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特集コーナー

歯科に関するミニ知識
医療に関するミニ知識 NO-3 NO-2 NO-1
全身の病気とお口の中の病気の深いかかわり




感染症 肺炎

高齢者は口腔ケアで予防

肺炎は、がん、心臓病、脳卒中に次いで、我が国の死亡原因で4番目に多い。2010年には約12万人が亡くなっており、このうち65歳以上の高齢者が97%を占める。

高齢者の肺炎の約6割が、誤って気管にのみ込むことによる誤嚥(ごえん)性肺炎との報告もある。

肺炎の症状は、発熱やせき、息苦しさなどだ。ところが、感党が鈍くなっている高齢者は自覚症状が少なく、発見が遅れがちという。

東京都保健医療公社・東部地域病院(東京・葛飾区)内科部長の佐藤弘一(こういち)さんによると、高齢者は食欲不振や、だるさ、意識がもうろうとするなど、一見、肺炎とはわかりにくい症状を示すことも珍しくない。

普段から、むせる姿が目立つ人は誤嚥性肺炎を疑うべきだという。中でも注意が必要なのは、寝ている時など気づかないうちに感染し、肺炎を起こす「不顕性(ふけんせい)誤嚥」だ。

寝ている間に、細菌を含む唾液など気管に流れ込むことが原因だ。

佐藤さんは 「肺炎を繰り返す高齢者の口内を調べると、食べかすが取り除けていないなど、衛生状態が十分に保たれていないことが多い」と話す。

予防には、日ごろから口の中を清潔に保つ「口腔ケア」が大切だ。

旧厚生省研究斑の調査で、特別養護老人ホームの入所者を対象に2年間、歯科医や歯科衛生士らが週1回、歯磨きやうがいなどの衛生指導を実施したところ、口腔ケアを行った人は、ケアをしなかった人だちと比べて、肺炎の発症率が4割減った。

口腔ケアの基本は歯磨きだ。日本歯科大(東京・千代田区)口腔介護・リハビリテーションセンター長の菊谷武さんによると、食後と就寝前に、歯ブラシや歯間ブラシで、歯や隙間に付着している細菌の塊を落とすことが大切だ。

口に含んで吐き出す洗口液は、細菌の付着は防げるが、汚れを落とすことはできない。歯磨き剤は必ずしも必要ではなく、量も少なめで良い。

入れ歯を使用している場合、入れ歯洗浄剤は過信せず、1日1回は入れ歯を外し、ブラシを使って食べかすを落とし、水で洗い流す。

舌や頬、歯茎は、粘膜を傷つけないようスポンジ製などのブラシを使い、口の中全体をきれいにする。

介護が必要な高齢者は、ブラシで落とした汚れを、誤嚥してしまう恐れがある。口腔用のウエットティッシュでふき取ったり、吸引ブラシで吸引したりすることが必要だ。

菊谷さんは「口の中で落とした汚れは、確実に口の外に出すことが重要です」と話す。

(野村昌玄)

参考:読売新聞 2012年3月30日

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ライフワークの口臭研究…肝細胞できた

口臭の主な成分である硫化水素を使って、人間の歯の組織から肝臓の細胞を効率よく作ることに、日本歯科大の八重垣健教授(口腔(こうくう)衛生学)らの研究チームが成功した。

虫歯の治療で抜いた歯を使って、肝細胞を作製することにつながる成果で、英医学誌に27日発表した。

硫化水素は、卵の腐ったような臭いがする有害物質。研究チームは、歯の細胞に対する硫化水素の有害性を調べるなかで、細胞の変化を促す働きを発見した。

研究チームは、歯髄と呼ばれる歯の内部組織から、様々な細胞に変化できる幹細胞を取り出し、化学物質などを添加することで肝細胞の作製に成功。

さらに微量の硫化水素を加えたところ、2〜4倍効率よく肝細胞に変化した。硫化水素を加えた方が、細胞の形や肝機能も良かった。

硫化水素が肝細胞に効率よく変化させるメカニズムは、詳しく分かっておらず、今後調べるとしている。

八重垣教授は「ライフワークの口臭研究が、今回の成果に結びついた」と話している。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20120227-OYT1T00433.htm
(2012年2月27日15時50分 読売新聞)

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ニュージーランドの歯科事情

歯科治療といえば、私も最近よくお世話になっています…日本の歯科治療は高額だとよく聞きますが、実はニュージーランドはそれを上回る高額さ。

日本では一定の治療に対し3割のみの負担になりますが、ニュージーランドでは100%自腹です。チェックアップ、ただ検査するだけで80ドルは普通。

更に歯科によって大きく値段は変わり、治療中映画をオンデマンドで見られる歯科もありますが、勿論そんな所はほとんどボったくりの様な値段に…!(治療中は映画に集中出来ない気もします…)

これはニュージーランドでも結構問題になっていて、18歳までは歯の治療は無料、矯正も2000ドル〜3000ドルと日本よりか安めにできますが、大人(18歳以上)は全てが自費。

その為に、安い歯科を探して市内から3〜4時間車で行った所にわざわざ治療をしにいったりします。

都市は大体治療費が高く、郊外の歯科の方が安いといわれています。更に治療費が賄えないが為に、まだ使える歯であるのに抜歯という選択をとる人も。

私の歯科医はインド人の方なのですが、多くのキウイが歯の治療をしにインドへ行くそうです。インドへの往復チケット+治療より高いニュージーの歯科治療…恐ろしいですね。

ワーキングホリデー、長期滞在を考えていらっしゃる方はまず日本で歯の治療をしてくる事をオススメします。

しかし歯の痛みというのは我慢出来ないもの。こちらでは土日は大概休みで、(そして開いている所は大概高い…)しかも歯が痛んだからといってすぐに予約はとれず、まず患者登録をしなければなりません。

その患者登録ですら「今は新規は受け付けてません」なんてさらりと言われてしまうので、歯が痛む前に近くの歯医者さんで登録を一応しておいてもいいかもしれません。

そして、土日に歯が痛む場合…少しの痛みならPanadolという痛み止めを服用します。

夜も眠れないようなら、パスポートを持参して(保険に入っているのならその記録も)緊急病棟へかかります。

特に歯に対して何かをしてくれるわけではありませんが、強い痛み止めを出してくれますので、それで月曜までなんとかつなぎとめられます。

ちなみに緊急病棟では1回の診察につき、200ドルかかります。

Ellie@NZ

参照:ワーホリニュース
http://workingholidaynews.com/

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顎関節症

食いしばる癖アゴに負担

東京都板橋区の主婦Aさん(44)は子どものころから、口を開くと関節がカクンと鳴った。

20代後半になると、硬い物を食べたり、横向きで寝たりした翌日、あごの関節や筋肉が痛むようになってきた。「歯列を矯正すれば治るよ」という歯科医の助言で2年続けたが治らない。

ある大学病院の口腔(こうくう)外科に行くと、あご関節でクッションの働きをする軟骨「関節円板」が前方にずれた顎(がく)関節症と診断された。

睡眠中にスプリント(歯科用マウスピース)を着けて、かみ合わせを変え、あごへの負担を減らす治療を4か月続けたが、これも効果なし。

良い治療に出会えないまま時は過ぎ、2年前に症状が悪化した。口が開けづらく、しゃべるだけで痛む。インターネットで専門家を探し、東京医科歯科大歯学部付属病院(束京・御茶ノ水)を受診した。

同病院顎関節治療部の木野孔司さんによると、顎関節症では主に、あごの痛みや口が開けにくいという症状が問題になる。口を開け閉めすると音がするのも症状の一つだが、不都合がなければ治療はいらない。

原因は、食いしぼりや歯ぎしり、片側だけでかむ、つぶせ寝などあごの関節や筋肉に負担をかける癖だ。

患者の過半数に関節円板の前方へのずれが見られるが、関節に異常はなく、ほおの筋肉のこわばりが症状を引き起こすことも多い。

「残念ながら、確実な治療法はない」と木野さんは言う。かつて、矯正や外科的な治療法がはやったが、再発や悪化する例も多く、最近は減った。スプリントも効果は不明だ。

そこで同部は、癖の修正と口を開く訓練を治療の柱にしている。本来、口を閉じても上下の歯には少しすき間がある。

しかし、顎関節症患者の7割は、緊張時に歯を接触させる癖がある。それだけで、あごの筋肉が緊張し、関節に負担がかかる。

意識して上下の歯を接触させないようにし、口を開けにくい場合は、毎日3〜4回、痛みを我慢して30秒ほど口を開け、顎関節の血行を良くして状態を改善してもらう。

Aさんは家中に「あごリラックス」と書いた紙をはって気をつけ、毎日、訓練を続けた。すると2か月半で、あごが気にならなくなるほどに改善した。

木野さんは「2か月程の接触癖の是正や開口訓練で、良くなる患者が多い」と話す。顎関節症を改善する様々な取り組みを紹介する。

参考:読売新聞 医療ルネッサンス

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国立がん研究センターとの連携事業開始

がん患者治療前に口腔ケア

日歯と独立行政法人国立がん研究センターは1月31日(月)、連携事業を開始した。講習会を受講した863の連携歯科医師・歯科医療機関(1月31日現在)に、同センターががん患者の治療前の口腔ケアなどを依頼していく。

連携歯科医師・歯科医療機関には連携マニュアルが配布される。

日歯と国立がん研究センターは昨年8月31日(火)、がん患者の口腔内の衛生不良によるがん治療に伴う口腔合併症等の予防と軽減、全てのがん患者が安心して歯科治療や口腔ケアを継続的に受けることができる体制の整備及び地域医療連携ネットワークの構築を目的に、連携体制を築き上けることについて合意。

同センターの患者の9割強が関東圈(千葉県、埼玉県、東京都、神奈川県、山梨県)であることから、モデルケースとして関東圈の地域歯科医療機関と連携して、関東圈の歯科医師等を対象に講習会を開催していた。

初年度としては、手術予定患者4千人強が対象になる。今後は、関東圈の医療連携の事業成果を評価・確認するとともに、全国における同様の連携事業(講習内容・連携スキームなど)との整合性を保ちつつ、がん診療連携拠点病院375施設と都道府県歯との連携に拡充させ、全国のがん治療患者のQOLの向上を図る。

連携スキームとしては、同センターで手術を受ける予定の患者に、事前にかかりつけの歯科医院を受診することで、口腔内の衛生状態を改善してから手術に臨むことを強く推薦する。

入院窓口に専任の歯科衛生士を配置し、がん治療における口腔ケアの意義や重要性を説明する他、歯科受診を勧める文書や紹介状を患者に渡すとともに、受診可能な地域の連携歯科医師・歯科医療機関を紹介する。

紹介を受けた後は、必要な口腔ケアや歯科処置を行うとともに、患者の口腔内の情報や処置の内容、患者の口腔内の状態に応じたアドバイス等を同センターに報告する。

また、退院後は、がん難民患者の要因の一つであるがん治療後の「歯科治療難民」根絶に向けて、継続して口腔ケアや歯科治療を行う必要がある場合は、同センターから連携歯科医師・歯科医療機関への連絡票を患者に渡す。

