採取。その中から、筋肉や骨などに成長する性質を持つ「間葉系幹細胞」と呼ばれる特殊な細胞を取りだし、血液中の成分などと混合してゼリー状に加工、患部に注射器で送り込んだ。
約8週間観察したところ、注入した細胞が歯を支える骨や、歯と骨の間でクッションの役割を果たしている膜などに成長し、ほぼ元通りに回復することを確認した。間葉系幹細胞は骨髄液から採取するのが一般的だが、脂肪は骨髄と比べて採取しやすい。
●産総研と阪大 親知らずから肝組織を再生
産業技術総合研究所関西センター尼崎事業所(兵庫県尼崎市)は7日、大阪大学の協力により、抜歯したヒトの親知らずの歯胚から採取した未分化な間葉系幹細胞を単離・増殖し、骨、肝臓、神経の細胞に分化させること発表した。
ラットを用いた動物実験では、体内で骨組織と肝臓を再生できることも確かめ、再生医療の材料として数年後には実用化したいとしている。歯の細胞から肝臓の再生が確認されたのは世界で初めて。
歯胚から得られた間葉系幹細胞は骨髄から得たものよりもさらに未分化で、細胞1個を約5カ月かけて培養すると、100京個(京は1兆の1万倍)に増殖するなど、増殖能・分化能も高く、再生医療により一層適している可能性があるという。
筋肉、骨、脂肪など体中の細胞のもととなる未分化の細胞を「幹細胞」という。幹細胞には、初期胚(受精卵)から取る胚性幹細胞(ES細胞)や骨髄から取る間葉系幹細胞があるが、倫理面などを考慮すると間葉系幹細胞の方が使い勝手が良い。
同研究所組織・再生工学研究グループの池田悦子・研究員らは、歯列矯正治療中の10〜16歳前後の若者数人から、生える前に抜き。取られた親知らず(歯胚)の提供を受けた。研究グループは通常破棄されている歯胚を特殊なタンパク質分解酵素で増殖させ、いろいろな細胞に分化できる間葉系幹細胞を取り出すことに成功。
この細胞は増殖能が非常に優れており、これを骨髄細胞から幹細胞を採取した場合と同じ要領で、シャーレ上で培養して、試験管内で骨細胞、肝細胞、神経細胞に成長・誘導させた
さらに、この幹細胞を骨用多孔質セラミックと呼ばれる、穴のたくさん開いたセラミック製の人工骨に注入し、免疫不全ラットの皮下に移植。6週間後に摘出したところ、新生骨が再生した。
また、肝障害を起こしたラットの線維化した肝臓に通じる静脈血管に注入したところ、幹細胞が肝臓に生着して肝細胞に分化。3週間で機能が再生され、肝障害が治った。注入した幹細胞数は1回当たり50万〜5,000万個だったという。
同研究グループの大串始(おおぐし はじめ)・グループ長は「受精卵を壊してしまうES細胞などに比べ、採取が簡単で体への負担も少ない。廃棄されてしまう親知らずを凍結保存しておき、病気になったときに培養して移植すれば拒絶反応がない。
これまでの移植医療の課題が解決でき、広範な再生医療に利用できる」「免疫抑制剤を使えば他人の親知らずから作った臓器の移植も可能で、将来的には臓器バンクも考えている」などと話している。
産総研は今後、歯胚細胞を使って心臓や血管などの再生も試みる考えだ。
IndepenDentNet(歯科医療関係者のための情報サイト)
平成18年3月7日,8日 日刊ニュース
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バージャー病は歯周病菌が原因
東京医科歯科大グループは1日発行の米血管外科専門誌に、手足の末梢血管が詰まって壊死する「バージャー病」に歯周病菌がかかわっていることを突き止めたと発表した。
研究では、同病の男性患者14人から、血栓ができた足の動脈片と歯垢と唾液を採取して歯周病菌があるかどうか調べた。その結果、13人で足の動脈片と歯垢と唾液に含まれる歯周病菌のDNAが一致したということである。健康人では歯周病菌は見つからなかった。
バージャー病とはビュルガー病とも呼ばれる病気で、閉塞性血栓血管炎(T.A.O.)と呼ばれることもあります。四肢の末梢血管に閉塞をきたす疾患で、その結果、四肢や指趾の虚血症状が起こる病気です。
バージャー病は喫煙する20〜40歳代の男性に多く発症し、男女比は9.7対1で、強い痛みを伴います。最悪の場合、ひざ下の切断に至ることもあります。
その他の症状としては、足の冷感やしびれ感、安静時疼痛、潰瘍・壊死などの症状が出現します。国内には約1万人の患者がいるとされ、国の難病指定を受けています。
