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ワイン文化と合嗽剤の関わり

古代ヒポクラテス以来、合嗽剤のベースにはブドウ酒が使われていた。ブドウ酒はブドウ属の一種(Vitis Vinifera(ビイテイス ヴィニフェラ))を醗酵させてつくった酒である。

一万年前、新石器時代のスイス、イタリアの遺跡からブドウの種子が発見されているところから、当時から野生のブドウが自然醗酵したものを飲んでいたと思われる。

ブドウの栽培と醸造が始まったのは青銅器時代といわれている。ブドウ酒(ワインWine=ラテン語)が文献上に初めて現れたのはオリエントで、紀元前四五〇〇年頃である。世に酒を好まぬ民族はなく、また、神酒(おみき)を上らぬ神はいない。

日本で酒の神は少名彦(すくなひこ)神、大国主(おおくにぬし)神といわれているが、ワインの神はバッカス(正しくはバッコス=ディオニソス)で、多くの国に酒の神がいるが、バッカスが最も知られているのは、彼を生んだギリシア文化が、その後の世界の歴史を支配したからだという。

バッカスは、テーベ市の王女セメレとゼウス大神との子で、ゼウスの妻ヘラ神の嫉妬心から山奥に追われ、そこで妖精ニンフ(nymph)達の愛情を一身に受けて美しい若者に成長した。

この愛情は彼に優しさを、ヘラ神の迫害は力強さを与えた。この性格は、ワインそのものの性格を表しているといわれている。

バッカスの家来には牧羊神のパンとバッカント(バッカスの信女・正しくはバツカイ)がいる。この意味は、ワインを飲んだ男がパンであり、ワインを飲んだ女がバッカントで、ワインの魅力をたたえた伝説である。

それはさておき、ご存じの通リヨーロッパの水は硬質で、あまりよいものではない。そのかわりにワインが飲まれたのであろう。

それにしても、この時代のワインは現在飲用されているような美味なものではなかったであろう。しかし、ヨーロッパには、薬効成分や芳香性をもつ香辛料が数多くあり、これらが粗悪なワインを飲みやすくしたのではないかと思う。

斎藤浩氏は、香辛料(日本の薬味)の定義と特徴について、主として熱帯、亜熱帯、温帯地方に産する植物の乾燥させた種子、果実、花、蕾、葉茎、木皮、根塊などから得られるものの中で、刺激性の香味を待ち、飲食物を風味づけたり、着色したり、食欲を増進させたり、消化吸収を助けたりする働きのあるものを香辛料スパイスと総称すると述べている。

そしてスパイスの作用は、抗菌、防腐作用、酸化防止作用があり、使用分類には矯臭作用、賦香作用、辛味作用、着色作用があると「スパイス入門」に書いている。

参考:歯科の歴史おもしろ読本 長谷川 正康 著

 

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