その後、患者が地域でも継続的に口腔ケアや歯科治療を安全に受けることができるよう、必要に心して同センターと密接に連絡をとるよう努める。

連携歯科医師・歯科医療機関の前提条件となる講習会として、本年度は「手術前患者を対象とした口腔ケア」を実施。

来年度以降は、講習2「がん化学療法治療前、頭顎部放射線患者の治療前、治療後の口腔ケア」、講習3「がん終末期患者(在宅ホスピス患者)の歯科治療・口腔ケア」を計画している。

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顎関節症

精神的要因無視できず

顎(がく)関節症で歯科に通ってもなかなか治らず、歯やあごの状態だけでは説明できない症状が続く患者に、精神的側面も含めた治療も行われている。

神奈川歯科大付属病院(神奈川県横須賀市)の「咬(か)み合わせリエゾン診療科」。リエゾンとは、橋渡しといった意味のフランス語から出た言葉で、ほかの科と連携した精神医療のことを指す。

ここでは、歯科の各分野の専門家に加え、精神医学を学んだ歯科医や精神科医が協力して診察に当たる。

同科に通う横浜市の40代の主婦Fさんは5年半前、左のあごの関節の痛みや、かむときにあごがずれるような違和感が出た。

歯科で顎関節症と診断されて、安静を保つスプリント(歯科用マウスピース)治療を受けたが、違和感が強く、症状は全く改善しなかった。

当時、重い病で精神的にも弱っていた夫が、ささいなことでどなったり、暴言を吐いたりすることが増えた。それとともに顎関節症も悪化した。

軽いうつ病にもなり、心療内科で抗うつ薬を出されたが、医師と話す時間は5分程度しかなく、つらさを吐き出す場がなかった。そんな時に歯科医院から紹介されたのが同大だった。

担当の心療歯科医、和気裕之さんは2か月に1回1一時間のカウンセリングを行った。和気さんは「顎関節症にうつ病が重なり、症状が悪化した」と診断し、抗うつ薬の服用を続けながら、心身の負担を減らすように指導した。

Fさんは通院するうちに、こころの状態と体の緊張やかみしめる癖が関係していることを自覚し、リラックスの大切さを理解した。

次第に「現実はありのまま受け止め、自分を変えよう」と前向きな気持ちになり、達成感を得るため、車の免許を取ったり、テニススクールに通ったりした。2年近く通院すると症状が改善し、抗うつ薬も不要になった。

Fさんは「もう痛みはない。かみ合わせは良くないと思うが、違和感はなく、気にならない」と話す。心療歯科の専門家は全国的にまだ少なく、外来を設けている大学病院も10か所に満たないという。

教授の玉置勝司さんは「通常の歯科分野の専門家だけでは、対応しきれない患者さんがいます。痛みや違和感には、精神的な要因を無視できません」と言う。

様々な要因が絡む顎関節症。通常の歯科領域を超えた診療が模索されている。

読売新聞

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脳出血を起こす虫歯菌

阪大発見 発症リスク4倍

脳出血を引き起こす危険性が高い特殊な虫歯菌を、大阪大の和田孝一郎准教授らが見つけた。この菌に感染した人が高血圧になったり喫煙したりすると、発症率が高まるという。

28日の英科学誌ネイチャー・コミュニケーーションズ電子版で発表した。

この虫歯菌は、皮膚や骨などになるコラーゲンと結合するたんぱく質を作る特殊な種類。脳出血患者74人を調べると27%が感染していた。

健康な35人でも9%が感染しており、この菌に感染することで脳出血の危険性は4倍高まることがわかった。和田准教授らは、人から採取したこの菌をマウスに感染させて実験。

脳の血管内皮に傷をつけると、この菌が下層のコラーゲン繊維にどんどん集まり、血小板による傷の修復が間に合わず出血を起こした。

この菌があってもすぐに脳出血を起こすわけではないが、高血圧や加齢、喫煙で血管内皮が弱ったり、傷ついたりすると、発症率が上がるとみられる。

読売新聞

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X線の被曝量の実際

3月11日の東日本大震災と大津波によって引き起こされた、福島第一原発事故によって、放射線被曝に対する不安が高まり、先生方も家族の皆様のことを心配されていることと思います。

その一方、患者さんの放射縁被曝に対する意識が高くなったために、先生方はX線検査に責任を特つ歯科医師として、患者さんに「ニのX縁検査の被曝線量はどのくらいですか。」と聞かれる機会が増えているとお聞きしています。

この2つの主題、1)放射線被曝の考え方と安全性、2)歯科X縁検査の被曝線量についてお話させていただきます。

Sv(シーベルト)という単位が、これほど日本中の人々に認知されるとは思っていませんでした。 Sv(シーベルト)には、2つの意味があります。

一つはは実効線量と言い、これが通常の被曝線量に使われている、全身の被曝線量の単位です。もう一つは、等価線量と言い、組織・臓器の被曝線量の単位です。

放射線は種類によってヒトに対する影響の度合いが違い、X縁と中性子線では、X線を1とすると、中性子線は同じ吸収線量で、5〜20倍の影響かあります。

これを放射線加重係数といい、吸収線量×放射線加重係数=等価線量で、各組織・臓器に対する被曝線量を等価線量として表します。

例えば、女性に不妊が発生する“しきい値”は、等価線量が急性被曝で2.5〜6.0Sv、慢性被曝で0.2/年以上です。

“しきい値”とは、この値を超えなければ、その障害が生じる確率はO%です。慢性被曝で0.2/年以上を超えなければ、放射縁被曝によって不妊は生じません。

等価線量に比べて、実効線量は少し複雑です。各組織・臓器の等価線量×各組織・臓器の組織加重係数=実効線量となります。全身の被曝を表しています。

この実効線量1Svを100人が被曝すると生涯で5人に悪性腫瘍が発生するとされています。これを、5×10マイナス2乗のリスクと表現されています。

1Svは1000mSvですので、1mSvの被曝なら、さらに1/1000になって5×10マイナス5乗のリスク(1/2万)です。1ミューSvなら1/2000万です。これを基に、現在の放射線被曝のレベルを考えてみましょう。

さて、歯科のX縁被曝のレベルですが、口内法X線撮影では、2ミューSv〜20ミューSv程度、パノラマX線撮影では、1O〜30ミューSv程度です。

ただし、口内法では、フィルム感度、アナログとデジタルによって大きく異なります。パノラマ撮影では、増感紙/フィルムの組み合わせの感度によって大きく異なります。

New Life Seminar 日歯生涯研修

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「生涯医療費」は歯の健康がカギ。

定期ケアをする人ほど低い傾向に。

歯の定期検診を受け、きちんとケアをすると、年間の総医療費が低くなる傾向にあることが、トヨタ関連部品健康保険組合(豊田市)と豊田加茂歯科医師会の共同調査で分かった。

両団体では歯の定期ケアをする人を増やし、医療費削減に役立ててほしいと呼び掛けている。

検証によれば、歯科の定期検診を受けている人は、48歳までは総医療費が定期検診費用で年2万ほどプラスされて平均より高いが、49歳を過ぎると平均を下回る結果に。

歯の健康と密接な関係がある生活習慣病などのリスクが下がることも要因の1つと考えられる。さらに65歳を過ぎると総医療費平均が35万円に対し、定期受診の人は20万円以下とその差がだんだん広がっていく。

組合は「歯が悪いと食事が偏ったり、歯並びが悪くなったりする。それが糖尿病や肩凝り、骨粗しょう症などを招き、体全体の健康に影響を与える」と分析。

歯が健康であれば医療費も下がり、歯科の費用を含めても「生涯医療費」が低くなると結論づけた。歯の寿命をのばすことは、健康で明るく元気に過ごせる健康寿命をのばすことにつながる。

平均寿命が延びる日本においては、歯と全身の健康のこの深い関わりに、もっと関心を高めていきたいところだ。歯は健康の窓口であることを意識し、より効果的な定期ケアを実践していきたい。

◆永久歯の生えない子ども10人に1人。
虫歯や歯周病などの原因にも。

日本小児歯科学会が「永久歯のない子ども」を調査したところ、7歳以上の子ども15544人のうち、1割以上の1568人に永久歯の先天欠如があることが分かった。

永久歯の先天欠如は、1、2本の場合が多い。歯が生えないということは歯の芽である「歯胚」がないということ。

乳歯から永久歯に生え代わる頃、歯胚の発育段階の開始期から増殖期に何らかの異常があると歯が形成されなくなると言われている。

しかし明確な原因が分からないため、予防できないのが現状だ。永久歯が全部生えそろわないと、かみ合わせの異常など、さまざまな悪影響が生じる可能性が高い。

かみ合わせを正常にするのに、子どものうちに歯並びを整えたり、大人になってインプラント治療をしたりするなど、専門治療が必要になる。

担当した鹿児島大学の山崎要一教授は「治療の多くは自費診療が必要なうえ、治療ができる専門知識をもった歯科医師も少ない」と話す。

現代人の健康を守るためにも、乳幼児期からの歯と口の健康ヘの意識が不可欠だと言えよう。歯が欠如しているとかみ合わせが悪くなり、虫歯や歯周病などの原因となり易いことを警鐘していきたい。

デンタリズム SUMMER 2011 No.9

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よくかみ歯並びきれいに

子どもの歯並びを心配する親は多い。歯並びが悪いと、食べ物がうまくかめないぱかりか、虫歯や歯周病になりやすい。専門家は「乳歯のうちからよくかむ習慣を付けることなどで、歯並びをきれいにできる」と助言する。

「あごが小さく乳歯がすき間なく生えていたり、並びが不ぞろいだったりするケースが目立ちます」。東京都大田区の歯科医、倉治ななえさんは、最近の乳幼児の歯についてこう指摘する。

すき間ない乳歯は永久歯に影響

「乳歯の歯並びには、すき間が必要です」乳歯は生後6〜8か月ごろ生え始め、個人差はあるが、2歳半から3歳ごろまでに20本生えそろう。永久歯の幅は乳歯の約1・2倍。

小さな乳歯だけですき間なく並んだり、不ぞろいだったりすると、28本の永久歯(親知らずを除く)はきれいに並はない。一般的に、歯並びやかみ合わせに問題がある場合を 「不正校合(こうごう)」と呼ぶ。

「乱ぐい歯」や「八重歯」など歯が一列に並ばずデコボコしているものや、前歯や上あごが前に突き出ていたり、下あごが前に突き出ていたりするものもある。

歯並びが悪いと、歯磨きがしにくいため虫歯や歯周病にもなりやすい。倉治さんは「歯並びは遺伝と考える親は多いが、食事や食習慣、癖による影響が大きい」と話す。

子どものうちは、きれいな歯並びの土台となるあごの骨が育ちやすい。「歯が生えそろってきたら、1日3食しっかりかんで食べることが大切」。一口に付き30回かむのが理想。

あごが育ち、デコボコに生えていた歯がきれいに並んだ例もある。東京都品川区は1歳半、2歳、3歳児らを対象にした歯科健診で、よい歯を育てる食生活について助言している。

歯科衛生士の高野弘子さんは、「無理に硬いものを与えてもあごや歯は育ちません」と指摘する。かむ力が十分でない幼児に、硬いものや繊維の強い食事を与えると、丸のみしてしまうからだ。

