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理髪師の副業だった歯科

中世紀時代のイタリアにおいては理髪師が医師の業務の一部、主として外科的範囲の瀉血、吸角法、抜歯、口腔内清掃などを担当していた。吸角法は角法ともいい、医術の一種で、その始めは角製の吸血器を用い、皮膚の表面に血液を吸い出した。これは吸血器の上部に孔があって、そこから空気を吸い出した後に、指またはろうでこれをふさぎ、器内を陰圧にしておき血を吸い出す方法である。

吸血器は中世紀には金属やガラスでつくられるようになった。日本古代では角嗽(かくそう)といって悪血を取った。丹波康頼が書いたわが国最古の医書「醫心方」(いしんぽう)には角嗽にチトルカメという注があり、血圧の高い人の降圧に使用した。

理髪師が外科を担当していた名残りは現在も看板にある。あの白、赤、青は、まずほう帯・シーツの白、動脈の赤、静脈の青を表している。この商標は、1540年パリの理髪外科医メヤーナ、キールが用いたのが最初とされている。彼らは理髪師の本業は整髪にあり、外科的処置はあくまでも副業であったのであろう。

外科的処置の料金は一定でなく、その状況によって礼金として受け取った。その支払い法が広がり、サービスに対する礼金を入れる箱が置かれるようになった。その箱には、少しでも多く礼金を入れてもらうため「To insure promptness」(迅速を保障するために)と書かれてあった。

この頭文字をとるとTIPとなり、これがお礼としてあげるチップの語源になったという。これには異説がある。中世紀イギリスのコーヒー店でコーヒーを運ぶサービスを円滑にするため、入口に箱を置き、それには、前と同じ文字が書かれていた。そこに小銭を入れたお客から先にコーヒーが運ばれ、入れなかった人は後まわしにされた。こんなことからサービスのお礼をチップといったのだという。

(出典 長谷川正康著 歯科の歴史おもしろ読本より)

 

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