ホーム プロフィール 趣味 おもしろ大辞典 ボランティア 心ある歯科医は吠える 坂本歯科医院のホームページ

乳歯こそ親の歯

<乳歯の虫歯が多い者は、少ない者に比べて、約2倍のスピードで永久歯の虫歯が増え続ける。 >

"乳歯は,むし歯になっても永久歯に萌え代わるから。"という言葉をよく聞く。その理由を聞いてみた。"乳歯は,小学校の頃には萌え代わる。しかし永久歯は,生涯使わなければならない。

本当にそうだろうか?と思い,乳歯と永久歯のむし歯の関係について調査した。3歳で乳歯が9本以上むし歯のある子を追跡してみると,10年後には永久歯のむし歯の平均は約7本。

一方乳歯でむし歯のない子は,約3本となっていた。乳歯のむし歯が多いと,永久歯のむし歯が約2倍のスピードで増え続ける。この調子で60歳までむし歯が増えると仮定する。

むし歯のなかった子は,永久歯のむし歯27本となる。一方,むし歯が多い子は,53本もむし歯ができる勘定だ。ヒトの歯の数は28本。

これではワニ(は虫類)のように,歯がたくさん萌えないと間にあわない。やはり乳歯のむし歯が多いと,永久歯でも多くなるのだ。


<口の中は地球環境と同じ。甘いお菓子は,1本の歯で食べているわけではない。>

これは放置された花壇を例にすれば,理解しやすい。放置されて雑草が生い茂っている花壇に,花の苗を植えたらどうなるだろう?肥料を与えても,雑草に取られてしまう。

太陽の光は,雑草に遮られて,届かないに違いない。また雑草についている病害虫が,苗を脅かすだろう。このような状態で,きれいな花が咲くとは思えない。

同じことが,むし歯だらけの子どもにも起こる。乳歯のむし歯予防は,生涯にとって歯の健康の基本なのだ。だから乳歯にむし歯が多いと,萌えたばかりの永久歯もすぐにむし歯になってしまう。

永久歯は,生涯使う大切な歯だ。しかし乳歯の状態によって,永久歯が決まってしまう。乳歯は,萌えている期間は短い。しかし,乳歯こそ健全な永久歯を導く"親の歯"とも言えるのだ。これが乳幼児期のオヤツの与え方と関係しているように思う。

<乳歯で多くのむし歯があっても,定期健診を受けることで永久歯のむし歯は,減らすことができる。>

また乳歯は,一度に多数のむし歯ができるのが特徴だ。これは地球環境を考えてみるとわかりやすい。核の問題を例にとろう。一旦,大きな核爆発が起これば,広い範囲の地域が汚染される。

わずかの期間に,地球の反対側まで影響を及ぼすだろう。"宇宙船地球号"という言葉が示すように,地球は一つの"閉鎖系"なのだ。地球の片隅で起こったことは,すぐに地球全体の問題となる。

口も同じ"閉鎖系"。1本の歯がむし歯になることは,口の中全体が同じ環境と言える。甘い食べものは,1本の歯で噛んでいるわけではない。

歯の治療をしても,最初むし歯ができた環境が変わらないと元の木阿弥になる。むし歯が出来る環境こそが問題なのだ。

<きれいな歯を手に入れるためにもかかりつけ医は重要だ。>

それでは乳歯でむし歯が多いと,いくら治療しても健康な永久歯の獲得には,つながらないのだろうか?先ほど,乳歯でむし歯が多かった子ども達。

治療が終わっても,定期的に歯のチェックに通ってもらう。永久歯は,次から次に萌えて来るので,それに応じた歯の磨き方も必要だ。

また萌えた直後の歯は,軟らかいのでむし歯になりやすい。フッ素を塗ることで,歯を硬くし,むし歯にならない丈夫な歯を作る。これを繰り返すと10年。

乳歯でむし歯が多く,永久歯7本がむし歯に侵されているはずの子ども達。これが10年後には,平均1.5本にとどまっていた。

歯のチェックを定期的に行なうことは,これほど効果がある。そのためにも"かかりつけ医"を作ることが重要だ。

ドクター岡崎のおもしろ歯学
http://www.teeth.co.jp/shigaku/article/08072150000068.html

 

おもしろ大辞典へ戻る


E-Mail: takafumi@sakamoto.or.jp

ホーム | プロフィール | 趣味 | 面白大辞典 | ボランティア | 歯科医は吠える | 坂本歯科医院