特に、奥歯が牛兄そろわないうちは、繊維が強い肉の塊や、生野菜は食べにくい。「生野菜はポテトサラダに混ぜたり、肉はひき肉を使うなど、調理方法の工夫が大切です」

食事時は足元を安定させて

姿勢や癖も、歯並びに影響を与える。食事の際には、「足がブラブラした不安定な姿勢だと、かむ力や回数が減ってしまう」と倉治さん。体に合ったイスを用意したり、踏み台を置いたりする。

足元が安定すれば、しっかりかめて、あごの骨も発達しやすい。食事の際、いつも横にあるテレビを見ていて、奥歯のかみ合わせがずれた例もある。よい姿勢を保つことが重要だ。

4歳を過ぎての指しゃぶりも注意が必要。上下の前歯が閉じない不正校合になることもある。歯並びやかみ合わせによっては、早期に受診した方がいい場合もある。

定期的に歯科健診を受け、虫歯予防に加え、歯並びについても相談しておくとよい。日本小児歯科学会(束宗)のホームページ(http:www.jspd.or.jp/)では、子どもの歯の知識が豊富な専門医を紹介している。

■歯並びをよくする生活のポイント

・食事は3食しっかりかんで食べる

・食事は体に合ったイスなど、足元が安定 する姿勢で

・食欲がわくよう、体を動かして遊ぶ

・4歳を過ぎての指しゃぶりの癖や口呼吸 などを改善

・定期健診を受け、虫歯を作らない(倉治さんの話を基に作成)

読売新聞 2011年7月8日

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歯周病で善玉コレステロール減り動脈硬化リスク

歯周病が脈硬化症を悪化させるメカニズムを、新潟大学大学院医歯学総合研究科の山崎和久教授(歯周病学)らのグループが解明した。

歯周病の病原菌には、動脈硬化の原因の「悪玉コレステロール」を回収する力を持つ「善玉コレステロール」を減らす作用があることを突き止めた。

世界初の成果といい、米電子版科学誌「プロスワン」で20日発表する。

マウスを歯周病原細菌に感染させて、正常なマウスと比べたところ、歯周病のマウスは血中の善玉コレステロールの量が半減した。

また、大動脈の悪玉コレステロール蓄積面積が、正常のマウスの2,25倍となり、動脈硬化症が著しく悪化することが分かった。

山崎教授は「歯周病の予防・治療が、動脈硬化症対策にも結びつく」としている。

2011年5月20日07時57分読売新聞

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義歯のメンテナンス ホームケアが大切

本多 由武

最近の義歯に関する新素材や技術の進歩は目覚ましく、金属製クラスプを使わない弾性に富んだ 熱可塑性樹脂を素材としたソフトデンチャー(ノンクラスプデンチャー)も、その審美性や装着感から普及してきている。

義歯作成や新素材に関しては多くの報告があるが、意外にも義歯作成後のメインテンスやケアの方法については、これまであまり語られる機会が少なかった。

その実情として義歯の洗浄方法をみても、医院によって異なる洗浄方法が指導されていたりする。

これは眼科領域のコンタクトレンズ洗浄方法が統一で指導されているのと比べても大きな連いである。最近、口腔の衛生状態と全身の健康との関連について、多くのエビデンスが報告されている。

これまで口腔の衛生、口腔ケアといった場合、歯磨きに限定される事が多く人工物の義歯ケアはあまり注目されることが少なかった。そのせいか義歯ケアに関するエビデンスが少ないのも事実である。

今後、高齢者の残存歯数は増加しても依然として多くの方が義歯を必要とすることは明白な事実である。残存歯だけでなく義歯に対しても適切なメインテンスをして、義歯補綴治療の効果を出来る限り存続することが重要となるであろう。

そこで本稿では、特にホームケアの現場で汎用されているにもかかわらず、情報が不足している義歯洗浄剤、義歯安定剤について最近の知見を中心に情報をまとめてみた。

義歯の清掃法

義歯床下粘膜面は唾液による自浄作用が行き届きにくいことなどで、デンチャープラークが付着しやすい。デンチャープラークは口臭や義歯性口内炎の原因になるだけでなく、デンチャープラークの誤嚥による誤嚥性肺炎などのリスクも高くなる。

一般に義歯の清掃法は、義歯用ブラシや超音波洗浄器を使用する機械的清掃法と、義歯洗浄剤を使用して微生物の除歯効果を期待する化学的清掃法の2つに別けられる。

機械的清掃はプラークコントロールの基本であり、義歯用ブラシで目に見える汚れを流水で落とし、更にはクラスプ内側やアタッチメント等の細かい部位の清掃には歯間ブラシの併用も効果的である。

しかし、ブラシ類だけの機械的清掃法ではデンチャープラークの完全な除去は難しいため、義歯洗浄剤の化学的清掃法の併用が推奨されている。

また最近では、カンジダバイオフィルムの除去には、洗浄剤と超音波清浄器が非常に有効であるという報告もされている。

義歯洗浄剤の種類

現在市販されている義歯洗浄剤には、1)過酸化 物系、2)酵素系、3)生薬系、4)酸系、5)次亜塩素系、6)銀系無機抗菌剤などの種類に分類され、それぞれの特徴に応じた使い分けが必要となる。

また最近では、義歯を傷付けないために研磨剤無配合の泡タイプの洗浄剤も発売されている。泡は義歯材料に対するダメージが少ない上に、泡が義歯床の隅々まで入り込み確実な洗浄力が得られる。

参考:神歯 歯界季報告 2011 Vol.21

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顎関節症の治療

1)まず、問診をします。
2)レントゲン写真を撮り、関節の動きや形の正常・異常の診断をします。
3)あごの触診をして開口測定を行い、治療計画を立てます。
4)かみ合わせの型を取ります。
5)スプリント(マウスピース)をつくります。スプリントを使うことによって筋肉の疲労を取り除き、あごの関節への負担を軽くします。スプリントは筋肉の硬直やかみ癖を治すだけでなく、かみ合わせを正しい位置に誘導します。
6)スプリントの調整をします。
7)かみ合わせを再調整します。
8)仮歯や仮義歯を入れてかみ合わせを確保します。
9)薬により、痛みを緩和したり、筋肉の硬直を取り除きます。
10)歯のかぶせ直しや継ぎ足しをして、かみ合わせを修正します。
11)カウンセリング、マッサージ、運動療法の指導を行います。
12)必要に応じて、歯の移動、親知らずの抜歯、インプラント治療、他科の紹介(専門的な治療が必要な場合は他の大学病院や内科、診療内科)をします。

治療の順序は医院の方針や設備によって異なりますが、顎関節症の治療は、次の三つのポイントが基本となっているのはどの病院でも共通しています。

1)全身のリラクゼーション → 筋肉的緊張の緩和
2)かみ合わせの治療
3)メンタルコンディショニングー → 精神的緊張の緩和

顎関節症を予防する日常生活の注意点

前述した三つの治療原則を、普段の生活のなかでできるだけ行うことが秘訣です。

●泳いだり、歩いたりして全身を鍛え、免疫力を 高める。
●歌を唄う、リラツクスをする。
●歯をかみしめない。かみしめる癖のある人は、ときどき、腹式呼吸の要領で息を長く吐きながら軽く上下の唇を触れ合わせる。そのときは、歯は合わせないようにする。
●十分な睡眠を取るようにする。
●うつ伏せ寝、横寝、あごを枕に押しつけて寝ないようにする。
●ほおづえをつかない。あごだけ前にだしたような姿勢はとらない。猫背にならない。
●バランスのとれた食事を規則的に摂る。
●ひどく硬い食べものの摂取はひかえる。
●口を大きくあけない。大きいものを食べない。

歯ぎしり、かみしめを防ぐ法

顎関節症のいちばん手っ取り早い治療方法は、かみしめをやめることです。無意識にしても意識的にしても、現代人はかみしめが多くなっているといわれています。

ストレスに順応するためにかみしめを行い、また、ストレスを発散させるためにかみしめを行っているのです。かみしめは、ギューッとかんでいる場合をクレンチング、カチカチと連続的にかんでいる場合をタッピングと言いますが、次のような悪影響があります。

1)差し歯がとれやすい。
2)歯がグラグラ動いて痛くなる。
3)歯が折れてしまう。
4)あごやあごの周囲が痛くなる。
5)顎関節症の症状がでてきてしまう。

しかし、寝ているときの歯ぎしりやかみしめを防ぐにはどうしたらいいのかという方には、次の方法をおすすめします。まず、上向きに寝て内臓にかたよった力をかけないようにします。枕は軟らかめにしてゆったりと頭を沈め、頭の位置はできるだけ低くします。

枕をしなくても結構です。そして、歯と歯の間が1mmくらいに開いた状態に保つと、気道がほぼ一直線に保たれ、安定した呼吸で眠ることができ、歯ぎしりやかみしめを防ぐことができます。

歯と口の悩みを解決する本
坂本歯科医院院長 坂本 貴史

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妊娠中からお口をケア

お母さんのお口の中のケアは、お子さんの虫歯予防に大切なんです
よ」。

赤ちゃんへの感染減る

東京都千代田区の日本歯科大学付属病院マタニティ歯科外来では、妊婦らに虫歯の治療や予防を呼びかけています。

虫歯菌は、歯の表面にすみつきやすい菌で、生まれたばかりで歯が生える前の子どもには、いないと考えられています。子どもの家族、特に母親が虫歯菌を持っていると、自分が使ったスプーンやお箸で食事を与える際などに、唾液を介して虫歯菌が感染するとみられます。

だから、子の虫歯予防には、母親が妊娠中から、キシリトール入りのガムをかんだり、歯磨きをしたりすることが有効です。キシリトールが歯に良いことは昔から分かっていました。

第一にキシリトールは、虫歯の原因となる酸を作りません。また、歯の修復(再石灰化)を促し、歯を硬くします。さらに、大きな特徴として、虫歯菌にエネルギーを無駄遣いさせて、活動を弱め、数を減らします。

ただ、親から子への感染防止にも役立つことは最近の研究で分かってきたのです。岡山大学大学院医歯薬学総合研究科の仲井雪絵助教の研究を紹介しましょう。

妊娠中から子どもが生後9か月になるまで、母親がキシリトール入りのガムをかんでいたグループと、かんでいなかったグループを比較すると、ガムをかんでいた母親のグループの子どもは、2歳になるまでに虫歯菌が見つかった割合がハッキリと低かったのです。

仲井助教は、「子どもが胎内にいる『マイナス1歳』から、虫歯予防のためにできることがあります」と話しています。もちろん、歯の健康を保つには、まず、すべきことがあります。

日本歯科医師会は、1)歯を磨く2)フッ素配合歯磨きを使う3)頻繁な間食など口の中に常時食べ物があるような生活を改める4)定期的に歯科検診を受ける−−ことが重要で、キシリトールを併用すると、これらの効果が大きく向上する、としています。

読売新聞

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20本以上の歯 75〜84歳で26.8%

5年間で3.8ポイント増

国民健康・栄養調査

平成21年国民健康・栄養調査結果の概要が12月7日(火)、厚労省より公表され、自分の歯を20本以上有する75歳〜84歳は26・8%と、前回調査の平成16年より3・8ポイント増加した。