これで、予防法は禁煙と歯周病の予防、治療ということになると思います。また、歯周病は糖尿病や脳梗塞、早産など色々なことに関与していることが証明されてきています。
(出典 歯科関連トピックスー最新ニュースサイト 2005年07月04日)
http://tusidadc.net/news/archives/2005/07/post_64.html
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口腔ケアが肺炎防ぐ
長期入院の高齢者が多い千葉県成田市の病院で、東京歯科大市川総合病院(同県市川市)の歯科医、渡辺裕さんは7年前、病棟内の強い臭気に首をかしげた。「排せつ物のにおいでは」と思うほど。原因は、患者の口に増殖した細菌や、蓄積した分泌物だった。
病院側の依頼で、入院患者に口の消毒やマッサージなどの口腔(こうくう)ケアを定期的に続けるうち、においはすっかり消えた。さらに、別の変化が起きた。抗菌剤が効かないMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)で肺炎などになった患者が、以前は毎月10人前後いたのに、3か月後には3人に減ったのだ。
脳梗塞(こうそく)などで、食物や水分を飲み込む嚥下(えんげ)機能が低下し、腹部に開けた穴から管で栄養剤を胃に直接入れる「胃ろう」などを設けた患者は、十分な口腔ケアを受けていない場合が多い。渡辺さんは「食べられなくなった人ほど、ケアが必要です」と強調する。
口を使わないと唾液(だえき)が減り、口腔内の殺菌力が弱まる。さらに歯茎が細り、粘膜の抵抗力が落ちる。するとMRSAだけでなく、緑のう菌や歯周病菌など、口腔内の常在細菌が異常増殖する。食物を取らない人の口を放置すると「2週間で舌がカビで覆われる」と渡辺さん。これらのカビや細菌が気管に入れば、致命的な肺炎につながりかねない。
こうした「誤嚥(ごえん)性肺炎」を防ぐため、市川総合病院では、歯科医や歯科衛生士が病棟を回り、患者の口腔ケアを続けている。3年前に起こした脳梗塞がきっかけで、胃ろうで栄養をとるD子さん(82)は、たんの詰まりから体調を崩し、先月入院した。3週間の入院中、看護師による歯磨きに加え、歯科衛生士の馬場里奈さんから、週2回の口腔ケアを受けた。
馬場さんはまず、消毒用の綿でD子さんの口の周りを丹念にふく。MRSAなどを口に入れないためで、続いて氷入りの消毒液に浸した綿で歯茎や歯、舌などをふいていく。消毒液を冷やすのは「口内に適度な刺激を与えるため」という。さらに、指でほおの内側などをマッサージ。患者1人に20〜30分間かける。
退院後も同病院で定期的な口腔ケアを受け、口を閉じたり、呼吸を一時止めたりする嚥下機能訓練をするうち、ゼリー状の食べ物を飲み込めるようになった。口の衛生状態の改善と嚥下機能の回復で、肺炎は予防できる。病院、老人ホームや自宅でも、口腔ケアの見直しが求められている。(佐藤光展)
誤嚥性肺炎 高齢者や脳卒中の患者に多い。嚥下機能の低下で、口腔内の常在細菌や分泌物、胃液などが少しずつ肺に吸い込まれ、発症するケースが多い。食事も注意が必要で、汁物などに「とろみ」をつけたり、ゼリー状にしたりすると誤嚥を起こしにくい。
(2005年11月26日 読売新聞)
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歯周病菌 標的は血管
指を失ったCさん(手前)の体調を聞く主治医の岩井武尚さん=東京医科歯科大でスニーカーのかかとに指をあて、足を入れた時、靴と足の間に挟まれた右手中指の先が、血に染まった。つめの部分がちぎれ、切断面から骨が見えた。川崎市のBさん(25)が、20
歳の時のことだ。手や足の末梢(まっしょう)血管が詰まり、ひどくなると指先などが腐る難病「バージャー病」が原因だった。
指先は数か月前から化膿(かのう)していたが、強い痛みはなく、放置していた。今年になると、右足の甲や指が紫色になって激しく痛み、右足の指1本を切断しなければならなかった。東京都のCさん(56)も2年前からバージャー病が重くなり、9本の手指を次々になくした。Bさんは調理師の夢をあきらめ、Cさんは測量の仕事を失った。
