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避難所でのちょっといい話

東日本大震災以来,日本中が暗いニュースで満ち溢れているこんな時ほど,明るい話題が必要となる。

さて私は,阪神淡路大震災の時に大学からの派遣で,避難所を廻った経験を持つ。たいして役には立てなかったが,そこで垣間見たことを紹介しておく義務もあるように思う。そこで避難所であった“ちょっといい話”を紹介する。

第1話

ある避難所へ着いた時,すでに暗くなり始めていた。木枯らしの吹きすさぶ校庭で,たっ一人ギタ一を片手に歌っている若者がいた。

よく聞くと,昔よく歌った曲だった。こんなボランティアの方法があったことに驚かされた。

その理由。
さて貴方の“懐かしい歌”や“青春の歌”は,どんな曲があるだろうか?私はフォークソング世代なので“戦争を知らない子供たち”や“翼をください”などを思い出す。

ある日突然,自宅や家族,自分がこれまで築き上げてきたものが一瞬にして奪われたら,どんな気持になるだろう。

“どうしてこんな目に逢わなければならないのだ・・・。“悪いことはしていないのに・・・。これは悪い夢に違いない・・。”きっと,そんな思いが頭を駆け巡るだろう。

でもそれを受容し,新たな気持ちに切り換える。その勇気づけ・励ましになるのが,自分が好きだった歌,みんなと一緒に歌った青春の歌のように思う。

昔を思い出して,“もう一度 頑張ろう!”と思い前向きに生きて欲しい。きっとあのボランティアは,そんな思いで歌っていたのだと思う。

第2話.

避難所では,ダンボールの囲いがそれぞれの家庭の境界だった。真冬なので暗くなるのも早い。運動場はあまりに寒くテレビもないので,子ども達が遊ぶ場所もなかった。

ある日,診療をしていると校内放送が入った。子どもの声だった。

「これから○年生△組の教室で紙芝居を始めます。みなさん来てください!」何をするだろうと思い教室に行った。すると,思いもかけない光景に出会った。

なんと! 小学生が,幼稚園児達を集めて紙芝居をしていたのだ。思わず胸が熱くなった。

子ども達は,大人に言われ紙芝居をしていたのではない。自分達ができる仕事を,自分達で考え探しだして,紙芝居をしていたのである。

素晴らしいことではないか。最近の子ども達。“わがままで自分勝手”,“我慢が出来ない”など良いようには言われない。

でも本当は,そんなことはないのだ・・。
日本の将来も,まんざら捨てたものではないな・・と思った。

歯のふしぎ博物館
http://www.dent.okayama-u.ac.jp/syouni/OKAZAKI/omosiro/hinann/hinann.html

 

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