また、70歳以上で「何でも噛んで食べることができる」と回答した割合は59・2%で4・8ポイント増。さらに、75歳以上で20本以上の自分の歯がある場合は、83・8%が「何でも噛んで食べることができる」と回答していた。

進行した歯周炎がある割合は、60歳代が36・8%で最も多かったが、50歳代32・6%、70歳以上25・7%、40歳代22・8%と併せて全ての年代で減少した。

歯周炎 全年齢で減少

平成21年調査は、「健康日本21」における「歯の健康」と「食生活」が重点項回として調査された。「歯の健康」に関する状況としては、75歳〜84歳で自分の歯を20本以上有する割合は26・8%と、平成16年より3・8ポイント伸びた。

70歳以上では29・6%で1ポイント、60歳代では64・1%で2・4ポイント、50歳代では80・9%で2・3ポイント、40歳代では93・8%で1・9ポイントと、いずれの年代でも増加を示した。

進行した歯周炎があるのは、60歳代が最も多く36・8%。以下、50歳代32・6%、70歳以上25・7%、40歳代22・8%であったが、全ての年代において誠少した。60歳代は3・9ポイント、50歳代は11・0ポイント、70歳以上は3・3ポイント、40歳代は6・0ポイント少なくなっていた。

過去1年間に歯石除去、歯面清掃を受けた割合も全年代で伸びており、最も多かった60歳代が45・8%で1・3ポイント、50歳代が42・8%で3・9ポイント、40歳代が37・2%で2・6ポイント、70歳以上が32・8%で1・6ポイントそれぞれ伸びた。

歯科健診を受けたことがある割合も全年代で増加。50歳代が35・9%で4・2ポイント伸びたのを筆頭に、60歳代が41・4%で2・7ポイント、70歳以上が31・0%で1・5ポイント、40歳代が32・2%で0・2ポイントそれぞれ伸びた。

咀嚼の状況では、何でも噛んで食べることができる」と回答した割合は、40歳代が89・5%で4・3ポイント伸びた。以下、50歳代が78・2%で2・5ポイント、60歳代が73・4%で2・Iポイント、70歳以上が59・2%で4・8ポイントそれぞれ伸びた。

また、75歳以上で20本以上の自分の歯を有している場合は、83・8%が何でも噛んで食べることができる」と回答したが、19本以下の場合は46・6%であり、20本以上有する方が満足な食生活を送ることができていることが示唆された。

参考:日歯広報 1520号

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六十代以上の七人に一人は総入れ歯

三十代→一・六本、四十代→三・三本、五十代→七・二本、六十代→十四・五本。なんの数字かおわかりになるでしょうか。

抜けた歯の数−−それが答えです。原因のほとんどはむし歯か、歯周病ですが、歯の抜ける数が世代ごとに倍増しています、六十代になると半分以上が抜けてしまい、六十代以上の人の総入れ歯の割合は13・6%、じつに七人に一人が総入れ歯です。

これが日本の現状です。この数字を見ていると、あることに気がつきます,それは生活習慣病の罹病率と似ているということです。

ちなみに糖尿病について、高血糖の人の割合を年齢別で見ると、男性の場合、四十代を境に急に増加していきます。

女性の場合は、この増え方がもう少しおだやかです。高血糖のことしかあげませんでしたが、脳梗塞や、がんなどにかかる人の割合も、この年代を境に同じような増え方をしています。

とくにがんの場合は、四十〜五十代をがん年齢と呼んでいます。

厚生労働省の調査でも、高血圧症、糖尿病、脳血管疾患、がんなどの生活習慣病がこの年代から、一気に増え始めることがわかっています。その増え方と、歯の抜けていく数が同じようなカーブを描いているのです。

幸いなことに、糖尿病や高血圧症などの病気の予防法や治療法は日々進歩しています。それに、最近でこそ、SARSやHIVやエボラ出血熱などの新しい感染症が私たちを不安に陥れていますが、ペストやコレラなどはすっかり鎮圧され、いわゆる途上国はともかく、先進国の寿命はじりじりと延びています。

なかでも日本の平均寿命は世界一です。二〇〇一年の日本人の平均寿命は女性が前年より〇・三三歳延びて八十四・九三歳、男性が〇・三五歳延びて七十八・〇七歳になりました。

ところが、さっきも述べたとおり、日本人の六十代以上の七人に一人は総入れ歯という現実です。正直言ってこれは、歯の寿命が人の寿命の延びに追いついていないということです。

歯がないために、食事がおいしくいただけず、せっかくの寿命が、つらいものになってしまうことだってあるでしょう。これは歯科医として残念なことです。

アメリカでは八十歳でも平均十五本程度の歯が残っているという報告があります。平均寿命世界一という名にふさわしく、8020運動が目標としている二十本の歯をしっかりと残していきたいものです。

そのためには、やはり、なんといっても日頃の手入れがいちばん肝心です。最近になって、歯周病も高血圧症や糖尿病などと同じく生活習慣病のひとつに数えられるようになりましたが、私はこの考えに大賛成です。

歯と口の悩みを解消する本
坂本歯科医院院長 坂本 貴史

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口内ケアに「訪問歯科」

寝たきりで歯の治療に通えなくなった高齢者の自宅を、歯科医や歯科衛生士が訪れる「訪問歯科」が徐々に広まってきた。在宅で介護をする場合、見落としがちな口の中のケア。専門家による治療や衛生指導をうまく利用したい。

大阪府守口市の歯科医、吉田春陽(はるひ)さん(62)は歯科衛生士とともに、平田悦子さん(68)の自宅を訪れた。平田さんは、アルツハイマー病で、介護が最も必要な要介護5。

「お口、開けてもらえますか」。歯科衛生上が口の中の様子をチェックしながら歯ブラシで歯や歯茎などを磨いていく。

続いてヘルパーが平田さんに昼食を食べさせた。吉田さんは途中で、平田さんののどに何度か聴診器を当て、食べ物を上手にのみ込めているかどうか確認した。

吉田さんは、平田さん夫婦のかかりつけ歯科医。「最後まで口から食べられるようにしてやりたい」と妻を気遣う夫の守さん(71)の要望に応え、3年前から月1回のペースで訪問を続けている。

吉田さんは、訪問歯科の目的として、1)食生活の維持改善、2)言語機能の確保、3)口の中をきれいにするーを挙げる。

口の中をきれいにすることでヽ細菌が多い唾液などが気管に入って起こる誤嚥(ごえん)性肺炎の予防になる。また、口臭が改善された結果、枕元に孫が近寄るようになるなど、家族とのコミュニケーション改善にもつながるという。

「口の中のケアは生活の質を守るためには不可欠だ」と強調する。訪問歯科は、虫歯や義歯などの治療については医療保険が適用になる。通常の治寮費に訪問診療料などが上乗せになる。

要介護認定を受けて自宅で生活している場合、介護保険のサービス「居宅療養管理指導」を利用することもできる。介護で必要な義歯の手入れの仕方や、歯ブラシの当て方などが学べる。

平田さんは、治療は医療保険、指導は介護保険のサービスを利用している。厚生労働省の調査(2008年10月現在)によると、医療保険による訪問治療を行っている歯科医院は全国に約8200か所あり、歯科医院全体の1割を超す。

しかし、訪問歯科の必要性はあまり知られていないのが現状だ。新潟大赦授らが02〜04年度に要介護者368人へ行った実態調査によると、約9割に何らかの歯科治療や専門的な口のケアが必要と判明した一方で、実際に受診していたのは3割未満だった。

東京歯科大教授の石井拓男さんは「介護の現場では、体の状態に目が向けられやすいが、口の中のケアの必要性はあまり認識されていない」と指摘する。

石井さんは、訪問歯科を利用したい場合、かかりつけ歯科医や地域の歯科医師会、ケアマネジャーなどへ相談するよう勧めている。

「介護の必要なお年寄りは自分で口の不調を訴えることができないケースが多い。家族や医療、介護関係者が気を配ってほしい」とアドバイスする。

読売新聞 2010年11月19

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歯を離し あごを守る

元気にかむ

口を開閉しづらくなったり、あごを動かすと痛みや異音が生じたりする「顎(がく)関節症」。近年、若い女性を中心に症状を訴える人が増えており、日本人の4割がかかるとも言われている。

これまでは、かみ合わせの悪さが原因と考えられてきた。だが、歯科医療が進歩した現代の方が、昔に比べて患者が多いことから、「むしろ、あごに負担のかかるような生活習慣が影響しているのでは」と、東京医科歯科大学の木野孔司准教授は見る。

木野准教授によると、本来、上下の歯が接触するのは、食事や会話の間くらいで、1日に合計20分にも満たないが、顎関節症患者の約8割に上下の歯を付け続ける癖が見られる。

歯を軽く触れ合わせるだけでも、あごの筋肉が緊張するため、長時間続くと負担になる。癖を直すには、「歯を離す」などと書いた紙を職場や自宅のあちこちに張り、目にする度に歯を離すようにするとよい。

多くの場合、1、2か月ほど続けれぱ、症状が改善するという。歯ぎしりや、食べ物を片側の歯だけでかむ、ほおづえをつく、といった癖も、顎関節症を悪化させる可能性がある。

「あごを鍛えるには、硬い物をかむとよい」とも言われるが、顎関節症の人の場合、あごに過度の力を込めるのは厳禁。ガムなどを長時間かみ続けるのも避けたい。

読売新聞

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元気にかむ

かみ合わせ異常放置で悪化

体によいとされる食物は数多いが、その効果も、きちんとかんで消化してこそ。だがしっかりとかむことができない人は意外に多いという。

「咀嚼(そしゃく)は、歯のほかに、あごの関節や筋肉、舌、神経などがかかわり合う、とても複雑な運動。どれに問題が起きても、きちんとかめなくなる」と日本顎校合(がくこうごう)学会常任理事の上濱正(うえはまあきら)さんが解説する。

歯がすり減ったり欠けたりしても、慣れると違和感を感じなくなる。しかし、無理なかみ合わせで食べ続けると、周囲の健康な歯に負担がかかってもろくなったり、あごの関節がずれたりするなど、さらに大きな問題を引き起こす心配がある。

自己チェックで、かみ合わせの異常を早期発見するために同学会が開発したのが、「校合スコア」だ。最近1か月間について、六つの項目=下記項目=に対し、答えが「ほとんどない」なら0点、「少しある」なら3点、「ある」なら5点を足す。

合計が6〜8点の場合、かみ合わせに異常がある可能性があり、9点以上なら、大きな問題があると考えられる。

6点以上でも必ず治療が必要とは限らないが、上濱さんは、「まずは、専門家に診てもらいましょう」とアドバイスする。

同学会のサイト(http://www.ago.ac/)で、「校合スコア」のチェックシートをダウンロードでき、各地の指導医の検索も可能だ。

◆かみ合わせチェック

◇9かみ合わせの位置が定まらないと感じる
◇口が思うように開かなかったり、あごがスムーズに動かない
◇かみ合わせの高さに不満を感じる
◇自分の歯並びが気になる
◇歯ぎしりやや歯を強くかみしめる癖がある
◇左右どちらか一方でかむ癖がある

