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処女の尿で含嗽(うがい)これほんとの話?

ローマ時代、口腔衛生思想は、大変進歩した。ローマ人は動物の骨を焼いた灰や卵の殻を焼いた灰を用いて歯磨粉をつくった。このことから彼らは現代と同じく炭酸カルシウムで歯を磨くのがよいことを知っていたのではなかろうか。否、我々は、それを踏襲しているだけなのではないかとさえ思われる。彼らは、朝起きたときや食後には、必ず含嗽や、爪楊枝で歯間を清掃することを励行した。ときには含嗽剤(うがい液)として、朝夕とった少女や処女の尿を用いたという。人の尿で含嗽(うがい)する方法は、18世紀頃、すなわち、西洋における歯科中興の祖といわれたピエール・フォシャールも推奨している。

尿は、生理的排泄物であるので、特に病気をもたない健康な人の尿は、ほとんど水分で、淡黄褐色、清澄である。しかし、放置すると濁り(ヌベクラ)を生じる。弱酸性(PH6前後)で、肉食を好む人種は酸性、植物食を好む人種はアルカリ性である。ローマ人などは肉食性なので酸性であったかもしれない。各種の成分を含んでいるが主なものは、尿酸(酸性塩・核タンパクの分解による)、Cl(NaCl)、Na、K、Ca、Mg、尿素(加水分解でアンモニウムを生ずる)、リン酸、アンモニアなどである。

昭和30年(1955年)頃、日本でも練歯磨アンモニア(2リン酸アンモニウム)を入れたものが、むし歯予防に効果があると売り出されたことがある。ローマ人が処女の尿を用いたり理由は不明であるが、処女、少女の尿と限定したのは、宗教上の処女受胎、処女純潔尊重の思想によるものであろう。紀元前、モーゼの時代には処女という言葉はなかったという。「男と寝たることなく、男を知らざる女」と表現されていたところから、汚れを知らない女性の尿を用いたと解釈すれば、うなづけると思う。

(参考資料 長谷川正康著 歯科の歴史おもしろ読本より)

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