2人はバージャー病以外にも共通点がある。歯茎が後退して歯がぐらつくなどの重い歯周病。それに喫煙者だったことだ。主治医の東京医科歯科大血管外科教授の岩井武尚さんは今夏、「バージャー病と歯周病、喫煙には密接な関係がある」と発表した。岩井さんらがバージャー病患者を調べたところ、全員が歯周病で、いずれも中程度から重症だった。患者の足などから採取した血管組織14個のうち、13個から歯周病菌が発見された。
歯や歯茎のすき間にとりつく歯周病菌は、歯肉炎や歯周炎の原因として知られる。ところが、国立保健医療科学院口腔(こうくう)保健部長の花田信弘さんは「歯周病菌の“標的”は歯茎ではない。大好物の鉄分が豊富な血管に入り込もうと狙っている」と語る。歯周病菌は酸素に弱く、酸素が運ばれる血管内では長く生きられないという見方もある。
だが、酸素を避けるように血液中の血小板に潜り込む様子が、実験で確認されている。たとえ死んでも「死骸(しがい)を核に、血管を詰まらせる血栓ができたり、血管の炎症の原因になったりする可能性がある」と岩井さんは指摘する。脂肪やコレステロールなどが。付着し、詰まり始めた中高年者の血管にも「歯周病菌はとりつきやすい」と岩井さんはみる
歯周病菌は、糖尿病と関連があることをこの連載で既に紹介したが、動脈硬化の原因にもなりかねないのだ。バージャー病は、喫煙が症状悪化の要因でもある。BさんとCさんは当初、岩井さんに「禁煙が一番の薬です」と強く勧められたものの、やめられなかった。病状が進んで「たばこはこりごり」と言う2人は禁煙し、今後、歯周病の治療を受けることにしている。
バージャー病 喫煙者の男性に多く、20〜40歳代で発症しやすい。治療法は確立されていないが、禁煙で症状悪化が抑えられる場合が多い。口腔ケアが進んだ国では患者が減少する傾向がある。国内の患者は約1万人で、治療費が公費負担になる国の特定疾患(難
病)に指定されている。
(2005年11月25日 読売新聞)
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親知らずから間葉系幹細胞 体の組成再生に道 岐阜大
抜いた後の親知らずから、欠損した体の組織再生に利用できる「間葉系幹細胞」を採取し、大量に培養する研究に、岐阜大学医学部のグループが取り組んでいる。親知らずは多くの場合、医療廃棄物として捨てられているのが現状で、廃棄物の有効利用としても注目されそうだ。
研究に取り組んでいるのは、柴田敏之教授(口腔(こうくう)病態学)、手塚建一助教授(再生医科学)、畠山大二郎助手(口腔病態学)。
骨髄などに含まれる間葉系幹細胞は、脂肪や骨などいろいろな体の組織になる性質を持っており、骨粗鬆症(こつそしょうしょう)や重い骨折などで骨の形成を促す際などに用いられる。広島大学など
が下あごの骨髄から間葉系幹細胞を採取し、養する研究に取り組むなど、世界中で研究が進められている。
柴田教授らの方法では、親知らずの内部にあるシリコン状の歯髄や、完全に生える前の親知らずの表面を包んでいる歯小嚢(しょうのう)を使う。歯並びの矯正などの治療を受けた患者から、研究で使うことを断ったうえでもらい受けた親知らずを細かく刻み、間葉系幹細胞を採取する
この方法で採取された間葉系幹細胞は、1〜2週間で約1万倍に増殖させることができる。親知らずは生えていこうとする「勢い」を持っているため、柴田教授は「骨髄から採取した間葉系幹細胞よりも活性度が高い」と指摘する。
また、零下180度ほどの液体窒素で親知らずを凍結させれば、半永久的に保存することもできる。現在、約30人分の親知らずから間葉系幹細胞の培養を行っており、歯の保存状態が良ければ、ほぼ100%の確率で採取が可能だという。
〈キーワード・間葉系幹細胞〉 人の骨髄の中に存在し、骨や筋肉、靭帯(じんたい)などの細胞に分化する働きを持っている。このため、骨粗鬆症や重度の骨折の治療などに使われるケースもある。細胞の採取は比較的容易で、培養技術に関する研究が世界的に進められている。また近年では、心筋や神経細胞に分化する可能性も指摘されており、再生医療の分野で注目されている。
(2005年10月25日 asahi.com)
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コレステロールが歯周病の原因に!