読売新聞

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歯のX線写真自動で照合

群馬の歯科医ら 身元確認用システム

日航機事故で奔走 父の苦労きっかけ

身元不明の遺体の確認を迅速化するため、生前に撮影された歯のエックス線写真を電子画像でデータベース化し、遺体の歯の画像と自動照合するシステムが、実用化に向けて動き出そうとしている。

開発者の一人は群馬県高崎市の歯科医小菅栄子さん(38)。警察歯科医を務めた亡父が25年前の日航機墜落事故で身元確認に奔走した時の苦労がきっかけだったという。

日航機墜落事故の身元確認は、現場で発見された歯の工ックス線写真と全国の歯科医などから取り寄せたエックス線写真を、目視で1枚ずつ照らし合わせて行われた。

小菅さんの父親の篠原瑞男さんは高崎市内の歯科開業医で、事故では警察歯科医として無数の歯のエックス線写真を見比べた。事故で亡くなった歌手の坂本九さんの歯型の確認もしたという。

今年64歳で急逝したが、生前、小菅さんによく「気の遠くなるような作業が続いたが、少しでも早い身元確認が歯科医が遺族のためにできるせめてものこと」と話した。

小菅さんは尊敬する父親の後を継ぐべく歯科大で学び、卒業後の1999年から身元確認システムの研究を始めた。

エックス線写真は一枚一枚撮影角度が違ったり、ゆがみがあったりして、自動照合は困難とも言われた。

そこは、画像のゆがみなどを自動補正し、類似性の自動検出法を研究する東北大学大学院情報科学研究科の青木孝文教授(45)(情報工学)の協力で解決し、2006年にシステムは完成した。

大規模災害時に損傷の激しい遺体の身元確認を迅速化できるほか、犯罪捜査や全国で発見される身元不明の遺体の特定にも応用できるという。

昨年の警察歯科医会の全国大会で「作業効率が飛躍的に向上する」と注目され、実用化を目指し、日本歯科医師会が「日本法歯科医学会などとも連携し、IT化を促進したい」と試験運用の準備を進めている。 

小菅さんは「身元確認にITを導入すれば、作業効率がずっと上がるはず。早く身元確認できれば、早く遺族の元に遺体を返すことができる。それも私たちの重要な使命だと思います」と話している。

読売新聞

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神経圧迫 歯茎に激痛

インプラントで困ったら

千葉県市原市のA子さん(62)は今年4月、千葉市の東京歯科大千葉病院で、右下の奥にある2本のインプラントを取り除く手術を受けた。

歯を失った歯茎の骨に、金属の軸を埋め込み、その上に義歯を固定するインプラント。10年前に入れたものだ。

インプラントにして以後、下唇からあごにかけてのしびれやまひが続いていた。年に3〜4回は、歯茎が激しく痛んだ。

痛み始めると鎮痛薬を飲んでも半日は何も手に着かない。高額な費用がかかった治療だけに、「いずれよくなる」という歯科医の言葉にすがる思いだった。

しかし、痛みの我慢も限界に達し、大学病院を受診、インプラントの除去を勧められた。診察した同大口腔(こうくう)インプラント科教授の矢島安朝さんによると、下あごの骨の中には、神経や血管が通る細い管がある。

通常、この管に達しない長さのインプラントを埋め込む。しかしCTなどのエックス線画像を読み間違えたり、穴を開けるドリルの操作を誤ると、神経を傷つけてしまう。

A子さんのCT画像を診ると、インプラントが神経を圧迫していた。当初の手術が不適切だった可能性が高い。

矢島さんは「しびれやまひの治療は早ければ早いほど回復が期待できる。手術後に異常を感じたら、早急に原因を突き止め、治療を行ったほうがいい」と話す。

A子さんは、神経を圧迫していたインプラントを取り除き、神経組織の再生を促す薬のメコバラミンを飲んでいる。

突然の激痛に襲われることはなくなったが、長い年数がたっているため、まひがどこまで回復するか分からないという。

歯がなくなって不便なので、今度は入れ歯にするつもりだ。歯を失った時の治療として、入れ歯に代わり、インプラントが広がっている。

1本30万〜40万円程と高額だが、見た目は自分の歯と変わらず、入れ歯のような不都合がない。「第二の永久歯」「すぐかめる」「一生使える」と宣伝される。

一方で、治療がうまくいかず、インプラントが新たな悩みになってしまう患者も一部で出ている。矢島さんは「手術後に、しびれが続くなど調子が悪く、治療した歯科医で問題が解決しない場合は、インプラント科や口腔外科がある大学病院などを受診してみてほしい」と話す。

読売新聞

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「体に良い」飲料で虫歯に

摂食障害「マニュアル育児」の反動

東京都練馬区の母親(35)は昨年6月、生後8か月の三男を歯科医に連れて行き、驚いた。生え始めの前歯が4本とも虫歯になっていたからだ。

「まだ離乳食も満足に食べていないのに、なぜ?」 医師は、イオン飲料(スポーツ飲料)が原因になっている可能性が高い、という。ナトリウムやカリウムなどの電解質(イオン)を含んでいる清涼飲料水だ。

男児がイオン飲料を飲み始めたのは、生後6か月ごろ。熱が出た時、脱水を心配した母親が哺乳(ほにゅう)瓶で与えた。その後、ミルク代わりに毎日飲ませるようになった。

市販のイオン飲料は酸性度が高いものが多く、医療用より糖分も多め。糖分は虫歯菌を増殖させ、酸は歯を溶かす「酸蝕(さくしょく)症」を引き起こす。

哺乳瓶でだらだらと飲ませると、前歯を中心に歯全体に虫歯が広がりやすいという。父親(33)は「甘いジュースや炭酸飲料とは違い、体に良いとばかり思い込んでいた」と振り返る。

日本小児科医会の塙佳生常任理事は「下痢や嘔吐(おうと)の時でも、お茶や水を飲めば十分。誤った情報を信じ込んでいる親は多い」と話す。

正しい食の知識は必要だが、食育に偏りすぎると、健康上裏目に出てしまう場合もある。昨年6月。京都市伏見区の睦美幼稚園で、料理作りを喜んで体験した3歳の子どもたち数人が、「食べるのが嫌」と、突然泣き出した。

埼玉県内のある幼稚園では、クラスの半数は「給食嫌い」。カレーが食べられない子もいた。いずれも「食べるのが苦痛」だという。こうした園児たちに共通しているのは、親の多くが食育やしつけに熱心で、栄養面を考えて食事を手作りしていた点だ。

「幼い時から、その日の体調や食べたい物より、栄養バランス優先の食事を親から与えられ続ける。『食欲がわく』という経験に乏しいのではないか」。臨床心理士で原宿カウンセリングセンター(東京)の所長を務める信田さよ子さんはそう話す。

センターには、拒食症や過食症などの摂食障害に苦しむ人たちが相談に訪れる。その中に、白いご飯を一切食べられない女性がいた。「体にいいから」と、親からご飯を残すことが許されなかったことの反動だという。

「摂食障害の人は、子どもの時に食事内容を親に厳しく管理されていたケースが目立ちます」と信田さんは話す。

近畿地方で母親たちに離乳食の作り方を教えている保健師の女性は「マニュアル育児」の影響を指摘する。育児書やネットの情報を見て、「おかゆひとさじって何グラムですか」などと聞いてくる母親が増えているからだ。

「その日の赤ちゃんの体調や食欲に合わせて加減していいのに、細かな数値を知りたがる。周囲に気軽に尋ねられる人がいなくて、マニュアルに結局、頼ってしまうんです」食と健康に関して、あふれんばかりの情報に、翻弄される親子の姿が浮かんでくる。

読売新聞

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ストレスから歯痛に

販売接客業のA子さん(45)は1998年春、朝起きて、右上の歯にジンジンと響く痛みを感じた。歯科医院では、虫歯は見つからなかったが、痛みは増すばかり。

10か所以上の歯科や病院を受診したが、原因はわからない。「つらい痛みがなくなる可能性が少しでもあるなら」と歯を2本抜いたが、痛みは続いた。

2000年5月、静岡市立清水病院口腔外科の井川雅子さん(歯科医師)を受診。歯や周囲の祖織に異常が見つからない「非定型歯痛」と診断された。

井川さんは東京女子医大東医療センター(東京・荒川区)精神科准教授の山田和男さんと協力し、原因不明の痛みの治療に取り組んでいる。

ストレスや不眠、過労がきっかけで起きやすい。女性に多く、夫や義母との確執や、職場の人間関係の悩みを抱えているケースが多い。歯科治療後の発症もよくある。治療の痛みや不快感がストレスになったと考えられるという。

「痛みの原因がストレスとは思いもよらなかった」とA子さん。思えば、痛みが始まったのは、離婚して幼い息子との生活を軌道に乗せるのに必死なころだった。

いったんは治ったが、2000年以降も2回再発。それぞれ、転職直後に新しい人間関係を築くのに大変だった時期と、上司のセクハラで悩んでいた時期と重なった。

検査をしても異常が見つからないため原因不明とされ、「心の持ちよう」「気のせい」と片づけられてしまうことが少なくない。

ストレスで脳の回路に異常が起き、ささいな刺激を耐え難い痛みに感じたり、異常がないのに勝手に痛みを作り出したりするせいだと考えられている。

治療には抗うつ薬が用いられる。よく使われるのは三環系のアミトリプチリン(商品名・トリプタノール)で、A子さんは1年ほどで痛みは消えた。

脳の働きを調節する作用があり、こうした痛みに効果がある。山田さんによると、経過が長い人、治療を漫然と続けてきた人は薬が効きにくい傾向があるほか、「痛みについて考えすぎる人も効果が出にくい」。

こういう場合には、一人でぼんやりする時間を減らし、趣味や仕事に集中し痛みを忘れる時間を多く作るようアドバイス。

水を飲んだり腹式呼吸で息を整えたりするなど、患者自身が痛みを和らげる方法を見つけるための指導を、同病院では行っている。

読売新聞

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虫歯治療 患者ロボで練習

昭和大は、歯科医を目指す学生が実技の研修に使えるように、頭部が動く患者ロボットを早稲田大、工学院大と共同で開発した。

本体の製造はロボットメーカー「テムザック」(福岡県)に依頼した。開発開始は2000年。過去に2種類のロボットを試作したが、実用化したのは初めて。

身長157センチの女性ロボット。顔は軟らかい樹脂、舌はシリコン系素材。プラスチック製の人工歯があり、歯を削る練習ができる。

パソコンで操作すると、せきこんだり、顔を背けたりするほか、「痛いです」「大丈夫です」などの音声が流れる。虫歯治療技術を調べる3月の試験では、学生88人が使った。

昭和大歯学部の槙宏太郎教授は「従来の練習台はマネキン。ロボット患者の方が、現実に近い経験ができる」と導入の狙いを語る。抜歯や手術もできるように改良を進める。

読売新聞 学びサイエンス

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歯周病脂肪の幹細胞で治療

村上・阪大教授ら動物実験で成功

重い歯周病で欠損した歯の根の部分に、脂肪の幹細胞を移植し、歯周組織を再生することに、大阪大の村上伸也教授らが犬の実験で成功した。

採取時の患者の負担が少なく、新たな手法として注目される。18日に広島市で開かれる日本再生医療学会で発表する

歯周病は、歯と歯ぐきの境目にすみついた細菌が、歯を支える歯槽骨やセメント質などの歯周組織を溶かす感染症。

末期には歯が抜け落ちるため、日本人が歯を失う最大の原因で、軽い症状も含めると成人の約8割が感染しているとされる。村上教授らは、重度の歯周病を起こした犬の脂肪を10グラム余り採取。

この中から様々な細胞に変化する幹細胞を取り出し、歯周組織の欠損部の半分に移植した。残る半分の欠損部は、比較のため治療しなかった。

6週間後に観察すると、移植部分には歯槽骨やセメント質などが、欠損部の8割を埋めるまで再生していた。治療しなかった部分はほとんど再生しなかった。

村上教授は「来年にも臨床研究を始めたい」としている。

読売新聞

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歯磨きで自分磨き

健康・美容こだわり派増加

健康や美容の観点から、歯磨き剤にこだわりを持つ人が増えているという。歯磨き剤も種類はいろいろで、目的に応じた機能や特徴を持つ商品を選びたいものだ。(経済部 山岸肇)

日替わりで ライオンが昨年12月、20〜50歳代の女性516人に行った調査によると、自分専用の歯磨き剤を使っている人は43・O%たった。

その日によって歯磨き剤を変える人も多いようで、現在持っている歯磨合剤の数は2本が46・5%、1本が27・1%で、3本という人も18・8%いた。

歯磨き剤に対する消費者の興味や関心はかなり高いわけだ。そこで同社は先月、時間をかけて丁寧に歯磨きするための新商品を出した。

口から垂れにくい、クリーミーな泡がウリだ。ライオンによると、「化粧品などと同様、歯磨き剤にも美容の要素を求める人も増えている」という。

香りに焦点 そんな時代、香りに焦点を当てた歯磨き剤が、マーガレット・ジョセフィン・ジャパンの「ブレスパレット」だ。

「毎日息を着替える」をうたい文句に、ローズやコーラなど、シリーズで31種の香りをそろえた。一方、口臭予防向けの小林製薬の「スミガキ」は炭を配合した黒い歯磨き剤。

昨年4月〜今年2月の出荷額は、前年の同じ時期よりも15%増と好調だ。薬用成分の効果をうたった商品も増えている。

サンギは昨年4月、知覚過敏症の人向けの新ブランド「ナノテクト」を発売した。サンスターも1月、生薬の成分で歯肉炎や歯周炎を防ぐ商品を発売した。

同社の調査によると、1本1000円前後の高価格帯の歯肉炎・歯周炎予防効果がある歯磨き剤は人気を集めており、市場全体の16%
を占めているという。

読売新聞

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臓器移植法改正

日経メディカル開発 編集部長
広多 勤

昨年7月13目,参議院本会議で臓器移植法改正案が可決,成立した。改正法では,脳死を人の死とし,本人が拒否の意思表示をしていない限り,家族が同意すれば臓器提供ができる。

書面による本人の意志表示が必須の条件ではなくなったので,現行法の解釈では制約があった15歳未満のドナーからの臓器提供も可能になる。

1997年に現行の臓器移植法が成立してから12年経つ。当初の臓器移植推進への期待とは裏腹に、現実には非常に制約が多く,この法律に基づく脳死判定を行った臓器移植例はわずか81例にとどまっている。

今国会で成立した改正案(いわゆるA案)は2006年に議員立法として提出された。

このほかに脳死の判定は現行法のまま臓器移植の場合に限定し臓器提供の年齢制限を15歳以上から12歳以上に引き下げるとした対案(B案)が出され.2007年には脳死判定基準の運用をする改正案(C案)も提出されていた。

だが、実質的な審議が進まぬまま,棚晒しになっていた。

しかし,昨年5月に,国際移植学会が,臓器売買と移植ツーリズムの禁止などをうたったイスタンブール宣言を採択したのを受け,世界保健機関(WHO)は,自国内での臓器移植を促す新しい臓器移植ガイドラインの作成にとりかかった。

そうした国際的な動きに対応するためにも,国内法の改医整備が急務になった。今国会では、本人の意思表示の確認を必須としたD案も提出されたが,6月18日の衆議院本会議では,A案が賛成263人,反対167人で可決された。

また参議院では.小児の脳死臨調を設置する法案(E案),A案を修正して,脳死の扱いは現行法のままとし提供者の「家族らの心情を十分配慮する」ことなどを追加したA案修正案も提出されたが,最終的に,A案が賛成138人,反対82人で可決された。

改正案(A案)の提出議員らは.「『脳死は人の死』ということは.
おおむね国民的合意は得られている」としている。

しかし,人の死をめぐっては多様な死生観に基づくさまざまな考え方があるのも事実だ。実際に国会審議でも死の定義をめぐる議論はまとまらなかった。

日本には,法律上の生死の根本定義を定める「生命倫理法」のような法律がない。これが.脳死移植をめぐる議論が毎度空回りする一因だともいわれる。

改正臓器移植法は1年後の2010年7月に施行される。厚労省では,それまでに15歳以下の小児の脳死判定の手順,臓器提供施設の要件などを急いで詰めるとしている。

また、小児の脳死判定基準についても.改めて研究班を設けて旧研究班がまとめた判定基準案の妥当性を検討する方針だ。

この改正で.臓器提供のハードルがかなり低くなったことは確かだ。しかし,ノンフィクション作家の柳田邦男氏は,改正法は臓器の確保にばかり目が向いていて,ドナー家族への配慮が足りないと指摘している。

柳田氏は,厚労省「脳死下での臓器提供事例に係る検証会議」の委員として50例以上の臓器提供側を詳細に検証してきた。

また,自身が,次男が脳死状態を経て亡くなった際に臓器提供をした経験をもつ。

「ドナー家族を守る十分なケアや支援があってこそよい移植医療が行われるということを考慮しなくてはいけない」という柳田氏の言葉は,重く受け止められるべきであろう。

日本歯科医師会 雑誌 2009年8月号

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虫歯がないのに歯が痛い

「歯が痛いので歯医者に行ったけど虫歯がないと言われた」と困った顔をして私のところに来る患者さんが時々いる。

そんな時考えるのは「この患者さんは特発性三叉(さんさ)神経痛の可能性があるのでは」ということだ。

三叉神経は脳神経の一つで顔面を走っている額と上顎(じょうがく)、下顎(かがく)の3ヵ所に分布することが三叉神経と呼ばれるゆえんだ。

歯や口腔(こうくう)粘膜の知覚がこの神経に支配されているので、三叉神経痛は歯痛との区別が難しい。これがしばしば問題となる。

三叉神経痛は、痛み以外の症状が乏しい「特発性」と、顔面や歯に痛みの原因がある「症候性」に分けられる。

特発性三叉神経痛は神経の走行路など限られた部分に、電撃のような短時間の激しい痛みが出ることが多いが、軽い痛みが長続きすることもある。

痛みの発作は食事や洗顔、歯磨き、ひげそり、はてには顔に風が当たった時にも起きることがある。

顔面の片側の同じ部位が反復して痛むことも特徴で、痛みがない時には患者さん自身も忘れていることがある。

特発性の痛みの場合、カルバマセピンという薬がよく効く。まずこの薬を処方し、症状が良くなれば特発性であると診断することもある。

一方、症候性の方は痛みが長時間続いたり、痛みの他に腫れるや感覚のまひなど別の症状を伴うことが多い。

これらが鑑別点になるので、患者さんは症状をできるだけ整理して伝えて欲しい。この病気は中高年に多いとされている

原因がはっきりしていない歯痛で、これまで述べたような症状に当てはまる場合は、三叉神経痛による痛みかもしれない。

カルバマセピンによる治療効果が不十分な時は、手術による外科療法や神経ブロック療法を採ることがある。

実際に私が担当した中にも、口の痛みが強く、カルバマセピンを多量服用しないと症状が軽くならないが、薬の副作用でふらふらしてしまう患者さんがいた。

話し合いの結果、手術を選択したところ、服用が不要になった。原因が不明の歯痛や口周囲の痛みが続く時は、歯科口腔外科や耳鼻咽喉(いんこう)科、場合によっては脳神経科の受診をおすすめする。

(国立病院機構東京医療センター歯科口腔外科医長)

健康生活 NIKKEI PLUS

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お口の機能 鍛えて元気に

食べづらい、むせる時は‥‥

「口が乾いてパンが食べづらい」「食事中むせることが増えた」。こんな症状があったら、□の機能が衰えている可能性がある。かんだり、のみ込んだりする力が低下すると口から食事がしづらくなり、心身の健康を保ちにくくなる。楽しみながらお目の機能を鍛えたい。

「食べる機能は、年を取るとともに気づかないうちに衰えます」と話すのは、財団法人ライオン歯科衛生研究所(東京)の研究者で歯学博士の武井典子さん。

武井さんは今年2月、口の機能を自分でチェックし、鍛えるプログラムを日本歯科大学などと共同で開発した。

対象は、介護の必要がない人や、要介護でもプログラムを理解し無理なくできる高齢者。

まず(1)口まわりの筋力(2)そしゃく力(3)のみ込む力(4)口の清潔度―の四つの視点から口の元気度を自分でチェックする。武井さんは、「評価項目の内容があてはまらない場合は、食べる力が弱ってい可能性がある。

それぞれの機能の改善プログラムに取り組んでみましょう」と呼びかける。

(1)口のまわりの筋力は、口を開いたり、口の中の食べ物を歯や舌の上に押し戻す働きをしている。家族や友人との「顔ジャンケン」で鍛えよう。

口をすぼめれば「グーー」、口を開いて「パー」、口をつきだせば「チョキ」。ほかにもカラオケや口笛などで、ほおや唇を積極的に動かすといい。

(2)そしゃく力をつけるに、一口で30回以上かむことが基本。右と左で各10回、両方で10回など意識的にかむ。

(3)のみ込む力をつけるには、舌をほんの少し出したまま、つばをのみ込む「べろ出しゴックン体操」を5回以上行ってみる。

首や腰に問題がない人は「頭上げ体操」もいい。ひざを伸ばしてあおむけに寝て、肩が床から離れないように頭だけを持ち上げ、天井に向けた足の爪先を1分間見る。その後、1分間休む。3回を1セットで、1日3セットが目安。

これらの体操は、食道の入り口を広げ、のどの奥の筋肉を強化し、食べ物が誤って気管に入ることを防ぐという。 ただ食事中、食べ物をのみ込みにくいと感じたら、速やかに専門医に相談した方がいい。

(4)□の中を清潔に保つためには歯磨きをするのはもちろん、歯がない場合も、粘膜ブラシで歯茎や舌を磨く。入れ歯も毎日洗浄剤に浸し、その前後にブラシで清掃し、細菌やカビを除去することが必要。

改善プログラムを60〜90歳代の介護の必要がない高齢者74人が2か月間続けたところ、「固い物が食べにくい」と答える人が減ったほか、唾液の分泌が増えたり、舌から見つかる菌の数が減ったりだ。

プログラム開発にかかわた日本歯科大学客員教授の岩久正明さん(新潟大名誉教授)は、「おいしく食べ、楽しく話す日常生活の基本を支えるのが□の機能。できるところから改善に向けて取り組みましょう」と話す。