ラット実験で実証
* 実験結果の警告
コレステロールと歯周病の因果関係について、8月に米国の歯科学関連雑誌に発表した友藤孝明・岡山大学歯学部助手(予防歯科)が説明する。「日本と海外の疫学調査で、コレステロールと歯周病の関係が指摘されていた。その因果関係を今回、実証することができました。
喫煙と糖尿病が歯周病の進行を早める。コレステロールはそれに次ぐ第3の危険因子であり、警戒が必要です」歯周病は、歯と歯茎(歯の根を支える肉)のすき間(歯周ポケット)に歯周病細菌が感染し、その毒素によって歯茎や、歯を支える骨が壊され、やがて歯が抜ける病気である。
実験は約2年前に行われた。健康なラット32匹をまず2グループにわけ、標準食かコレステロール食(標準食にコレステロール添加)を、4週間食べさせた。「コレステロール食グループを高脂血症状態にしたわけです」
その上で、さらに4週間、各グループをそれぞれ2つにわけて歯周病細菌の毒素か、ただの水を歯茎に毎日1回、塗り続けた。その結果、歯周病の進み具合いを示す歯周ポケットの深さは、「標準食と水」で3マイミクロメートル(100万分の1ミリメートル)。これに対し、「コレステロール食と水」の場合、その約20倍(68マイミクロメートル)大きかった。
また「標準食と毒素」で同130マイミクロメートルに対し、「コレステロール食と毒素」では、その約1.3倍(166マイミクロメートル)あった。「歯周病細菌の毒素を塗れば、歯周病が悪化することは分かっていた。それが今回、コレステロール食だけで発病し、しかもそれに毒素が加われば、さらに歯周病が悪化することがはっきりしました。
歯茎の防御機構に狂い?
* 歯が体の一部である
では、コレステロールでなぜ、歯周病が悪化するのか。「おそらくコレステロールを取りすぎると、歯茎の上皮細胞(表面の細胞)の防御機構が狂うのではないか。ふだんその細胞の数の増減で防御のバランスを取っているが、コレステロールによってそのバランスが崩れ、歯周病ポケットが広がり、歯周病細菌が繁殖し、症状を悪化させるのかもしれない。
詳しいメカニズムの解明は、今後の課題です」もともと歯周病は、からだの病気との関係が深い。「糖尿病になると、免疫機能が低下して歯周病になりやすい。コレステロールを含め、からだの状態が口の中の健康に影響を与えるといっていいでしょう」反対に歯周病細菌が気管に入ると肺炎、血管を通ると心臓で心内膜炎などを起こしやすくなるというから注意が必要だ。
野菜・果物たっぷり、歯みがきもしっかり
* 細菌への抵抗力が弱くなる
歯みがきとの関係はどうか。「コレステロールを取りすぎると、歯周病細菌へのからだの抵抗力が弱くなる。つまり、せっかくの歯みがきで細菌を少なくしても、コレステロールの取り過ぎで、歯周病の悪化も考えられる。歯磨きだけでなく、食事でコレステロールの取りすぎを避けることが必要です」
鶏卵に筋子、たらこ、ししゃもなどの魚卵、鶏・豚・牛のレバー、イカやクルマエビ、ウナギ蒲焼、バターや生クリームなどは特にコレステロールが多いので避けたい。野菜や果物たっぷりの栄養バランスのいい食事をし、しっかりと歯みがきを。
夕刊フジ 平成17年9月21日
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歯科に関するミニ知識
医療に関するミニ知識 NO-3 NO-2 NO-1
全身の病気とお口の中の病気の深いかかわり
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