読売新聞 2009年10月30日

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口腔カンジダ症の診断方法

視診:口腔粘膜に典型的なカンジダ性偽膜や菌塊の形成(白色または黄色)が認められたときは□腔カンジダ症と容易に診断できる。

しかし、粘膜の発赤を伴う萎縮(紅斑)性口腔カンジダ症(赤い)では他の口腔粘膜疾患との鑑別が必要となる。また,口角炎・口唇炎や口腔粘膜の難治性潰傷などでカンジダ歯の関与を疑う疾患では,真菌検査によりカンジダ菌の存在を証明する必要がある。

塗抹検査:カンジダ症を疑う口腔粘膜患部を綿棒,歯科用ミラーあるいは舌圧子などで軽く擦過しプレパラートに塗抹する。火炎固定した後グラム染色あるいはPAS染色する。

カンジダ菌は酵母か仮性菌糸として認められ口腔扁平上皮も観察される。仮性菌糸が口腔扁平上皮へ侵入している像が認められたときは疾患とカンジダ菌の関連は明白である。

仮性菌糸だけが認められたときもカンジダ菌が関与しているとされている。ただし,Candida glabrataは酵母形でしか存在しないので酵母形で診断する。

グラム染色は染色液と流し台があれば,簡単に短時間にできる。

培養検査:塗抹検査と同じ要領で患部ぬぐい液を採取しサブロー寒天培地,クロモアガー培地上に塗布する。 36℃で24〜48時間培養し集落が形成されれば真菌(カンジダ菌)が患部に存在していることを示している。

クロモアガー培地上ではカンジダ菌の種類により集落の色が異なり(C.albicansは緑、C.glabrataは紫色など)カンジダ菌種の同定か可能である。

参考:ライフサイエンス出版

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顎関節症(がくかんせつしょう)

最近、歌手や大食い選手などが顎関節症になり、大きく□を開けられなくなったといったニュース報道が目立ちます。しかし、開口障害という症状が顎関節症に特有かというと、そうではありません。

親知らずの周囲炎などによっても□は開けづらくなります。実は顎関節症には「この所見があれば診断できる」という特異的な症状がありません。開口や咀嚼(そしゃく)といった顎運動に伴って、顎関節や筋肉に痛みが出る。

または大きく開口できない。あるいは顎関節で音がする。といった症状があり、同様な症状を起こす他疾患を除外できたときに顎関節症と診断するのです。

また、顎関節症が頭痛、肩こりから腰痛、その他の全身症状を引き起こすというマスコミ報道をみることがあります。しかし、そのような関連性を示す科学的証拠は何もありません。

肩こりと頭痛に関しては顎関節症の痛みが消失すると、軽減する場合はあります。しかし、その原因が他にある場合は完全に消えることはありません。顎関節症の病態については日本顎関節学会が5種類の症型に分類しています。

顎関節自体には問題なく、咀嚼筋の問題から症状が出る咀嚼筋障害(顎関節症1型)、いわば捻挫に相当する関節包・靭帯障害(顎関節症2型)、関節円板のずれに起因して諸症状が出る関節円板障害(顎関節症3型)、関節骨の変形を伴う変形性顎関節症(顎関節症4型)、さらに、愁訴はあるものの、他の4つの症型に該当しないものを「その他」としています。

顎関節症の発症率や有病率に関する、日本国内でのこれまでの調査はほとんどないため疫学データは不足しています。外国の調査では、一般集団の5〜12%が何らかの症状をもつとされますが、最近実施した都内就労者に対する調査では18%を示しており、就労者における増加が懸念されます。

病因に関して、1934年のコステンによる校合病因説以来、かみ合わせの悪さが最大の原因であると考えられてきました。しかし、かみ合わせの悪さが原因なら、歯科医療事情の悪い国では顎関節症患者があふれていなければなりませんが、そのような事実はありません。

現在、顎関節症の原因はいろいろな要因が集積することで発症するという、多因子病因説が世界的に受け入れられています。その中でも私は、無意識に上下の歯列を接触し続ける習癖要因が最大の病因性をもつと考えています。

歯列接触によって筋疲労、関節負荷が持続し、またこの癖はストレス下で長時間化することで、ストレスの為害効果を介在します。最近の調査では来院する痛みをもった患者さんの70%以上にこの癖がみられました。

治療についてはこの癖の是正を最も重視しています。これに加えて顎関節や筋肉のリハビリトレーニングとしての可勧化訓練を癖の是正に並行して実施して貰います。

この方法を採用するようになり、以前のマウスピース治療、校合調整治療に比べて、格段の改善効果が得られ、また通院期間も短縮しています。

TMDC MATE(東京医師歯科医師協同組合 2009年10月号)

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特別養護老人ホームにおける継続的な口腔機能管理の効果

要介護高齢者では誤嚥性肺炎の発症者が多いものの、口腔ケアは肺炎の予防に有効であることが示さ,介護予防プログラムなどに採用されるなど,社会的要請も高い。

一方,現在わが国では,多くの介護施設や病院において,専門職種である歯科医療者の配置はされておらず,特に,歯科衛生士の現場への供給は不足している。

要介護高齢者に対する口腔ケアの実施に際し,一定の知識や技術が伴わないときに,十分な成果があげられなかったり,口腔ケアの実施自体が危険を招いたりすることも考えられる。

それゆえ,施設職員のみでは対応が不十分であると考えられ,介護施設においても,歯科医療職の関与が求められる。

さらに,要介護高齢者の義歯の使用率は低値を示し,目腔機能が低下した者も多い。何らかの理由で入院などが必要になった場合など,入院中は義歯の使用が制限されることも多く,その結果,義歯の使用率は低下する。

このような状況にある介護老人福祉施設にかかわる時.診療計画に基づいた継続的な口腔機能管理が求められる。

東京都台東区および台東区浅草歯科医師会において実施した継続的な口腔機能の管理の取り組みとその成果について報告する。

1.継続的な口腔機能管理

1)東京都台東区における取り組み

要介護高齢者は,さまざまな理由によりADL(Activities of Daily Living : 日常生活動作と訳され,食事・更衣・移動・排泄・整容・入浴など生活を営む上で不可欠な基本的行動を指す)の低下や認知機能の急激な変化を示す。

それらの変化は,口腔衛生状態や口腔機能に著しい影響を与え,摂食機能の低下や誤嚥性肺炎の発症を招く。

認知機能の低下した高齢者は,口腔内の問題を自ら訴えることは少なく,日常的に介護を行っている介護職においてもその変化に気がつくことは困難である。

それゆえ,歯科医療職の介入を本人や家族,介護施設からの要請に基づいて行う場合,適切な時期に効果的な介入が行えない可能性がある。

そこで,東京都台東区歯科医師会および台東区浅草歯科医師会(以下.歯科医師会とする)では,平成18年より,介護老人福祉施設利用者の継続的な口腔機能管理を目的に,同区内に立地する2つの介護老人福祉施設において,口腔ケア・マネジメントの取り組みを行った。

2)口腔機能の評価

利用者の口腔機能,口腔衛生状態の評価は随時,1週間に2回,歯科医師会より派遣された歯科衛生士により,スクリーニングとして行った。

歯科治療の介入の必要性を疑う症例の場合には,随時,訪問診療対応で当施設にて訪問診療を行う歯科医師会会員の歯科医師が,その診断を行った。

また摂食・格下機能の低下が疑われた症例においては,1ヵ月に1回,歯科医師会の要請により大学病院より派遣された専門の歯科医師が摂食機能の評価を行い,それぞれ必要に応じて,歯科治療および摂食機能療法を行った。

3)カンファレンスの開催

これらの活動と施設看護職員,介護職員,栄養士などとのコーディネート役を果たした重要なツールは「摂食支援カンファレンス」であった。

このカンファレンスは月に1回開催され.施設のケアワーカー,相談員,看護師,管理栄養士とともに歯科医師会の歯科医師.大学派遣の歯科医師,歯科衛生上が基本メンバーとなった。

このカンファレンスでは,施設側の各職種,歯科医師会側の各担当者よりそれぞれの立場より,口腔ケアの問題点,口腔内の状態,摂食機能.栄養状態など問題のあるケースの提示が行われ,ケアプランが策定された。

このカンファレンスの内容は,介護保険制度にある栄養ケア・マネジメントの経口維持加算,経口移行加算のケアプランに反映された。

参考:日本歯科医師会雑誌2009VOL.62 NO.5

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乳幼児 歯磨き中の転倒注意

乳幼児 歯磨き中の転倒注意

歯ブラシで口内を切りケガ

乳幼児が歯磨き中に転倒し、口の中を切るなどの事故が目立っている。

東京消防庁によると、同庁が管轄する東京都内(一部地城を除く)では、昨年1年間に計48人の乳幼児 (6歳以下)が歯磨き中の事故により救急車で病院に運ばれた。

そのうち、1歳児(23人)と2歳児(10人)で、全体の約7割を占めた。2歳の女児は歯磨き中に転倒し、歯ブラシが歯茎に突き剌さって重傷を負った。

ほかにも、歯ブラシを口の中に入れたまま歩いていたところ、壁にぶつかったり、布団につまずいて転倒したりして、口の中を切るなどの事故が起きている。

また、親が6歳の男児をひざに載せて歯を磨いていたところ、その弟が突然親に抱きついてきたため、手元が狂い歯ブラシで男児の口の中を切ってしまったケースもあった。

東京消防庁生活安全課は「歯ブラシを口に入れたまま転倒すると、重大な事故につながる恐れがある。

幼児は転倒しやすいので、歯ブラシを口に入れたまま歩きまわらないように十分気を付けてほしい」と注意を呼びかけている。

読売新聞 2009年7月11日

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パニック障害

診察台苦手 歯科医が配慮

歯科の診察台で、20歳代の女性患者がケーキをパクパク食べている。フォークを置いて缶コーヒーを飲み、「ふぅー」と一息ついた所で歯科医は声をかけた。

「では水でうがいして、歯を見せてくださいね」東京都台東区の舷坂(ふなさか)歯科診療所では、このような不思議な光景が展開されることが珍しくない。

女性患者はパニック障害で、長く歯科に行けなかった。同診療所の舷坂満さん(51)が、一番落ち着ける行動を事前にたずねたところ、「ケーキを食べている時」と答えたため、このような治療になったのだ。

パニック障害は、薬物治療と認知行動療法で改善が望めるが、発作が減っても「逃げられない場所」を避ける傾向が続くこともある。

拘束感がある歯科の診察台や美容院の席は、患者が特に苦手とする場所で、ある男性患者は「歯科でイスを倒されて上からのぞかれると、すごい圧迫感で苦しくなる」と語る。

舷坂さんも、病院の口腔(こうくう)外科で働いていた20歳代後半の時、八二ック障害に陥った。車や電車に乗れず、診察中にも発作が起こった。

克服したのは30歳代半ば。きっかけは、知人に誘われて始めた卓球だった。何度か通ううちに発作が減り、長くできるようになった。

「最後はいつもヘトヘトになって、早く帰って休みたい一心で、電車にも乗れるようになった」パニック障害の患者は、週に1度、予約で対応している。1人数時間かかることもあるが、困っている患者は多く、「体力が続く限り対応したい」という。

患者は、受付で待つ間に苦しくなることが多いため、すぐに診察室に案内する。診察台が苦手な人は、立ったまま治療する。

発作が起こりそうになったら、麻酔中でも治療を中断し、散歩して来てもらったり、診察室の隅にタオルを敷いて横になってもらったりする。

発作が不安で外に出られない近所の患者には、往診を行うこともある。20歳代の男性患者は「寝ないと落ち着けない」と訴えたため、ベッドに一緒に横だわって歯を抜いた。

他の歯科医院でここまでの対応を求めるのは難しいが、まずは歯科医に病気を伝えてみることが大切だ。患者らは「すぐに治療を中断してもらえるだけでも安心感が増し、発作が起こりにくくなる」という。

NPO法人「全国パニック障害の会」は今後、日本歯科医師会などに病気への理解を求める方針。同会のホームページでは、会員に評判の歯科医院や美容院のリストを見ることができる。

読売新聞 2009年6月23日

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脳への効果 指運動より大

かむ効用

よくかむことは身体の健康保持に役立つだけでなく、脳を活性化する効果もある。

「細かい手作業は、認知症防止に役立つ」といわれるが、日本歯科大教授の小林義典さんによると、指の運動よりも咀瞬(そしゃく)の方が脳を活性化する効果は大きいという。

小林さんらが、硬さが違う4種類のグミゼリー咀嚼した時の脳血流量を調べたところ、硬いものほど血流量が多くなった。

咀嚼力低下と認知機能の関連を示す研究もある。東北大の研究では、70歳以上の高齢者1167人の認知機能と歯の本数の関係を調べた。

認知機能が正常なグループは歯の平均本数が14・9本だったのに対し、軽度の認知障害の疑いがあるグループは13・2本、認知症の疑いがあるグループは9・4本と少なかった。

ネズミの歯を抜くと学習や記憶能力が低下するという動物実験もあり、人でも咀嚼力の低下が認知機能に影響を与えている可能性がある。

そのほか、ガムをかむことで学生のテスト成績が向上したという実験や、幼稚園児の知能指数と咀嚼の仕方に相関があったとの報告もある。

カナダの脳外科医ペンフィールドが、大脳皮質の場所と体の部位との対応を調べて作った有名な脳機能地図がある。歯やあご、唇、舌など□周辺の機能に関連する大脳皮質面積が全体の4割近くを占めており、かむことが脳に及ぼす影響の大きさが容易に想像できる。

小林さんは「歯ごたえがあるものを食べることが、脳の活性化につながる」と話す。

参考:読売新聞

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舌の運動で病気知らず

若さは口から

食事量の少なくなった高齢者こそ、口のケアが大切。そんな事実を示す研究がある。

全国国民健康保険診療施設協議会が2004年に行った調査によると、口内の清掃や、のみ込む力の訓練などを組み合わせたプログラムにより、高齢者の活動産が高まった。栄養状態が改善し、健康状態が良くなったためと考えられている。

同協議会会長で、公立甲賀病院(滋賀県甲賀市)院長の冨永芳徳さんは、「口の状態が良ければ、食べることを楽しめるし、気兼ねなく口を開けて笑える。生きる喜びが生まれることも、大きいのではないか」と見る。

口の状態は、お年寄りがかかりやすい病気とも深くかかわっている。その一つが肺炎。日本人の死因の第4位で、年間死亡者11万人の9割以上が65歳以上の高齢者だ。

加齢によってのみ込む力が衰えると、食べ物や唾液が、誤って気管に入ってしまう。一緒に入り込んだウイルスや細菌が、肺炎を引き起こす。口のケアにより、インフルエンザの予防効果が期待できることも分かってきた。

食べ物をかむと脳の血流が増すことなどから、口の健康と認知症のかかわりを探る研究もある。

口の機能は鍛えることができる。同協議会が作成した口の機能向上マニュアルには、のみ込む力のほか、呼吸、発音の改善を目的としたトレーニングが紹介されている。

手軽にできるのが舌の運動だ。口を大きく開いて突き出したり引っ込めたり、舌先で唇のまわりをなぞったりする。舌の動きがなめらかになるほか、唾液の分泌が促されるので、食べ物をのみ込みやすくなる。
(飯田祐子)

読売新聞 健康プラス

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ユニセフ 途上国におけるすさまじい規模の妊産婦死亡

今年発表された国際連合児童基金(ユニセフ)の報告書『The State of the World's Children2009(世界の子どもたちの状態2009年)』は、5歳未満の乳幼児の死亡数を減らす点で、この間に一定の進展があったと評価している。

しかし、途上国で新生児が生後1ヵ月以内に死亡する確率は先進国の約14倍。アフリカ東部のりベリアは新生児死亡率が世界一高く、調査期間中には1,000人中66人の割合で死者が出たという。

ユニセフのアン・ヴェネマン事務局長は報告書発表に際し「子どもの死亡率引き下げで一定の進捗があったとはいえ、母親および新生児の健康問題ではいっそう努力を強めなければいけない」と述べた。

妊産婦死亡の件数は過去20年間におおむね変化がなく、子どものさらなる死亡率低減を困難にしている。母親が出産中もしくはその直後に死亡する場合、新生児が生存するチャンスは少なくなる。

報告書によると、2005年に死亡した妊産婦50万人のうち約99%は先進工業諸国以外の国民で、その半分以上はアフリカに集中している。

ユニセフの保健医療問題責任者のピーター,サラフ博士は、「途方もない数の死者が出ており、すさまじい規模で悲劇が起きている」と強調した。

妊産婦死亡が起きる割合は、富裕国では8,000人に1人なのに対し、最前国では24人に4人。貧しい国々の女性は先進国の女性に比べ、およそ300倍も妊娠合併症などで死亡しやすいということになる。

妊産婦死亡率が世界第1位のニジェールでは、妊娠中もしくは出産時に女性の7人に1人が死亡する。

逆に、アイルランド(4万7,600人中1人の割合で死亡)は、子どもを産むには最も安全な場所とみることも可能だ。

先進諸国と開発途上地域(とりわけ後発開発途上諸国)との格差に関し、おそらく妊産婦死亡の問題ほど顕著なものは他にない、というのが今年の報告書の見解だ。

国運はミレニアム開発目標の達成を目指すプログラムの一環として、2015年までに妊産婦死亡率の75%削減を呼びかけているが、今回のユニセフ報告書は、とりわけ開発途上諸国での進捗状況が立ち遅れていると指摘している。

The State of the World's Children 2009
http://www.unicef.org/sowc09/index.php

参考:月刊全国保険医団体連合会 2009年4月号 No.997

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機能性ガムと歯ブラシのコラボレーションでお口の健康をよりアップさせよう!

■歯みがきの前にガム?

お口の健康を守るためには、毎日のていねいな歯みがきが必要です。しかし忙しくて時間がないときや、□内炎などによりお□の中が痛い時は十分に歯みがきすることはできません。

このようなこまった時に役に立つのは、キシリトールなどむし歯にならない甘味料や歯の石灰化を促進する成分が入った機能性ガムで、いろいろな製品が市販されています。

■唾液をよく出そう!

ガムをかむことにより唾液がよく出るようになり、歯垢がとれるだけでなく、唾液本来の働きによりお□の健康が維持されます。さらにガムに入っている成分による効用も期待できます。

■機能性ガムを積極的に使おう!

歯みがきの前にガムをかむと歯垢が取り除きやすくなるとの報告もあり、これからは歯みがきと機能性ガムとのコラボでお□の健康力をよりアップさせましょう。


【機能性ガム】

キシリトール
むし歯の原因にならない甘味料(キシリトール及び還元パラチノース)を使用しています。また歯の再石灰化を増強するキシリトール、フクロノリ抽出物(フノラン)、リン酸一水素カルシウムを配合しているので、歯を丈夫で健康に保ちます。

ポスカム
本品は、リン酸オリゴ糖カルシウム(POs-Ca)を配合しているので、□内を再石灰化しやすい環境に整え、歯を丈夫で健康にします。

リカルデント
歯の脱灰を抑制するだけでなく再石灰化を増強するCPP-ACPを配合しているので歯を丈夫で健康にします。


【機能性ガム】

・口の中を湿潤させる
・口の中を自浄させる
・細菌の感染を防ぐ
・有害物質を無害化する
・消化を助ける
・味覚を助ける

参考 歯科衛生士 岡本 香

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口輪筋鍛え「老け顔」防止

年齢を重ねるにしたがって、ほおがたるみ、口角が下がる。小鼻の脇から下に向かう縦じわも深くなり、いわゆる「老け顔」になってしまう。

老け顔の最大の原因は、加齢による表情筋の衰えだ。

表情筋には、ほおを引き締める頬筋(きょうきん)や目の周りの眼輪筋、額の前頭筋などがあるが、石井歯科診療所(東京都港区)の石井聖子歯科医師は、「顔のたるみを解消するには、口幅筋を中心に、口元の表情筋を鍛えましょう」とアドバイスする。

□輪筋は、唇の周囲を取り囲む筋肉。唇を閉じたりすぼめたりする時に働くが、普段、意識して動かすことが少なく、加齢とともに衰えやすい。

たくさんの表情筋が□輪筋から放射状に伸びており、□輪筋が弱くなると、周囲の表情筋もあまり動かなくなってしまうという。

読売新聞 2009年1月

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転倒予防へ口腔ケア

かむことと力の発揮との間には深い関係がある。

東京歯科大准教授でスポーツ歯学が専門の武田友孝さんによると、かむと大脳皮質の運動野が活性化され、全身の関節周辺の筋肉が働き、体が固定される。「動物がエサを食べる時、体がぐらつかないように進化した」と解説する。

かみしめ効果が大きいのは重量挙げのように体を固めて力を出す動きだ。逆に100メータ走などは、かめば逆効果になる。ただし、速い運動でも、体操の着地やサッカーのヘディング、ボクサーがパンチを当てた時など、瞬間的にかむことは多い。

ボクシングやラグビーの選手が使うマウスピースは樹脂製で軟らかく、歯と歯でかむよりも強い力でかめる。そのため、首回りが固定されてけがを防ぐほか、より大きな力を発揮できる。

高齢者の転倒予防にも、かむ効果は生かせる。広島大のグループが、自立歩行できる認知症高齢者146人の転倒頻度とかみ合わせの関係を調べたところ、年2回以上転倒したグループでは、奥歯を失い、かめない人が66%いたが、転倒が1回以下のグループでは22%と少なかった。奥歯がない人でも入れ歯でかめるようにすると転倒は減った。

日本歯科大病院口腔介護・リハビリテーションセンター長の菊谷武さんは「かみ合わせが戻れば、転倒しそうになった時にふんばりが利き、バランスが保てる。高齢者の自立支援には、口腔機能の改善が欠かせない」と話している。

健康情報があふれる中、「かむ」という基本動作の重要性を見直したい。(藤田勝)

読売新聞2008年12月

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歯科に関するミニ知識
医療に関するミニ知識 NO-3 NO-2 NO-1
全身の病気とお口の中の病気の深いかかわり


 

心ある歯科医は吠える(院長ページ) 院内活動 院外活動


 

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